微細加工機を製造している碌々産業(社長=海藤 満 氏、本社:東京都港区高輪4-23-5)が、微細加工機をあやつるオペレータを『Machining Artist(マシニングアーティスト)』と呼び、普及活動を行っている。
海藤社長は、「昔は汎用旋盤を経験や感性で操って超高精度な加工を実現した人たちを“職人”と呼んでいましたが、現在、微細加工機をあやつるオペレータは、デジタルデータを駆使して微細加工を実現しています。とてもマニアックな方も多く、中には加工をとことん追求する姿から、マニアックを通り越して“変わり者”といわれている方もいらっしゃいます。その方達の微細加工への飽くなき追求が、世界における電子機器等のブレークスルーに繋がっているのだと思っています。われわれは、そのオペレータの方々を尊敬の念を持って『Machining Artist』と呼ぶことにしました。」と話す。
碌々産業がデジタルデータを駆使する「マシニングアーティスト」の普及へ ~微細加工技術者をリスペクト~
2019年1月分工作機械受注総額は1,254.0億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年1月分の受注実績は以下の通り。
2019年1月分工作機械受注総額は、1,254.0億円(前月比△7.5% 前年同月比△18.8%)となった。20カ月ぶりの1,300億円割れ。1月では18年(1,543.9億円)に次ぐ過去2番目。1,000億円超は27カ月連続。
内需は467.7億円(前月比△18.2% 前年同月比△15.9%)で、先行き不透明感や補助金待ち等から、23カ月ぶりの500億円割れ。1月としてはリーマンショック以降で18年(556.1億円)に次ぐ2番目。
外需は786.3億円(前月比+0.3% 前年同月比△20.4%)で、スポット受注も寄与し、12月から微増も3カ月連続の800億円割れ。1月としては18年(987.8億円)、15年(826.3億円)に次ぐ過去3番目。
緩やかな減少傾向を示しているものの、受注額は一定水準を維持。当面、この水準が続くと見られるが、通商問題や世界経済動向の影響を注視。
1月分内需
467.7億円億円(前月比△18.2% 前年同月比△15.9%)。
・23カ月ぶりの500億円割れ。1月としてリーマンショック以降で2番目(最高18年:556.1億円)。
・前月比4カ月連続減少。前年同月比2カ月連続減少。
・中国をはじめ世界景気の先行き不透明感に加え、補助金待ちもあり、やや弱含みで推移。
1月分外需
786.3億円(前月比+0.3% 前年同月比△20.4%)
・3カ月連続の800億円割れ。1月では過去3番目(①18年:987.8億円、②15年:826.3億円)。
・前月比2カ月連続増加。前年同月比4カ月連続減少。
・全体的に緩やかな減少傾向も、スポット受注などにより、1月は前月からほぼ横ばい。
サンドビックが業績並びにデジタル戦略を発表
説明するエネビリ社長 サンドビック(社長=マイケル・エネベリ氏)が、2月14日、名古屋市内の名古屋マリオットアソシアホテルで開催された同社中部日本コロマント会総会に先立ち、「2018年度業績」、「デジタル戦略」、「新組織体制」等について発表があった。
エネベリ社長は、「2018年は記録的な年となった。史上初めて1,000億スウェーデン・クローナを超えた。これは日本円にして約1兆2,500億円になる。この成長は主に南北アメリカ、オーストラリアが中心となっている。ヨーロッパとアジアはこれに比べて低いながらも安定した成長を示している。売上の38%はヨーロッパ、21%がノースアメリカ、アジアは約20%。産業分野の観点からは、主に航空機及び石油ガス分野で力強い成長が見られたが、ヨーロッパとアジア、特に中国を中心とするアジアは減少傾向にある。」と数字を示したあと、「市場シェアの獲得と市場の新しい領域への参入に注力する。」と意気込みを示した。
サンドビックが参入しているマーケットの新分野に“デジタルマニュファクチャリング”がある。同社の好調なデジタル製品シリーズは“CoroPlus(コロプラス)”と呼ばれ、従来の切削工具の種類であるコロターン、コロミル、コロドリル等を統一した“Coro(コロ)”という名前が付いている。“CoroPlus”は設計、工程計画、マシニング計画、工具ロジスティック、拡充及び加工後等の検証を含む顧客の機械加工のバリューチェーン全体をサポートすることを目的にしている。
エネベリ社長は、「サンドビック・コロマントの主要な工場のあるジモ工場において、世界経済フォーラムから最先端のインダストリー4.0サイト及びデジタルライトハウス工場として認定された。これはデジタルマシニングにおいて、サンドビックが最高のポジションにあるという証明であり、非常に名誉なことだ。」と優位性を示した。
山本雅広 山本 サンドビック・コロマント・カンパニー 専務執行役員バイスプレジデント 西日本営業統括本部長兼東日本営業統括本部長)が、新組織に関する説明をした。それによると、東日本に関しては武井篤史 営業統括本部長代理が東日本営業統括本部長代理に就任すると発表し、「より地域に密着した形で営業活動を進めていく」との姿勢を示した。
また、航空機部門に関しては、航空機推進部の名称で別組織を持って注力すると説明した。
2019年の取り組みについては、コミュニケーションの強化を挙げ、技術的なサポートを含めて付加価値のある営業活動を行うとした。また、高付加価値製品の開発にも注力するとし、3Dプリンターで作成された世界初の“チタン合金製ミリングカッター”の販売を3月から開始していく予定。
「JIMTOF2018 第29 回日本国際工作機械見本市」の出展者数・来場者数ともに過去最高を記録 ~1085 社が出展、会期6 日間の来場者総数は153,103 人~
世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2018(第29 回日本国際工作機械見本市)」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が、去る11月1日(木)~11 月6 日(火)までの6 日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催され、過去最多となる1085社・5524小間の企業・団体が国内外から参加した。VAインターナショナルが会期中の内訳等を発表した。
●過去最大の来場者数
会期6日間を通して、前回のJIMTOF2016を上回る合計153,103人が来場し(来場者数は開催期間中の重複来場数を除く)、現行の完全登録制によるカウント方式採用後(第18回以降)、最多の来場者数となった。
●海外からの来場者数
