岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、全世界における販売実績台数約20,000台を誇る精密平面研削「PSG-DXシリーズ」のマイナーチェンジ機として、精密平面研削「PSG-GXシリーズ」の販売をこのほど開始した。
今回は、デザインの一新を行い、操作方法・機能はDXシリーズを踏襲、機械内油槽の分割方式によるメンテナンスの簡易化、防錆性に富んだステンレス材のカバーを採用し、標準色はツートンカラー仕様としている。
ラインナップ一覧
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、全世界における販売実績台数約20,000台を誇る精密平面研削「PSG-DXシリーズ」のマイナーチェンジ機として、精密平面研削「PSG-GXシリーズ」の販売をこのほど開始した。
今回は、デザインの一新を行い、操作方法・機能はDXシリーズを踏襲、機械内油槽の分割方式によるメンテナンスの簡易化、防錆性に富んだステンレス材のカバーを採用し、標準色はツートンカラー仕様としている。
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オークマ(社長=花木義麿氏)がこのほど、高速・高精度・高面品位加工を実現する5 面加工門形マシニングセンタ「MCR-S(Super)」を開発した。高い加工レベルが求められている自動車用プレス金型加工において革新的な生産性の向上が狙いだ
同社が今回の開発に至った経緯は、ハイブリッド、EV 等パワートレインが多様化し、低燃費の追求やユーザーの嗜好の広がりから、自動車はそのスタイリングがますます重要視されたことにある。
外観デザインの進化につれて、シャープなエッジと滑らかな曲面が共存する意匠性の高いデザインが多用され、その実現のために、プレス金型製造においては非常に高いレベルで形状精度および加工面品位の両立が求められるようになっている。その一方で、手作業による磨き・型合わせ工程などの熟練技能や各工程間の物流等における人材・労働力不足は大きな課題となっており、工程集約や高効率生産が求められていることを背景に、同社では、プレス金型の生産革新として、「MCR-S(Super)」を開発に至った。
新開発の「MCR-S(Super)」は、プレス金型のトータルリードタイム短縮を目的に、加工時間短縮25% 、クラス最速の連続切削送りで、面品位の向上(往復段差0.5μm 以下)を実現した。筋目や縞模様がなく、磨き作業を最小化する高面品位加工ができる。また、型合わせ工程では、長時間連続加工においても安定した高精度加工を可能とし、 凸凹金型合わせ時間を大幅削減している。同社では、「究極の工程集約として、レーザユニットによる焼入れや補修工程の集約を高い次元で実現するプレス金型加工向け5 面加工門形マシニングセンタです。」とコメントしている。
(1)プレス金型の加工時間を大幅短縮
●加工時間25%短縮
高い形状精度と加工面品位を維持しながら高速連続切削送りを実現
☆自動車サイドパネル金型の加工時間 従来機:7 時間13 分 → MCR-S : 5 時間25 分
☆平均連続切削送り速度 X・Y 軸 20m/min (従来機比5 倍) Z 軸 10m/min (従来機比2.5 倍)
●大物プレス金型の高能率加工を可能にする重切削加工能力
☆フライス加工の切削量710cm³/min
●加工物の重量に合わせてテーブル加速度を自律的に最大化する「サーボナビ」
(2)磨き修正作業を大幅削減する先進の高面品位化技術
●NC 制御技術「Hyper-Surface」が加工面不良につながる加工プログラムの乱れを自動補整
☆加工面に筋目や縞模様がない高面品位加工を実現
●これまで培ってきた高精度・高剛性設計をさらに強化し、高速仕上げでの高い面品位を実現
☆コラムのリブ配置の最適化、鋳物の肉厚強化、サドル幅のサイズアップによる高剛性化
(3)型合わせ工程の手仕上げ時間を大幅削減する高精度化技術
●機械設計をさらに進化させた「サーモフレンドリーコンセプト」で精度安定性を向上
☆長時間加工において、時間差が生じる加工エリア間の段差を極小化
☆温度変化8℃における倒れの変化量1.7μm/200mm (従来機比1/5)
●工具の割出角度に合わせてセンサが旋回し、精密な撮像で刃先位置を高精度に計測する「旋回式撮像センサ」
☆工具の割出角度が異なる加工エリア間の段差10μm 以下 (従来機比1/2)
☆撮像画像の記録によりトレーサビリティを確保し、工具状態の管理を容易化
(4)トータルリードタイムを短縮する究極の工程集約 [世界初]
●プレス金型の熱処理と肉盛り補修を機上で実現
☆金型の載せ替えなしで、段取り作業と次工程待ちの時間を大幅短縮
☆一週間以上要する社外での焼入れ工程、補修工程を一台の機械に集約
☆レーザ精密焼入れとLMD(Laser Metal Deposition)方式の金属積層造形の両方に対応
三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)がこのほど、好評のエポックディープボールエボリューションハード-TH3「EPDBEH-TH3」、異形工具シリーズGALLEA「GP1LB形」インサートのラインナップをそれぞれ拡大した。
エポックディープボールエボリューションハード-TH3「EPDBEH-TH3」のラインナップに首下長の短いタイプとR0.075のエンドミルが追加され、計220アイテムに拡大した。
今回、従来よりも首下長が短いタイプ(L/Dの小さいサイズ)を追加したが、首下長の短い工具を使うことで高硬度鋼加工における工具への負荷が軽減され、より高精度かつ長寿命な加工が可能となった。また、極小径のアプリケーションでは、特に高精度な加工が求められているが、しかし小径になればなるほど工具が受ける負荷は大きくなり、高精度かつ長寿命な加工は困難な状況である。R0.1 工具による加工の後に、R0.075工具による最終仕上げ前加工を行うことで、最終仕上げ(R0.05工具による加工)における工具の負荷が軽減され、より高精度な仕上げ加工が期待できる。
●特長
① 新開発した次世代コーティング「TH3」を採用し、高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮する。TH3コーティングはナノ組織の適用により、被膜の破壊単位が小さいのが特徴で、これにより高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮する。
② 高硬度鋼加工用に適正化したダブルフェイス形状を採用し、工具の摩滅を抑制する。
③ 高精度加工を追求した工具設計により、ワークの削り残り量を低減する。
高硬度鋼を使用している各種金型(プラスチック金型、鍛造金型、プレス金型など)のリブ溝加工や隅部分の仕上げ加工など小径深彫り加工全般、50HRC以上の高硬度鋼の直彫り加工に威力を発揮する。
価格は、4,680円~23,100円(税別)。
GP1LB形は特に5軸加工機による加工において高能率仕上げ加工を実現する工具として好評を博していたが、3軸加工機における起伏のある加工面の加工ではコーナー接続Rでの加工で効率を上げることが課題となっていた。そこで、レンズR刃、バレルR刃のみならず、大きな接続R刃を持つタイプのインサートを4種類8アイテム追加発売し、これにより3軸加工機における接続R刃の加工でも加工ピッチを大きくして加工することが可能になった。GP1LBの3軸加工機による高能率仕上げ加工で、GALLEA GP1LBがより使いやすくなった。
●特長
① GALLEA GP1LB形はレンズR刃とバレルR刃を持つ独自のR刃形により、壁面及び、なだらかな曲面の高能率仕上げ加工を実現した。
② 同一工具径のボールエンドミルと比較して仕上げ加工ピッチは約1.4倍の切込みが可能。
③ また、同一工具径のボールエンドミルと同一加工ピッチで加工すると、加工面粗さは約半分近くと良好な加工面が得られる。
④ GP1LB形のインサートは、アルファボールプレシジョンF ABPF形のホルダに取付け、使用することができる。
価格はインサート:10,200円~14,800円(税別)。
三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」にロングエッジ形インサートを追加し、このほど販売を開始した。
高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」は軽量化と高剛性を両立した高速回転対応カッタ。従来品以上の多刃設計により、アルミニウム合金などの非鉄金属を、工具径125mm24枚刃にて、テーブル送り速度毎分20m以上で加工することが可能となり、自動車部品などの加工の高能率化を実現できる正面削りカッタである。
今回、鋳物部品などの加工時に生じる、せき・ゲート残りなどの突起物を、仕上げ加工と同時に加工が可能なロングエッジ形インサートを追加し、使用用途をさらに拡大した。
●特長
① 鋳物部品などの加工時に生じる、せき・ゲート残りなどの突起物を、仕上げ加工と同時に加工できることで、加工回数を削減し、加工時間を短縮。
② インサート材種はダイヤモンド焼結体MD220を採用し、刃先エッジの微小損傷が原因のバリ発生を抑制し、長寿命を実現。
●標準価格
GOER1408PXFR2-8 MD220:9,800円(税抜)
タンガロイ(社長=木下聡氏)が、焼入れ鋼の仕上げ加工で切りくず処理性に優れる「HP」チップブレーカ付CBNインサートを拡充し、このほど販売を開始した。
焼入れ鋼の仕上げ加工用「HP」チップブレーカは、切込み0.2 mm以下の仕上げ加工領域で安定した切りくず処理性が得られ、切りくずによる不具合を改善し生産効率を大幅に改善できるとしてすでに好評を博しているが、今回、アイテムを拡充することで、より幅広い焼入れ鋼の仕上げ加工に対応が可能となった。豊富なインサートのラインナップにより、多様な加工ニーズに対応する。
●主な特長
(1)切れ刃とブレーカの位置を最適化することにより、クレータ摩耗を抑制し、安定した切りくず処理性が可能
(2)低抵抗の刃先仕様により、ワークの変形と、びびりの発生を抑制
(3)切りくず処理性と優れた加工面精度を両立させるワイパー刃付きHPインサートを設定
(4)連続加工に適するBXM10インサートと断続加工に適するBXA20インサートを設定
●主な形番と標準価格