海外からは、前回比12.1%増の12,934人が来場した。中でも、アジアからの来場は11,039名(前回比13%増)となり、海外来場者全体の8割を占めた。またそれ以外のエリアからも、ヨーロッパ、北中南米を始めとして世界63カ国・地域から、来場者が訪れた。
●出展内容の特徴
IoTプラットフォームを介した、設備の稼働状況の可視化を始めとする「見える化システム」のソリューションが精力的に出展され、IoTを実際に活用するための提案が多く見られた。この他、AIや計測技術を活用した省力化システム、工作機械とロボットの協働領域の拡大、実用面における積層造形加工(Additive Manufacturing)の進展、複合・5軸加工の進化等、製造業の未来を切り拓く新たなソリューションが随所に見られた。
●出展者・来場者からの高い評価
主催者が実施したアンケートの結果によると、出展者においては、「出展目的」の達成度が非常に高く、次回も出展したいという回答が9割を超える結果となった。また、来場者からも、「業界動向」や「新製品情報」の入手源として注目されており、国内外ともに極めて高い割合で「期待以上」、「期待通り」の展示会であったと回答した。
●併催企画の充実
基調講演では、業界でも特に関心の高いEVに関する講演を行い、約800名の聴講者を集めた。この他、IoT、AI、企業経営等、ものづくりの世界を様々な角度から紹介する講演を行い、いずれの会場もほぼ満席となる盛況ぶりだった。
企画展示では、IoTプラットフォームを活用して会場内72社・292台の展示機と企画展示ブースを“つなぎ”、その稼働状況等の情報を大型モニターにライブ表示して、会場を一つの巨大な工場に見立てることで、IoTの一端を実感。また同ブースでは、会期初日に「IoTオープニングディスカッション」を開催し、84人の報道関係者等を前に、“つなぐ”からその先の価値創出へと急ぐ必要性を論じた。
特別展示では、本田技研工業の協力で、その高い技術を活かしモータースポーツの現場で活躍している、Honda 製のSUPER GT(4輪)・Moto GP(2輪)出場車を展示した。さらに、過去から最新に至るまでのエンジンの実機を展示し、多くの方が過去から“つながる”技術の変遷・進化を見学に訪れた。
●学生の来場者数は5,266名
学生のために企業のトップが集まり講演会を行う「工作機械トップセミナー」や、工作機械関連業界に興味を持ってもらうための「ものづくり業界紹介セミナー」が開催され、学生たちが熱心に耳を傾けた。また学生を応援する企業の紹介やブース位置を掲載した冊子「会場案内」も配布され、学生の工作機械関連業界への興味関心の向上に貢献した。学生の来場者数は前回比1.5%増の5,266名となった。
【移転】イスカルジャパン 水戸営業所がつくば営業所として開設
イスカルジャパン(社長=岡田一成氏)の水戸営業所がつくば営業所として開設する。
新事務所での業務開始日は3月4日(月)。
■つくば営業所 (移転先)
〒305-0032
茨城県つくば市竹園2-10-8 第三芳村ビル403号室
TEL 029-828-7361 / FAX 029-828-7362
DMG森精機 増収増益増配!
説明する森社長 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、2018年12月期(1月~12月)の連結決算を発表した。
当期における連結業績は、売上収益5012億4,800万円(前年同期4296億6,400万円)、営業利益362億6,100万円(前年同期293億9,100万円)、税引前当期利益312億7,500万円(前年同期248億300万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益185億1,700万円(前年同期152億6,300万円)となった。なお、当期の利益配当金は、一株当たり年間50円(前期40円)を実施する。
当期の受注額は、4,970億円で前年同期比11%増となった。ただ、上期の受注は好調に推移したものの、下期の受注は高水準を維持するもほぼ前年並みにとどまった。この状況下においても、CELOS、テクノロジーサイクル、周辺装置を含む自動化需要が伸長し、受注総額に占める自動化案件の比率は24%(前年同期17%)まで向上した。また、5軸加工機、複合加工機のほか、超音波およびアディティブマニュファクチュアリング(積層造形)などの先端技術の受注も伸長した。
地域別では、日本が前年同期比24%増と最も高い伸びとなり、次いで米州が13%増、欧州、中国がそれぞれ7%増、インドを含むアジアが4%増と各地域とも増加した。日本、米州、欧州は年度を通じて高水準の受注を確保できた。ただ、中国については、第3四半期(1~9月)までは、トラック、バスなどの輸送機器、エネルギー関連、一般機械向け受注増を享受できたが、第4四半期(10~12月)に入り、米中貿易摩擦の影響を避けられず、需要減に加えて、顧客の外貨調達難から、同社の受注計上要件となる前受金の受領が遅れる傾向が生じ、受注は大幅な減少が続いている。
同社の事業戦略については、製造現場での自動化・複合化の促進と5軸加工機の普及、統合的なデジタル化によるインダストリー4.0の実現に取り組んでいる。さらにアディティブマニュファクチュアリング(積層造形)の発展やDMQP(DMG森精機認定周辺機器)パートナーとの連携を通じ、すべての顧客に最適なソリューションを提供している。また、技術開発では、大型5軸加工機DMU 200 Gantry およびDMU 340 Gantryを昨年のJIMTOFで日本初披露し、国内で販売開始した。標準搭載の自社製主軸speed MASTERが高速かつ高精度な加工を実現するほか、ガントリ構造の固定テーブルを採用することにより、重量ワークや偏荷重ワークへの対応も可能となった。このため、アルミやGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の大型加工物も効率よく加工できることから航空宇宙業界や金型業界から好評を得ている。本年6月以降には、ヒューマンマシンインターフェイスCELOSにマカフィー㈱の「McAfee Embedded Control」を国内生産機に標準採用し、システムの停止や情報流出を阻止する情報セキュリティ対策を強化していく。
一方、同社は働き方改革にも取組み、“よく遊び、よく学び、よく働く”をモットーに、社員が安心して力を発揮できる健康的な環境の整備を進めている。昨年12月からは、一日の勤務時間を12時間以内としたうえで、退勤から次の出勤までを12時間以上あける「12時間インターバル制」を導入した。また、同社は「DMG MORI SAILING TEAM」を発足させ、日本における外洋ヨットレースの第一人者である海洋冒険家の白石康次郎氏を迎え入れて、単独・無寄港・無補給の世界一周レース「Vendée Globe(ヴァンデグローブ)2020」に挑戦する。あらゆる自然環境に耐えうる剛性、精度を追求した最先端の船舶の提供を通して、製造業の発展に貢献するという。