・2QP-GNGG120408-HP BXM10:6,700円
・2QP-GNGG120408-HP BXA20:6,700円
・2QP-DNGM150404-HP BXM10:6,700円
・3QP-TNGM160408-HP BXM10:8,700円
・2QP-VNGM160408-HP BXM10:6,700円
・2QP-CCGT060204-HP BXM10:9,310円
・2QP-DCGT070204-HP BXM10:9,310円
(いずれも税抜価格)
マシニングセンタ専業メーカーのキタムラ機械(社長=北村彰浩氏)が、このほど、世界最小スペース(公衆電話ブーススペース)機械幅が1.2mで所要床面積が2.4㎡でも、直径180㎜、高さ175㎜の加工ができる最新型同時5軸制御立形マシニングセンタ「MedCenter5AX」を開発したと発表した。
このマシンは、最小スペースでも独自の工具交換装置(特許申請済)の開発により、省スペース機では不可能だった大容量40本の工具収納を可能とし、毎分3万回転(無制限1年間保証)の高速回転主軸を標準搭載している。搭載できる最大工具は(直径50㎜、長さ200㎜)となり、高速回転のマシニングセンタとしては、異例の大型工具が大容量で利用できるマガジンを内蔵している。A軸(傾斜軸)は毎分36,000度、C軸(回転軸)は毎分200回転の追従性の高い回転動作を実現した本格高速高精度切削機である。
5軸加工物は同時5軸移動でも俊敏で干渉が少なく、加工物への接近性に優れている。今回の開発は、消費者ニーズの高機能化やデザイン性が高まり、多品種少量生産の高生産性と、部品の複雑化・微細化・軽量化、高精度化の要求とともに材質がチタンやコバルトクロム合金などの高硬度、難削材の高精度加工が求められるユーザーニーズに対応した。
納入後数年度でも拡張可能な12面自動パレットチェンジャーにも対応しており、初期投資が少なくても長時間無人加工にも容易に対応できる。
高分解能光学式スケールフィードバックや独自の熱変位補正システムを標準装備し、 微細複雑形状の長時間加工にも高精度加工を実現。加工機内での自動計測機能も可能。制御装置は、2008年に世界で初めて開発した第4世代コンピューター数値制御装置「Arumatik-Mi」を搭載。インターネットテクノロジーを駆使した使い易さが特徴で、あらゆる操作方法をオンデマンドでガイダンスするシステムが好評を博している。
また、高解像度CCDカメラ、マイク、スピーカーを標準搭載し、ネットを介して作業者と会話して加工現場の状況をより明確に把握できる。PCやモバイル端末での工場外からの機械監視、通知も実現。世界中のどこからでも工場の稼働状況などの管理が可能である。
この「MedCenter5AX」の完成により、直径170㎜から直径1000㎜までの同時5軸制御立形マシニングセンタ6機種のラインアップを揃えた。
このマシンは、11月1日から東京ビックサイトで開催される国際工作機械見本市「JIMTOF2018」に初出品する。
大垣精工並びにセイコーハイテック(社長=上田勝弘氏)が、それぞれ創立50周年(大垣精工)・創立35周年(セイコーハイテック)を迎え、10月1日、大垣市内の大垣フォーラムホテルで「感謝記念食事会」を開催した。国内外の業界関係者並びに政財界から350名がお祝いにかけつけた。
第一部は、「未来への挑戦 ~社会の生産性とレジリエンス向上を目指して~」をテーマにセコムの中山泰男社長が講演をした。続いて、びわ湖ホール声楽アンサンブル、長崎芸子連、元宝塚歌劇団のこだま愛氏が、歌と踊りで会場を魅了した。
鏡開きと小川敏大垣市長をはじめ多数の来賓からお祝いのあいさつがあった。
小川大垣市長は、「大垣精工グループは高度な技術力とグローバルな視野をもって会社を大きく発展させてこられた。この大垣市を支えていただき、大変ありがたく思っている。これも大垣精工グループの皆様の抜きんでた力を発揮した結果ではないかと感じている。こうした企業が大垣市を支えている。」と地域へ貢献する大垣精工グループに感謝の意を表した。
上田社長から感謝と記念事業の一環として、「水の都大垣ふるさと応援寄附金」、「岐阜大学創立70周年事業」、「立命館大学校友会未来人材育成基金」に、それぞれ目録の贈呈があった。
「どんなに物質文明が発展しても、いつの時代も“人”が主役である。」という上田社長は、本年、本社工場前に超精密金型・次世代プレス部品工場を新たに設立した。生産体制を強化し、次世代の自動車向け部品増産に対応するとして、ますます注目度が高まっている。
「JIMTOF2018(第29回日本国際工作機械見本市)」が本年11月1日(木)から6日(火)の6日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館で開催する。入場料は、前売り1,000円(税込)、当日3,000円(税込)、学生無料。いずれも完全登録制。
今回の出展規模は、1,085社(直接出展832社〈重複除く〉、共同・内部出展253社)、5,524小間(9月30日現在)。出展参加国・地域は、オーストリア、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、リヒテンシュタイン、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、イギリス、アメリカ。