2019年度(1~12月)は、日本工作機械工業会が受注を前年度比12%減と予想するなど、高水準の中での調整局面を迎えると思われる。このような環境下で、同社は今まで進めてきた5軸加工機、複合加工機などの工程集約型機械、自動システムの需要増、超音波加工機、アディティブマニュファクチュアリング(積層造形)など先端加工技術の用途拡大に手応えがあり、引続き受注拡大に努めるとしている。その業績(連結)予想は、売上収益5000億円、営業利益360億円、親会社の所有者に帰属する当期利益190億円を見込んでいる。また、次期配当金についても、一株当たり年間60円の増配を予定。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは125円を想定している。
「過去最高の業績」オーエスジーが第106回定時株主総会を開く
オーエスジー(社長=石川則男氏)が、2月16日(土)に同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で第106回定時株主総会を開催した。
石川社長はあいさつの中で、「2018年度は創業80周年の記念すべき1年で、大変好調な世界経済を背景に世界中で労働力が不足になった。IoT、半導体、自動化等への投資が世界中で旺盛になった。それに伴い工作機械、産業機械、半導体製造装置、ロボット等の生産が増加し、当社が製造している切削工具の需要も極めて旺盛な状況であった。2018年度はお陰様で過去最高の業績で終えることができたが、その一方、一部製品の供給が追いつかず、ご迷惑をおかけした1年でもあった。社員一同、顧客の信頼にお応えできるよう今後とも努力をしていく。」と振り返った。
説明する石川社長 同社の2018年度は創立80周年を迎え、世界中で強い受注に恵まれた。主要ユーザーである自動車関連産業向けをはじめ、多くの業種で需要が好調に推移し、『Aブランド』をはじめとする標準品、特殊品ともに受注が強く、主力のタップや超硬製品の生産能力の増強や自動化につとめ、フル生産体制をとった結果、過去最高の業績を実現した。また、国内外で増加する受注に対応するため、72時間無人稼働を見据えたスマートラインを国内主力工場に導入し、全工場に展開する取り組みを開始した。
この結果、売上高は、1,313億6,800万円(前期比9.3%増)、営業利益は225億2,000万円(前期比17.7%増)、当期純利益は147億1,000万円(同5.1%増)となった。
欧米は、消費、生産、輸出に支えられ堅調に推移した。中国も個人消費、輸出に継続が見られたが、成長は持続。その他アジアの新興国は、以前の高い伸びと比べ鈍化したものの一定の成長を持続した。
国内においては、生産と輸出に支えられ拡大を維持してきたが、自然災害などで個人消費が伸び悩み、期末にかけて減速基調となった。この結果、国内では、主要ユーザーである自動車関連産業をはじめ、幅広い業種から需要は堅調に推移し、主力のタップ、超硬ドリル、超硬エンドミル、ハイスドリルの売上が増加し、前期と比較して増収増益となった。
米州は、主要市場の北米で航空機関連産業が好調で自動車関連産業向けをはじめとするその他業種の需要も堅調に推移した。メキシコでは自動車関連産業向けが引き続き堅調に推移した。ブラジルでは、国内需要は超硬ドリルの需要が堅調に推移し、輸出需要も好調で増益に貢献した。米州セグメント全体では主力のタップ、超硬ドリルおよび超硬エンドミルの売上げが増加したことにより、前期と比較して増収増益となった。
欧州アフリカでは、自動車関連産業むけ需要を中心に業績は順調に推移した。なお、当連結会見年度期首よりフランスおよびドイツに所在する子会社2社を新たに連結子会社として加えている。
中国では自動車関連産業向けを中心に多くの産業で市況は好調に推移した。韓国では、自動車関連産業向けは横ばい、IT関連産業向けは低調で、前期の売上は維持しながらも減益となった。台湾では主力のタップが増加し、大手ユーザー開拓により超硬ドリルが大きく伸び業績は順調に推移した。新興国、その他のアジア地域では各拠点総じて好調に推移し、着実にシェアを増加させた。アジアセグメント全体では、主力のタップおよび超硬ドリルの売上が増加したことにより前期と比較して増収増益となった。
2019年度も、Aブランドの新製品発売を予定しており、M&Aで獲得した新販路を活用し、さらなる受注拡大を目指す。また、生産能力の増強と、国内工場の再編を目的に新城工場の敷地に新工場を建設し、今後世界展開のモデルとなるスマートラインの構築に努める。これら、生産体制刷新のために、全世界の生産工場を共通のデジタルデータで繋ぎ、小ロットの特殊品、大ロットのカタログ品にかかわらず、品質とコストと納期を高いレベルで実現するための新プロジェクト『OSG4.0』を2019年1月にスタートさせた。さらに、再研磨事業、コーティング事業をはじめとするサービス事業にも注力し、世界中の顧客の様々な需要に対応する。
これらの取り組みにより、2019年度は売上高1,370億円、営業利益240億円を計画している。同社では2020年度、売上高1,500億円、営業利益300億円の達成に向け、今年度もさらなる飛躍を目指すとした。
剰余金処分の件、取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名選任の件、補欠の監査等委員である取締役1名選任の件、役員賞与支給の件、取締役(監査等委員である取締役を覗く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬額決定の件が上程され、それぞれ満場一致をもって承認可決し閉会となった。
なお、総会に関連して恒例となったプレゼンテーションでは、総会開会前に新製品等の紹介、総会終了後には海外動向を中心に報告があった。
タンガロイがアルミ加工用超高能率仕上げカッタ「TungSpeed-Mill」(タング・スピード・ミル)を発売
タンガロイ(社長=木下聡氏)が、このほど、アルミ加工用超高能率仕上げカッタ「TungSpeed-Mill」(タング・スピード・ミル)の販売を開始した。
この製品は、インサートのセッティング方法として、新刃先調整機構“カムアジャスト”を採用。1本のレンチのみでインサートの取付けと調整を行うことができ、多刃化のデメリットとなる刃先調整時間の延長を、大幅に短縮することができる。
また、従来品以上の超多刃設計により、アルミニウム合金などの非鉄金属を切削速度Vc=3,000m/min以上の高速かつ高テーブル送りで加工することが可能となり、自動車部品などに使われるアルミニウム部材の超高能率加工を行うことが実現する。