開催に先立ち、10月3日、都内のメルパルク東京で記者発表が開かれた。
会見の席で、日本工作機械工業会の天野正義専務理事が、「1962年の開催以来今回で29回目を迎える。今回のテーマは『未来へつなぐ、技術の大樹』。第四次産業革命を迎えている中で、JIMTOFは、これからも時代のニーズを的確に捉えて、最先端の技術を世界に発信し続け、来場者とものづくりの未来を繋げていきたいという思いのもと、このテーマにさせていただいた。この展示会は単なる商談の場ではなく、ものづくり技術の祭典という側面を持っている。企画展示等も充実させ、工作機械への理解と知識の普及に努めていく。」としたうえで、最近の工作機械を取り巻く環境について触れた。
それによると、「業界はインダストリー4.0やわが国のコネクテッドインダストリーなど、新たな情報化の時代に直面している。ものづくりと情報の融合化が急速に進展しつつあるということで、工作機械を中心とした設備状況をリアルタイムに把握することが新時代への対応だろうと認識している。」と述べ、「今回のJIMTOFでは、IoTプラットフォームのつながりを介して、時代に即した魅力ある“見える化システム”のソリューションが各社とも多く出展される。こうした中で、われわれもIoTプラットフォームを活用しながら、日工会会員メーカーの展示機をつなぐことにより、ビッグサイトを巨大な工場に見立てて、これにより来場者の皆様にIoTの一環を実感していただきたい。これを機械に工作機械ユーザーのIoT導入機運を高めていきたい。」とした。
東京ビッグサイトの小暮 実 代表取締役常務が、「JIMTOF2018がいよいよ迫ってきた。今回、『未来へつなぐ、技術の大樹』をテーマにしたが、このキャッチフレーズは、未来を目指してさらなる成長を続けるJIMTOFを体感していただきながら、楽しんで頂きたいという思いが込められている。JIMTOFは年月を重ねて成長を続ける樹木に見立てて、最先端の最新技術を発信して続けていくシンボルである。」と述べ、今回の開催規模については、「東京ビッグサイトの全ホール、約100,000㎡を利用して開催する。今回の出展者数は1,085社だが、この出展社数はJIMTOF半世紀以上の歴史を持つが、過去最多の数字である。初めて1,000社の大台を超えた。全体の出展小間数は5,524小間でこちらも過去最大規模となる。」と説明した。
(1)名 称:JIMTOF2018(第29回日本国際工作機械見本市)
(2)テーマ:「未来へつなぐ、技術の大樹」
(3)会 期:2018年11月1日(木)~6日(火) 6日間(9:00~17:00)
(4)会 場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館
(5)主 催:(一社)日本工作機械工業会、(株)東京ビッグサイト
(6)後 援:外務省、経済産業省、東京都、日本商工会議所
(7)協 賛:日本工作機械輸入協会、(一社)日本鍛圧機械工業会、日本精密機械工業会、日本機械工具工業会、(一社)日本工作機器工業会、日本精密測定機器工業会、研削砥石工業会、ダイヤモンド工業協会、日本光学測定機工業会、(一社)日本フルードパワー工業会、日本試験機工業会、(一社)日本歯車工業会
(8)出展物:工作機械、鍛圧機械、工作機器、機械工具、ダイヤモンド・CBN工具、研削砥石、歯車・歯車装置、油圧・空気圧・水圧機器、精密測定機器、光学測定機器、試験機器、制御装置及び関連ソフトウェア(CAD/CAM等)、その他工作機械に関連する環境対応機器装置・機器・資材・製品・技術及び情報
(9)入場料:前売:1,000円/当日:3,000円(いずれも税込)学生:無料
*いずれも完全登録制
ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏)が9月28日、岐阜県関市の本社工場でJIMTOF2018出展機説明会を行ったあと、場所を移して岐阜県市内のニュー岐阜ホテルプラザで懇親会を開いた。
今回のJIMTOFでは、超精密ロータリマルチ研削盤『RG-500SLDS-Neo2』、超²精密微細加工機『NIC-300α S6-N6』、超精密立型歯車研削盤『NGC300BS3BSL2-N9』、超精密成型平面研削盤『SGi 520α S4-Zero3』、超精密定圧定量制御両頭研削盤『NSF 440WS』の新規開発5機種を初披露すると発表した。
長瀬社長は、「世界経済は若干変化の兆しが見えているが、工作機械業界は堅調に受注を継続しているようだ。」と工作機械を取り巻く環境に触れたあと、「国内では働き方改革、働く方々の健康維持や将来に亘っての慢性的な人手不足の要因もあり、生産性を上げるために、無人化、自動化、省人化、に対する要望が日に日に高まっている。また、人材の確保も難しい。今回のJIMTOFでは、生産性の向上、自動化、省人化に向けたご提案を考えている。」とのJIMTOFへの意欲を示したあと、熟練者が自らのノウハウを用いてマシンの変化に対して適応制御をすることで達成した加工を、非熟練者にでも同等の加工ができるよう、また、非熟練者や今後、製造現場に進出してくるであろう女性にも容易に操作できるマシンを核としたシステムの必要性を説明した。
JIMTOF2018では、「Be a high performer NAGASEでいこう」をテーマに、顧客が本来目指している生産性向上を実現することができるマシン5機種をリリースした同社。製品の特長と仕様は下記の通り。
(1)超精密成形平面研削盤『SGi 520α S4-Zero3』
あらゆる要素において最適化を実現した小型超精密平面研削盤の新たなスタンダードマシン。
特長は、小型サイズのワークを対象とした超精密成形平面研削盤。可能な限りの諸要素の最適化によりたどり着いた理想的な機械構造による圧倒的な加工性能。左右送り速度60m/minの超高速平面研削や驚異のピッチ送り精度と同期運動精度を実現。小型の樹脂金型や半導体の封止金型、コネクタ金型などの超精密パーツの加工に最適。また、徹底的な最適化により、従来機の44%の省スペース化を実現。独自の断熱温調カバーにより、機械精度を維持。
【仕様】有効加工範囲:500mm×2,004mm、砥石径:φ180~225×幅8~25mm
(2)超精密定圧定量制御両頭研削盤『NSF 440WS』
6面体の両平面を簡単に短時間で超精密に研削加工することができる両頭研削盤。
特長は、チャッキングが不要か!? 置くだけで超精密という、生産性を激変させる超精密両頭研削盤。つまり、ワークを置くだけでセッティングが完了するのだ。砥石軸には上下ともに非接触油静圧軸受けを採用し、また、定圧定量複合制御システムを採用している。常に砥石にかかる圧力を検知し、切り込み量と圧力を複合的に制御する。ワークの歪みを修正しながら、常に最高の条件での加工を実現。多関節ロボット(OP)によるワーク自動供給に対応。
【仕様】最大ワークサイズ:φ170mmの範囲内、砥石径:φ440×35×φ140mm
(3)超精密ロータリマルチ研削盤『RG-500SLDS-Neo2』
コストパフォーマンス抜群の超精密ロータリ研削盤。
特長は、広範囲のテーブル面積において、非常に高い平面精度を実現する超精密ロータリ研削盤。回転テーブルには独自の油静圧案内を採用している。他にはない平面精度・回転精度を実現する。コストと設置面積の最適化を図り、省スペース化を実現。使いやすく、機能性抜群の対話式加工ソフト「NEO」シリーズを搭載。平面のみならず、階段形式の加工も簡単に設定可能である。高精度他数個同時加工、半導体製造装置の静電チャック等の加工に最適。
【仕様】有効加工範囲:φ500mm、砥石径:φ200~355×幅25~38mm
(4)超精密立型歯車研削盤『NGC300BS3BSL2-N9』
量産の創生研削加工にも、他品種少量の成型研削加工にも多既往。かつてない精度を実現する立型歯車研削盤。
特長は、新JIS1級の歯車研削加工を狙える超精密立型歯車研削盤。独自の油圧静圧案内とDDモータ駆動の組合せによる超精密割出盤を搭載している。かつてない精度・品位の歯車研削加工を実現。ヘリカル・スプライン形状の歯車はもちろんウォームやねじ加工、さらには創成加工にも対応できる機械構成。高精度スキャニングプローブを搭載することにより、加工後に机上での歯車形状測定を実現。創生研削のみ、成型研削のみのマシンも製造可能である。
【仕様】ワーク加工径:φ15~300mm、モジュール:0.1~5.0、ネジレ核:+46°~96°、最小割出分解能:0.00001°、テーブル回転速度:~1000min
(5)超²精密微細加工機『NIC-300α S6-N6』
自由曲面上への多彩な超微細形状加工を実現するために開発された他に類をみないマシン。最小分解能を0.1nmに向上。
特長は、中~大面積の自由曲面微細加工に対応できる同時5/6軸サブナノ制御微細加工機。全ての直線軸(X/Y/Z)で最小設定単位0.1ナノメートル仕様に対応。全軸に油静圧案内を採用氏、熱変位・振動などの外部・内部擾乱を徹底的に抑制。ナノメータ精度での位置決め繰り返し再現性、驚愕の同期運動特性を実現し、自動車の大きな構造変化に対応する光学部品・各種光学レンズ・高機能フィルム製造用金型に求められる超高品位・超高精度加工が可能。エンドミル等の工具を用いた加工にも対応(OP)
【仕様】テーブル作業面の大きさ:φ350mm、最大ワーク高さ:200mm
第二部は場所を移して岐阜市内にあるニュー岐阜ホテルプラザで懇親会が開かれた。
懇親会に先立ち、ナガセインテグレックスの冨田善光 営業本部副本部長が日頃の感謝の意を表したあと、「JIMTOFでのナガセのテーマは、“Be a High Performer ナガセでいこう”。これは技術革新に伴い、新しい仕事が増え、従来のやり方ではなかなか達成することができない――それをナガセの機械で達成していただこう、ということが今回のテーマに含まれている。新しい技術革新にはナガセの機械をということをお願いしたい。」とあいさつをしたあと、声高らかな乾杯の発声を佐古晴彦 ユアサ商事 執行役員機械エンジニアリング本部長行い開宴をした。