インサートは、普通刃・刃先強化型普通刃・バリ取りさらい刃およびさらい刃の計4種類を標準設定。普通刃にはダブルチャンファ切れ刃を採用し、バリの発生を抑制し、さらに切りくずの細分化を可能にする。また、バリ取りさらい刃との併用によりバリレス加工を、さらい刃との併用により優れた加工面品位を得ることができ、高品質な加工を行うことができる。
カッタボディは、工具径φ50mm~φ160mmまでで、φ50mmはシャンクタイプ、φ63~φ160mmまではボアタイプを設定する。加工対象物の大きさに合わせて、幅広い選択が可能である。
主な特長
① 新刃先調整機構“カムアジャスト”により、セッティング時間を短縮
② 超多刃設計(工具径φ100mmで22枚刃)により、非鉄金属の超高能率加工を実現
③ 様々な加工に対応する4種類のインサート
主な形番と標準価格(税抜価格)
●カッタボディ
・TPYD06M063B22.0R10 160,000円
・TPYD06J100B31.7R22 242,000円
カッタ:計16形番
●インサート
・YDEN0603PDFR-D DX110 8,450円
・YDEN0603PDFR-WD DX110 8,450円
インサート:計4形番
三菱日立ツールが高硬度鋼加工用 高能率4枚刃ボールエンドミル「EHHBE-TH3」を発売
三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)がこのほど、高硬度鋼加工用 高能率4枚刃ボールエンドミル「EHHBE-TH3」を発売した。
この製品は、従来から好評を博しているエポックハイハードボール「EHHBE-ATH」に新開発した次世代コーティング「TH3コーティング」を施したもの。TH3はTHコーティングの第3世代のコーティング。特に50HRC以上の高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮することが特長だ。
従来品・エポックハイハードボール「EHHB-ATH」の特長である先端に特殊エンド刃を設けた刃形状、ビビリ振動抑制効果の高い不等分割刃、広いチップポケットなどの工具設計は継承し、4枚刃に多刃化された高硬度鋼加工用ボールエンドミルとTH3コーティングが融合することで、安定した高能率加工が更なる長寿命で行える工具だ。40HRC~72HRCの高硬度鋼(特に50HRC以上の焼入れ鋼)の荒加工~中仕上げ加工、高能率側面切削での高硬度鋼の荒加工に威力を発揮する。
特長は以下の通り。
(1)TH3コーティングの採用(耐熱性、耐摩耗性の更なる向上)
耐熱性、耐摩耗性に優れているTH3コートを採用、50HRC以上の高硬度鋼で威力を発揮する。
(2)先端に特殊エンド刃採用(切削性能の向上、安定化)
先端部に微小な特殊エンド刃を設け、ボールR刃とは異なる刃を形成。ボールエンドミルで最も不安定となる切削速度ゼロ点(ボール先端部)を無くし大幅な切削性能の向上を実現した。
(3)不等分割刃の採用(ビビリ振動の抑制)
多刃化に伴う課題である、高速回転時・コーナ部加工時・突出し量の長い加工でのビビリ振動を最小限に抑えるため、切れ刃に不等分割を採用している。
(4)チップポケット形状の最適化(切り屑排出性の向上)
チップポケット形状の改良により、4枚刃での高能率加工においても良好な切屑排出性を実現。切屑の噛込みによる、突発的な折損を防ぐことができ安定した加工を実現する。
(5)高能率側面切削に対応した工具設計
工具の外周刃を使用し加工負荷を制御しながら加工を行い、加工能率や工具寿命を向上させる高能率側面切削に対応した工具設計を行った。
仕様
φ1~φ12 レギュラー刃 (全17アイテム)
価格
¥10,710~¥32,440(消費税別)
アマダマシンツールのプレス事業をオリイメックに承継し、新会社へ ~金属プレス加工の総合的な自動化ソリューションを提供~
(株)アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、プレス事業の強化を目的として、2019年4月1日付で、(株)アマダマシンツール(社長=田所雅彦氏)のプレス加工機械事業を吸収分割により、同社の100%子会社でプレス加工機械向けの自動化装置などを手掛けるオリイメック(株)(社長=髙畠 一氏)へ承継すると2月14日に決定をした。4月より、社名を「株式会社アマダオリイ」に変更し、新社長には、坂木雅治氏(現:(株)アマダホールディングス相談役、(株)アマダマシンツール取締役プレスカンパニー代表、オリイメック取締役)が就任する。プレス加工機械と自動化装置を一体化させた自動化ソリューション、ならびに最適な成形加工システムを提供していく。
アマダホールディングスは、プレス事業の競争力強化を目的に、2018年10月にオリイメックの株式を取得し、以降、アマダマシンツールとオリイメックは協業してプレス加工機械の自動化ソリューションの提案を進めてきた。その一方で、金属プレス加工業界を取り巻く環境は、深刻な人材不足を背景とした自動化需要の高まりや、自動車市場で採用が進む軽量化素材や複雑な形状に対応する加工技術の開発要請が強まるなど、急速に変化している。同社では、こうした環境変化に対して、より強固にスピード感をもって対応するために、機動的かつ効率的な事業体制を構築した。
今後の展開については、両社が各々で培ってきた、開発から販売、サービスに至る機能や経営資源を融合させて、プレス加工の総合メーカーとして、これまで以上に付加価値の高い提案力を発揮していく。自動化需要に対しては、主に自動車部品の加工ライン向けに、複数の小型プレス機と搬送ロボットをつなげて協調制御を行うタンデムラインで応えていく。併せて、長年蓄積してきた生産工程の設計ノウハウを活かし、顧客の加工ニーズに最適な成形加工システムを総合的に提案していく。また、アマダグループとオリイメックが世界各地に持つ販売ネットワークを活用しながら、グローバル市場での存在感を高めることに努めるとしている。
商品開発については、両社の技術力を一体化させて、より生産性が高く、熟練者でなくても使いやすい新たなプレス加工の自動化ソリューションを創出していく。軽量化素材として需要拡大が見込まれる高張力鋼板(ハイテン)などの新たなプレス加工法を開発することにより、新規市場の開拓も目指す。
また、(株)アマダ(社長=磯部 任氏)富士宮事業所におけるプレス加工機械の生産能力を増強し、オリイメックの現有能力と合わせて、今後の成長を見据えた供給体制の強化を図としている。アマダホールディングスは、中期経営計画における成長戦略の重点施策として、自動化ソリューションビジネスの推進とグローバル市場の拡大を掲げており、プレス事業の統合および組織の再編を通じて、グローバルでの競争力をさらに強化し、プレス事業の売上高を2021年度までに250億円にまで拡大することを目指すとしている。
■アマダオリイの概要
社 名:株式会社アマダオリイ(AMADA ORII CO., LTD.)