今回、ナガセインテグレックス渾身の5機種がリリースされたが、懇親会の会場内で長瀬社長にJIMTOFに向けて意気込みを尋ねたところ、「“これでいいや”という設備の仕方をされる方に、“これでなきゃダメ!”、“これがいい!”と言っていただける機械をぜひご提供したい気持ちの表れが、今回の新機種リリースに繋がった。われわれの気持ちは、“ナガセでいこう!”の一言に尽きる。従来、新しい概念でモノをつくっていこうとしたとき、それがきちんとした製品・商品になるのかという点で、加工がネックになる。このイノベーションの鍵を握る加工の課題を克服し、製品・商品が市場に認知され、中量生産から大量生産に移っていく。自動車業界は変革の時代を迎えているが、その中で金型を例に挙げると、パンチとダイの隙間が驚くほど小さい。対象とする板厚が全く違う。自動車業界で活躍される方達が今までの感覚で特に研削を設備してしまうと、大変なことになってしまうと感じている。そこで弊社は、変化する時代に対応できるような機械をつくらなければならない、という強い使命感があった。」とコメントした。
金型設備総合商社である植田機械の金沢龍浩 上席執行役員国内統括副本部長に、商社からみたナガセインテグレックスの強みを尋ねたところ、「ナガセさんは、お客様の仕事に対してプラスアルファの情報、例えば、もう数年経つとこういう流れになりますよ、といった未来を見据えたトレンドを教えてくれる。研削盤の世界は長く使う機械なので、余計に今の投資がとても大切。補助金も今後期待できる今こそ、われわれもこのチャンスを活かして、お客様に良い機械を見ていただきたい、と強く思う。」と声援を送った。
宴もたけなわのころ、篠原 修 三井物産マシンテック 社長が中締めを行い、散会した。
1925年の創業以来、数多くの産業界をサポートし続けている黒田精工(社長=黒田浩史氏)の強みは、歴史に裏付けられた技術力をもとに多岐に亘る要素技術を保持していることだ。測定・計測、熱処理、精密加工・組立、精密機器・治具・工作機械などの要素技術と豊富な商品を開発している。同社の商品群は、家電、自動車、医療、電子機器、機械といった幅広い分野で活躍し、同社の精密に対する強いこだわりは、“必要なものは自らつくる”という姿勢にも表れており、世界における産業高度化を支えている。
同社の国内製造拠点は4拠点。千葉県内には、富津工場、かずさアカデミア工場、旭工場の3工場がある。昨年12月、工機部門を富津工場に移管した長野工場は金型専門工場となった。富津工場を訪ね、牧元一幸取締役事業部長(以下牧元取締役)にお話しを伺った。
DMG MORI(社長=森 雅彦氏)は、このほどポーランド・プレシェフに位置し、欧州の最重要生産拠点のひとつであるFAMOT工場をグランドオープンした。現地時間10月8日にオープニングセレモニーを行い、駐ポーランド特命全権大使 川田 司大使、ドイツ総領事館 Jana Orlowski(ヤナ・オーロースキー)代表代理列席のもと、森社長、DMG MORI AKTIENGESELLSCHAFT Chairman of the Executive Board Christian Thönes(クリスチャン・トューネス)、FAMOT/Ulyanovsk工場 工場長 Zbigniew Nadstawski(ズビグニュ・ナドスタフスキ)ら関係者によるテープカットを行った。
1877年に小さな農業機械メーカーとして創業したFAMOT工場は、1999年にDMG MORIグループの一員となった。5軸制御マシニングセンタ CMXシリーズやターニングセンタCLXシリーズの製造拠点でありながら、工作機械用の大型鋳物部品などの主要部品を他の生産拠点に供給する欧州最重要拠点のひとつでもある。
このほど約80億円に上る投資を行い、総面積を20,000㎡から50,000㎡へと拡張した。そのうち製造・組立エリアは21,000㎡を占め、5軸加工機への需要増加に応えるべく、組立能力・加工能力の増強を行なった。さらに、集中的なデジタル化投資により、計画・段取り・生産・モニタリング・保全情報のシステムによる一元管理を実現している。
具体的には、CAD / CAMによる加工前のプログラミングや段取りに始まり、ERPとISTOS(注:ISTOSは生産計画・実行のためのソフトウェア「ISTOS」を開発する同社グループ会社)によるシームレスに連携された生産計画と実行、WERKBLiQ(注:WERKBLiQは予知保全・メンテナンスのためのソフトウェア「WERKBLiQ」を開発する同社グループ会社)による予知保全・メンテナンス管理などを実現している。
同社では、「Industry 4.0とConnected Industriesの実証工場として生まれ変わったFAMOT工場は、今後も、最新のデジタルツインやエッジコンピューティング技術を積極的に取り入れ、最先端の部品加工工場として進化していきます。」としている。
■FAMOT工場
所在地 :Fabryczna 7, 63-300 Pleszew, ポーランド
敷地面積 :50,000㎡
新設・拡張施設 :組立工場、主軸工場、XXL工場*、焼入れ工場、物流センタ、鋳物倉庫、事務所、倉庫
生産品目 :5軸制御マシニングセンタ CMXシリーズ、ターニングセンタ CLXシリーズ、自動化システム等
アマダグループの販売・サービス会社であるアマダ・コリア(代表理事=深作 亮氏)はこのほど韓国仁川市に新「仁川テクニカルセンター」を設立し、10 月19 日(金)より活動を開始した。