所 在 地:神奈川県伊勢原市石田200
事業開始:2019年4月1日予定
代 表 者:代表取締役社長 坂木雅治
事業内容:プレス加工機械、自動化装置、ばね成形機などの開発、製造、販売、サービス
〇坂木雅治(さかきまさはる)
1977年(S52) 3月 武蔵工業大学工学部 卒業
2012年(H24) 1月 アマダマシンツール 入社
2012年(H24) 4月 同 副社長
2017年(H29) 4月 同 相談役 アマダホールディングス 相談役(現職)
2018年(H30) 7月 アマダマシンツール 取締役プレスカンパニー代表(現職)
2018年(H30) 10月 オリイメック 取締役(現職)
【レポート】オークマ東京支店で「東京マシンフェア」を開催 ~注目は次世代ロボットシステム「ARMROID」~
オークマ(社長=花木義麿氏)が、2月15日(金)~16日(土)の2日間、同社東京支店で「東京マシンフェア」を開催し、多くの来場者で賑わいを見せた。
今回の目玉は、昨年東京ビッグサイトで開催されたJIMTOF2018にて初披露した次世代ロボットシステム「ARMROID(アームロイド)」。実は、この時、同社のブースに展示されていた「ARMROID」に人が集まりすぎていて、筆者はこのマシンの写真が撮れなかった。それほど、このマシンは注目を浴びていたのだ。これは今回、じっくり見学しなければなるまい。
大注目の「ARMROIDO」 このマシン、ロボットが“機械の中に入った”点が大きなレイアウト上のメリットとなっている。通常、ロボットは外に置いているので、機械の全面側の作業スペースが取られてしまう。なにより驚いたのは、「ARMROID」のコンパクトさだった。
技術本部ソリューション開発センターの大杉三郎 主務は、「オペレータが、一品もののワークをこなそうと思ってもロボットが邪魔になって危険であり、操作がしにくいなど悩ましい作業環境がありました。他にも、旋盤加工の場合、加工時間が2~3分という短いスパンでワークの交換が必要になります。オペレータの方が他の場所に行って作業をしていると機械が止まってしまうということがあるのです。ここでいかに機械を止めずに、工場の効率を上げるかが課題となりました。交換作業をロボットにさせることでオペレータが他の場所に行って他の機械で効率を上げ、工場全体の生産効率を向上させるのが、この機械の特長なのです。」と説明をしてくれた。
ロボット自動化セルを簡単に実現するための工夫も施されており、ワークストッカを取り付けるだけで、単体機からロボットセルへ簡単に切り換えられるのも嬉しい。ワークストッカは移動式。作業者による手着脱で小ロット部品を加工したり、自動化セルで量産加工ができたり、フレキシブルに対応できるところは頼もしい!
今回は加工をしたものの動きで見せているので、実際の加工はないが、ロボットでハンドリングをして機械の中で取り付け、加工したものをストッカーに戻すというデモを見学した。
ロボットの先が交換式のユニットを付けられるようになっている。機械の奥側にステーションがあるので、そこで交換を行う。3つまでのユニットが搭載可能だ。材料を取るため、ハンドユニットを取り付けたところで、機械の全面に準備させた素材をチャック側にとり付ける。
ロボット操作の革新
「システムインテグレータが不要」と大杉氏 従来だと、機械は機械の操作を機械側でセットアップして、ロボットの動きはロボットの操作ペンダントでプログラムを組んでいたのが主流だったが、オークマは、ロボットの操作ペンダントを同社の制御装置の中ですべてセットアップできる画面・機能を作り上げたのだ。
「機械操作の経験のある方であれば、従来の入力方法でロボットのプログラムを作成して頂けます。今まではロボットのシステムインテグレータ達がセットアップをしてティーチングをしていましたが、システムインテグレータ不要で簡単に導入できるように画面の開発をしました。」と大杉氏。
3Dシミュレーションで事前に干渉確認を行うので、複雑な動きもティーチングレス! 機械側がモデルを使って干渉しないように自分で動きを決めて行っている。
さらに加工中のサポートも「ARMROID」が実現。ロボットアーム先端からのミキシングブローで切くずの絡みつきを防止してくれるうえ、機内の堆積切くずも除去。安定加工を実現するため、加工時の嫌なびびりをロボットのサポートで抑制してくれるからありがたい!
また、オークマが設計・製造元なので、「機械はこっち、ロボットはあっち、のように、お客様が様々な方面でお問合せをしなければならないのは、ストレスの原因となります。全てオークマが対応いたします!」というから頼もしい!
やはりJIMTOF2018に続き、同社では今回もこの「ARMROID」は注目の的であり、最先端の製造現場に向けたオークマならではの取り組みを見ることができた。
岡本工作機械PSG会が「2018年度 東部支部連絡会」を開催
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が去る2月8日、新横浜国際ホテル マナーハウス南館で「2018年度PSG会東部支部連絡会」を開催した。
同社の現況報告のほか、①自動化への取り組み、②多彩な平面研削盤のラインナップ、③超精密円筒・内面への取り組み――の3つのテーマに沿って説明があった。また、毎度人気を博している伊藤 暁 取締役常務執行役員技術開発本部長の特別講演もあり、大いに盛り上がりをみせた。
「コマツ アイデアソン」を開催 ~建設業界の社会課題をオープンイノベーションを通じたアイデアで解決~
コマツ(社長=大橋徹二氏)は、パーソルキャリア(社長=峯尾太郎氏)が運営するオープンイノベーションを通じ、参加者からアイデアや技術・サービスを募り、新たな価値を創造すること目的としたオープンイノベーションプログラム「働き方、建設現場をCOOLに変える コマツ アイデアソン」を、2019年4月19日に開催する。
同社は、建設機械メーカーとして、世界各地に開発・生産・販売拠点を持ち、グローバルに建設現場を支えてきた。また、モノづくりだけでなく、IoTによる機械、現場、施工の見える化など、顧客の課題へソリューションを提供しているが、さらに進化した「未来の現場」を描き、その実現に日々挑戦している。
建設業界には、労働力不足、働く人の健康維持、ベテランの技能伝承、安全性確保、環境問題など、取組むべき課題が多く存在しているが、同社はこれら課題の解決を目指し、保有する豊富なリソースを活用し、オープンイノベーションで様々な発想を持つ方々と未来を共に創出することが狙い。
「働き方、建設現場をCOOL に変える コマツ アイデアソン」 詳細
■概要
労働力不足、働く人の健康維持、ベテランの技能伝承、安全性確保、環境問題などの建設業界が抱える課題に対して、社外のアイデア・技術・サービスを組み合わせ、共創を通じた新しい価値の創出を目指すアイデアソン。
・イベント名: 働き方、建設現場をCOOL に変える コマツ アイデアソン
・開 催 日: 2019 年4 月19 日(金)
・会 場 :CO☆PIT(東京都港区港南2-14-14 品川インターシティフロント 6F)
■募集テーマと具体例
◆建設業界のワークスタイルをCOOL に変えるアイデア
(例)
・現場で働く方が、快適に過ごせ、さらに健康になる方策
・伝える方も伝えられる方も無理の無い、自然体での技能伝承
・現場で働くワクワク感や建機を運転する高揚感の拡大と伝承 など
◆建設現場・とりまく環境をCOOL に変えるアイデア
(例)
・危険を予測・検知・回避し、事故ゼロを実現
・建設現場と周囲住民が上手く共存できる方策
・生活環境や自然環境に配慮した建設現場 など
◆建機の新しい活用!地球を豊かにするCOOL なアイデア
(例)
・災害に強い街作りへの新しい建機活用方法
・建機を使用した、持続可能な新しい社会貢献活動 など
■参加メリット
1. 賞金 30 万円
アイデアソンにて最優秀賞のチームには賞金を授与
2. コマツの専門施設や実際の建機を活用したデモや検証
コマツが保有する設備や建機、実際の現場から取得したデータを活用したデモや検証の実施可能性あり
3. グローバルにネットワークを持つコマツのリソースとの連携
世界中に展開するコマツのネットワークを活用した、マーケティング支援・実証フィールドの提供可能性あり
■応募資格
法人、法人に属する個人、学生(チームでの参加も可能)
■募集人数
20 名程度
※応募者多数の場合、抽選の可能性あり
■エントリーサイト↓
https://eiicon.net/about/komatsu-ideathon/
■募集期間
2019 年3 月4 日(月)~2019 年4 月12 日(金)
【お知らせ】ジェイテクトが「IoT/M2M展(春)」へ出展
ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)が、4月10日(水)~12日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「IoT/M2M展(春)」 へ出展する。
今回のブースでは、「人が主役のスマートファクトリー」をテーマとして、IoE(Internet of Everything)を実現するための商品を紹介する。注目は、JTEKT-SignalHopの機能をさらに充実させた新モデルを初公開すること。
出展内容
◆進化したIoEソリューション
●JTEKT-SignalHopの新モデルを発表 ―――簡単に始められる生産現場のIoE化 従来品より機能をさらに充実
<主な追加機能>
・従来の表示灯3段から1~4段まで検知(より幅広く稼働・異常情報の見える化が可能に)
・表示灯の情報に加え、光電センサー・近接センサーなどのセンサー類を仕様に追加
(稼働・異常情報に加えて、生産数や動作数など幅広い情報収集が可能に)
●スキルアップNAVI … 人や組織の成長を実現するためのアプリケーション
●充実したオプションで困りごとの解決を支援
◆商品の活用例を実演
生産ラインの模型を示しながら、実際の活用イメージを紹介
三菱マテリアルが高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”アーバタイプにサイズを追加発売
三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、このほど、高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”のアーバタイプに最大切削径Φ50mm、Φ52mmを追加し、販売を開始した。
高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”は、独自逃げ面形状の両面インサートを採用し、ネガインサートの経済性、高強度とポジインサートの切れ味、多機能性を融合させた荒切削領域用のカッタで、今回、アーバタイプに最大切削径Φ50mm、Φ52mmを追加し、小径化による主軸負荷の低減や、使用領域の拡大を図る。
特長
① 切削開始時の抵抗上昇が少なく、断続切削や高切り込みでも、安定した静かな加工を実現。
② 切れ刃は、最大切り込み量まで直線を確保し、高切り込みでも安定した高送り加工を実現。
③ ダブテイル構造により、インサートの浮き上がりを抑制し、クランプ駒なしで安定したクランプを実現。