新「仁川テクニカルセンター」は、2カ所に分散していた展示場を統合して新たに先端産業の集積エリアに建設したもので、従来の約2 倍のスペースの展示場をはじめ、セミナールームやプレゼンテーションルームなどの充実した設備を整えている。最新のレーザ加工機や曲げ加工機に、材料搬送装置やロボットを組み合わせた自動化システム、ならびに省エネ性能や安全性に優れた高機能マシンを提案していく。
また、韓国市場の課題に合致したセミナーの開催や、ユーザー企業の機械オペレーターを対象とした機械やソフトウエア操作の教育など、板金加工に関する幅広い支援を行う。
韓国では、半導体や液晶・有機EL ディスプレイの製造装置や検査装置への投資が活発化するなど、IT およびエレクトロニクス産業の好調が継続している一方で、こうした産業を支える金属加工業界では、労働者不足に加えて電気代の値上がりにより加工コストが上昇している。さらに、加工機械に対する政府の安全基準がより厳しくなったことを受けて、金属加工工場では生産効率の向上に対する多様なニーズが顕在化している。
こうした時流を受け、同社では、「仁川テクニカルセンターは、お客さまの工場が抱える課題に対して、加工技術の提案に留まらず、情報発信、人材育成を含めた総合的な解決策を提案する場としての機能を発揮していきます。」としており、アマダ・コリアは、すでに本社をテクニカルセンターに隣接した事務所棟に移転させている。今後は販売とサービスの連携体制を整え、顧客の競争力向上のための支援を強化することによって、2021 年度までに韓国国内の売上高を2017 年度比で約1.6 倍に拡大することを目指す。
■アマダ・コリアおよび仁川テクニカルセンター概要
社 名: 株式会社アマダ・コリア
代表者: 深作 亮 代表理事
所在地: 大韓民国仁川広域市延寿区ハーモニー路177-12
設 立: 1999 年1 月
敷地面積: 6,200 m²
事務所棟: 5 階建て 事務所、倉庫
延床面積: 2,100 m²
テクニカルセンター棟:
2 階建て 展示場、セミナールーム、プレゼンテーションルーム、教育ルーム
延床面積: 1,800 m²
仁川テクニカルセンター主要展示内容
1. グローバルスタンダード・ファイバーレーザマシン (自動化仕様)
LCG-3015AJ (9kW) + ASFH-3015G
2. パンチ&レーザ複合加工機 (自動化仕様)
LC-2512C1AJ + ASR-2512N-TK、ID-TOGU
3. ハイブリッド・ドライブシステム搭載 高速・高精度ベンディングマシン
HG-2204ATC、HG-1303
4. 高速・高精度サーボベンディングマシン
EG-4010
5. ファイバーレーザ溶接システム
FLW-ENSIS
オークマ(社長=花木義麿氏)はこのほど、グローバルに市場が拡がる自動車量産加工から半導体製造装置部品、建機部品・油圧部品といった幅広い領域で革新的な生産性を発揮する横形マシニングセンタ「MB-5000HⅡ」を開発したと発表した。
ここ数年、世界的に好調な自動車産業に代表される量産加工分野では、エンジンケースなど、加工取代を最少にしたアルミ鋳物の軽切削・高速加工が主流となっている。その一方で、建機部品や油圧部品、半導体製造装置部品などステンレスや鋳・鍛造部品の強力・断続加工が必要な部品も数多くあり、高速加工から重切削まで幅広い加工に対応できる充分な能力と、今後ますます高まっていく省人化・無人化ニーズにも応えることができる機械が求められている。こうした時流を受け、同社では、今回の開発に至った。
このマシンは、高速・高加減速性能の飛躍的向上により、加工サイクルタイムを34%短縮。併せてフロアスペースを10%削減しクラス最高レベルの面積生産性(従来機比20%向上)を実現している。同社では、「長時間連続無人運転を可能とする高い信頼性と共に量産部品、中小物部品の加工において最高の生産性を提供致します。」としている。
今回、新開発の「MB-5000HⅡ」は、革新的な生産性を実現するため全てのユニットを刷新。全く新しいスマートマシンとして開発している。
① 高速・高加減速性能の向上によるサイクルタイム 最短化(従来比 34%短縮)
② 高剛性・高トルク主軸による強力・断続加工の実現
③ 長時間の無人運転を可能にする高い耐久性と信頼性
④ クラス最高レベルの面積生産性 (従来機比20%向上)
(1)①世界最高水準の高速加工
●自動車部品のケース(アルミ材)加工で最短サイクルタイムを実現
エンジンケースの加工例:サイクルタイム34%短縮 (従来機:176 秒 → 115 秒)
●サイクルタイムを大幅短縮する最大加速度1G の高速位置決め
最大加速度25%向上 (従来機比)
●工具交換時間を最短化する高速ATC
新規採用したサーボ式ATC シャッタとディスク式マガジンにより工具交換を高速化
工具交換時間0.9 秒 (従来機比30%短縮)
マガジン最遠ポッドの工具準備時間5.1 秒 (従来機比36%短縮)
(2)鋼材の強力加工を実現する高剛性・高トルク新主軸(No.40、No.50)を新開発
●高剛性φ90mm ころ軸受を採用し、最大トルク302N・m の強力モータを搭載
エンドミルによる切削量704cm3/min の重切削を実現 (S45C 材)
●工具サイズNo.50 仕様をラインナップ
最大工具長さ510mm、最大工具重量15kg
大径サイドカッターやロングボーリングなど工具剛性が必要な深穴・突き出し加工が可能