④ インサートの独自切れ刃稜線(りょうせん)はコンパクトなカール状の切りくずを生成させ、工具本体やチップコンベヤーの切りくず詰まりを抑制。
⑤ インサートの厚みを増すことで、インサートの欠損および本体の破損を防止。
価格(税抜)
・WJX14-050A03AR:60,500円
・WJX14-050A04AR:69,300円
・WJX14R05003BA:60,500円
・WJX14R05004BA:69,300円
・WJX14-052A04AR:69,300円
岡本工作機械製作所が世界戦略文字レス対話ソフト&3次元機上測定装置搭載CNC超精密平面研削盤「UPG-CALiシリーズ」の発売を開始
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、このほど新たに、静圧スライド摺動面とリニアモータ駆動方式を採用したCNC超精密平面研削盤「UPG-CALiシリーズ」をラインナップに追加した。UPG-CALiシリーズとは、Ultra Precision Surface Grinderを表しており、左右・前後軸に静圧スライドとリニアモータ駆動方式の組合せを採用することで、摺動面非接触且つ正確な位置決めを可能とする超精密平面研削盤。世界戦略の文字レス対話ソフトの採用で、今後増える国内外生産現場のグローバル化へ対応。さらに新開発された3次元機上測定ソフトによって、研削盤を測定装置として利用できるようにしている。
同社では、「世界規模で増加する金型部品・順送金型プレート・電気自動車部品・工作機器・航空/宇宙産業の超精密加工に対応するべく非接触摺動面を採用し、今後日本国内での外国人労働者増加も視野に入れた文字レス対話ソフトの導入や、研削盤を測定器として使用するという新たなテーマを兼ね揃えた期待の新商品になる」とコメント。
また業界初の『5軸研削CAM』を開発することによって、5軸研削という新領域を開拓するテーマも兼ね揃えている。
同社商品ラインナップにおける精度上位機種を想定しており、販売開始は、2019年4月1日を予定している。超精密分野の製造業ユーザー向けに年間6~10台以上の受注を見込んでいる。
特長
① 加工内容でセレクトする研削盤
各軸ブロックセレクト方式(摺動面・駆動・スピンドルの方式を選択可能)採用と部品共通化による量産化の成功によって、顧客の加工内容に最適な方式の研削盤選定を適応価格帯。
② 超精密の位置決め精度の左右・前後リニアモータ駆動方式
NC 数値制御による首振りドレス装置、ワークインデックス装置、といし軸旋回、マルチポジション研削等、多彩な研削に対応を行うため、超精密の位置決めを可能とするリニアモータ駆動方式を左右・前後軸共に採用。(上下軸オプション対応)
③ 研削専用5 軸CAM による複雑形状加工
新開発の研削専用の5 軸CAM に対応。NC プログラミングや専門知識を必要としない画期的なCAM システムの開発により、複雑形状研削までをさらに簡易にする。
④ 3 次元機上測定装置
新たに開発された3 次元機上測定ソフトは、研削盤を高精度測定装置としても活用できるようにした。研削後の測定だけではなく補正研削にも対応しており、研削の複合化と自動化を提供。
⑤ 世界戦略文字レス対話ソフト
今後増える国内外における生産現場のグローバル化を視野に、どの国の人でも直感的に文字を介さず、超精密の研削を行える文字レス対話ソフトを搭載した。
タンガロイが刃先交換式ガンドリル 「DeepTri-Drill」クロス穴仕様拡充、「DeepTri-Drill」径調整用シムセットを新発売
タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど、刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」のクロス穴仕様と、「DeepTri-Drill」径調整用シムセットを新発売した。
刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」のクロス穴仕様を拡充
深穴加工は加工難易度が高く、多くの加工現場でボトルネックになっている。特に金型加工で行われる冷却穴のクロス穴加工はトラブルが多く、加工現場で問題工程の1つになっている。この課題に対してタンガロイでは、DeepTri-Drillクロス穴仕様を標準在庫化した。
DeepTri-Drillクロス穴仕様は、2つのガイドパッドを長手方向に配置することで、ガイドパッドの有効長を延長し、飛び穴加工に置いても確実にドリルをサポートする仕様になっている。これにより、従来工具では加工が難しかったクロス穴加工においても、安定性の高い加工が可能になった。
DeepTri-Drillは加工の安定性を保った上での高能率加工と、インサート交換式による管理の容易性を提供する。クロス穴仕様の拡充により、従来では対応できなかった加工形態にも対応可能になり、より多くの深穴加工の生産性向上・コスト削減に大きく貢献する。
■主な特長
① 長手方向2連のガイドパッド配置によりクロス穴加工で抜群の信頼性を実現
② BTA工具(深穴加工用工具)のノウハウに基づく切れ刃とガイドパッド配置により、優れる「真円度」「真直度」「加工面粗さ」を実現
③ ロウ付けガンドリルの1.5~3倍の高送り加工が可能
④ 最適なブレーカ形状により抜群の切りくず処理性を発揮し、安定した切りくず排出を実現
⑤ 刃先交換式で再研削が不要なため、工具管理の手間とコストを大幅に低減
⑥ M/C、旋盤用ボディ「MCTR」とガンドリルマシン用ボディ「TRLG」の2種類のボディを設定
■主な型番と標準価格(税別)
●ボディ
・MCTRCH15.00XM25-25:129,600円
・TRLGCH15.00X1650-U04:134,600円
(全アイテム:38形番)
刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」径調整用シムセット
深穴加工では、要求される加工穴径がさまざまで、DeepTri-Drill標準工具径のみでは対応が困難であったが、この課題に対してタンガロイでは、DeepTri-Drill径調整用シムセットを標準在庫化した。
ガイドパッドとドリルボディとの間にシムを装着することで、簡単に工具径を微調整することができる。
DeepTri-Drill径調整用シムセットは、容易な工具径の微調整による多様な穴径の深穴を提供する。これにより、多くの深穴加工の生産性向上・コスト削減に大きく貢献する。
■主な特長
① ガイドパッドとドリルボディの間にシムを装着し、簡単な工具径調整を実現
② 工具径調整範囲:+0.01~+0.1mm
③ シム厚み0.01、0.02、0.03、0.04、0.05mm各1枚、2サイズを設定
■主な型番と標準価格(税別)
●シムセット
・SHIMSET-GP05:30,150円
・SHIMSET-GP06:30,150円
(全アイテム:2型番 セット販売のみ)
JIMTOFで見学した碌々産業のマシンが救世主! NH WATCHが初のオリジナル腕時計を発表
質問に答える飛田氏 NH WATCH(代表=飛田直哉氏)が、3月2日、東京都内のPROP(港区南青山)で初のオリジナル腕時計となる「NAOYA HIDA&Co.NH TYPE1」を発表した。
「20年ほど前は日本で腕時計をつくることは難しかった。スイスでつくろうかな、と思ったのですが、スイスでつくるにはフランス語ができないと難しい。移住してもコストがかかる等で、様々な手を探ってみたが思うようにいかなかった。最近になって日本でも若い時計師が増加し、一緒に組んだらできるかもしれないと思いプロジェクトを始めたのは5年前。日本で時計をつくることに決めました。」と飛田氏。
コンセプトについて、「私は昔の時計が好きで、決して近代的なモダンな時計をつくりたいわけではなく、ヴィンテージのスタイルを求めた。ヴィンテージの時計はあまり大きくなく、35mm以下が多いのですが、個人的にはもう少し大きいほうが良い。そこで37mmの時計をつくろうと思った。」と話す。
カリカリッとした巻き味 「37mmと決めたときに大きなムーブメントを探した。機械がぎっちり入っているものが好みであり、手巻きの時計が好きなので手巻きにしたのですが、37mmで中にぎっちり入っている手巻きの機械が既存では、なかった。そこで、ベースにある機械を改造することにしたのです。」
そこで「バルジュの7750をベースにつくったらうまくいく。」と思い付いた飛田氏だが、どうも巻き切れたときの感覚が、ジャー、ジャー、ジャーとして好きになれなかった。「昔の懐中時計のようなカリカリッとした巻き味にしたくて、7750のベースプレートとリンテンスだけを残して、メインブリッジ、バランスブリッジと一番大きいコハゼ回りを再設計した。これでクリスプ感のある巻き心地の良い時計ができたんです。」と妥協のない機械へのこだわりを見せてくれた。
JIMTOFでみた碌々産業のマシン
碌々産業との出逢いにより難加工の悩みを解決 37mmのケースで腕時計をつくりたいと思っていた飛田氏。「今回発表した時計はステンレススチール素材の種類である904Lを使っていますが、スイスの時計メーカーは316を使っています。904Lの良さは耐腐食性、耐久性が非常に良いところですが、コストがかかり過ぎることがデメリットだった。日本でも904Lはダメだ、と断られていたのですが、あるとき、東京ビッグサイトで開催された“JIMTOF(日本国際工作機械見本市)”で、微細加工機をつくっている碌々産業さんと出逢った。」と碌々産業(社長=海藤 満氏)との出逢いについて語った。
NH TYPE 1B ちょうどその頃、碌々産業もアートや高級品等のものをつくるサポートを考えていたところだったという。904Lはクロムの含有量が多いので、その分難加工になる。高級時計のロレックスはこの904Lを使用しているとのことだが、高価格なのも当然だろう。
この難削材を超微細かつ美しく加工するためのノウハウを持っていた碌々産業との出逢いは、渡りに船だったようだ。
「海藤社長の情熱を知り、意気投合しました。碌々さんと一緒だったら、既存のケースメーカーやサプライヤーではできないものができるかもしれない。」
数字にもこだわりの美しさが! 散々断られ続けた904Lの加工は、従来通りの鍛造で何度も重ねてつくるやり方ではなく、超微細&超高速微細加工機で削る手法に切り換え、これによりケースの自由度は高くなった。リューズも好みのオーバーサイズを削った。ピンバックルも904Lからの削りだしで、飛田氏いわく、「世界で一番高価なステンレス製ピンバックルだと思います。シンプルな形ですが、つく棒は削りだしならではの膨らんだ立体感がある。」と満足しつつも、時計の針も「もっとグラマーな針をつくりたい!」との思いがあったという。なかなかな難加工であるが、そこでも微細加工機を使って細いものをブレずに、曲がらず、折れずに削る方法が見つかった。このノウハウは当然ながら秘密とのことだが、これを受け取って、表面、針を磨いて、ブルースチール(青焼き)を加えて、先端を曲げ、分目盛りにぴったり合うよう仕上げる。価格は180万円(税別)
この日は時計を専門媒体の記者やライターが多く集まっており、「奇蹟を目の前に再現化されている。その日に立ち会わせていただいた。」との声があがっていたのが印象的だった。
イワタツールが創業90周年「受け継いだことは真面目にものをつくること」
イワタツール(社長=岩田昌尚氏)が去る2月19日、名古屋市内のキャッスルプラザで90周年祝賀パーティを開催し、多数の関係者がお祝いにかけつけた。
第一部は「イワタツールの歴史と100年へ向けて」をテーマに、あいさつを兼ねて岩田吉廣会長、岩田社長がそれぞれ過去の出来事や未来についての思い入れを述べた。第二部は大谷 裕 NCネットワーク名古屋社長の司会のもと、「IoTコネクテッドインダストリーズと切削工具」をテーマに、岩田社長ほか、海藤 満 碌々産業社長、川野俊充 ベッコフオートメーション社長がパネルディスカッションを行った。
2019年2月分工作機械受注総額は1,097.4億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年2月分の受注実績は以下の通り。
2019年2月分工作機械受注総額は、1,097.4億円(前月比△12.5% 前年同月比△29.3%)となった。内需の主要業種や外需の主要3極が軒並み前月比、前年同月比とも減少し、25カ月ぶりの1,100億円割れ。1,000億円超は28カ月連続。
内需は416.7億円(前月比△10.9% 前年同月比△28.4%)で、先行き不透明感や補助金待ちが引き続き内需を下押し。24カ月ぶりの450億円割れ。
外需は680.7億円(前月比△13.4% 前年同月比△29.8%)で、スポット受注の剥落もあり、主要3極全てで前月比減少。外需総額も3カ月ぶりの前月比減少で25カ月ぶりに700億円割れ。
中国経済の減速等による先行き不透明感により減少傾向が継続。通商問題や世界経済動向の影響を注視。
2月分内需
416.7億円(前月比△10.9% 前年同月比△28.4%)。
・2カ月連続の500億円割れ。24カ月ぶりの450億円割れ。
・前月比5カ月連続減少。前年同月比3カ月連続減少。
・世界景気の先行き不透明感や補助金待ちの影響で全般的に力強さに欠ける。
2月分外需
680.7億円(前月比△13.4% 前年同月比△29.8%)
・25カ月ぶりの700億円割れ。
・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比5カ月連続減少。
・主要3極全てで減少も、特にアジア、北米でスポット受注剥落もあり前月比2ケタ減。