(3)長時間安定した無人運転を可能にする抜群の信頼性
●切粉堆積を抑制するフラットな機内カバー構造と加工室内全域に渡るフルセンタトラフ構造を採用。
タンク内のクーラント流れを最適化し、スラッジ堆積を抑制する切粉処理技術を新開発
大量の切粉のスムーズな排出と微細スラッジの効率的な回収によりメンテナンスの極小化を実現
●長時間安定した加工精度を維持する知能化技術「サーモフレンドリーコンセプト」採用
機械設計の最適化と自律的な熱変位補正で長時間無人運転においても加工寸法変化を極小化
●予知保全で機械停止を未然に防止するAI 機械診断機能「OSP-AI」搭載
AI 診断技術で送り軸の状態を自己診断し、異常を早期発見
機械故障によるダウンタイムを最小化し、高い生産性を長時間安定して維持
(4)最小のスペースでクラス最高レベルの面積生産性
●面積生産性20%向上 (従来機比)。 機械はコンパクト、かつ加工エリアを最大化
●FMS に匹敵する自動化システムを省スペースで実現する立体式APC に対応
12 面APC の設置面積30%削減 (従来型平面式APC 比)
■仕様■
ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、従来から好評発売中の刃先交換式ボールエンドミル「スウィングボール」の切削性能を向上させた新製品「スウィングボールネオ」(SWBX/MSWX 形)の販売を11月1日より開始する。
この商品は、本体に独特な形状のキーを設けることにより、インサートを強固に固定するため、インサートの取付け時の繰り返し精度が安定する。金型の肉盛り材加工などの荒加工からタービンブレードなどの中仕上げ加工までが可能な工具だ。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等の曲面加工、肩削り加工、溝加工等の荒~中仕上げ加工に貢献する。
●特長
① 本体に独特な形状の凸キーを設けることにより、インサートを強固に固定でき、金型の総焼き材や肉盛り材などの高硬度材も安定した加工が可能。取り付けインサートは、主刃・副刃形状であり、キー溝付きタイプ。
②インサートの動きを固定させる事で、取付け時の繰り返し精度を安定化。荒加工のみならず、タービンブレードなどの中仕上げ加工領域においても高精度な加工が可能。
③ブレーカー付き低抵抗形インサートは、耐欠損性と耐摩耗性のバランスに優れた鋼材加工用材種「JC5240」と一般鋼、鋳鉄やプリハードン鋼が加工可能な汎用性材種「JC8118」を採用。刃先強化形インサートは、50~60HRC の肉盛り材や焼き入れ鋼の加工が可能な材種「JC8118」及び「JC8015」を採用。
●サイズ・価格
本体モジュラーヘッドタイプ:φ16、φ20、φ25、φ30(4 形番)
本体エンドミルタイプ :φ16、φ20、φ25、φ30(7 形番)
本体標準価格:φ16 31,300 円~(税抜き)
インサート材種:JC5240、JC8118、JC8015(PVD コーティング)
インサート標準価格:φ16 主刃3,390 円、副刃2,500 円~(税抜き)
タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、マシニングセンタや複合加工機の高精度ボーリング加工に対応する、デジタル表記による工具径微調整機能つきファインボーリングシステム「SwissBore」(スイス・ボア)の販売を本年10月29日より開始する。
近年、自動車および航空機、金型産業では、部品の高精度化が進んでおり、高精度ボーリング加工が可能な工具が求められていることを受け、今回、デジタル表記で視認し易く、機上で容易に工具径の微調整が可能な商品の販売に至った。
「SwissBore」は、バックラッシュがないダイレクト工具径計測機構を採用した高精度デジタルディスプレイユニットを設定し、1μ単位の工具径調整を可能としている。また、この商品は、φ9.75 mmからφ2205 mmまで対応するボーリングヘッドシリーズや各種機械のインターフェースに対応するマスターシャンクシリーズ、深穴加工に対応するエクステンション・リダクションアダプタなど、多くのアイテムを設定したモジュラー式クイックチェンジシステムとなっている。これにより、幅広い高精度ボーリング加工に対応が可能である。
■主な特長
・ボーリングヘッドは、0.001mmで調整でき、高精度なボーリング加工が可能。
・デジタルユニットは、操作性に優れ、本体の指定箇所に差し込むだけで工具径をデジタル表記し、機上での径調整が容易。
・デジタル表記はバックラッシュなしのダイレクト測定機構を採用し高精度。
・ボーリングヘッドは、内部給油仕様であるため、切りくずのトラブルを解消。
■主な形番と標準価格
●デジタルボーリングヘッドφ23.9 - 37.1 mm
形番:305.020.024.035 156,700円
●BT40用マスターシャンクホルダ
形番:134.540.020.042 39,700円
●エクステンションホルダ
形番:164.020.020.030 52,300円
●リダクションホルダ
形番:184.025.020.036 56,600円
計58形番(いずれも税抜価格)
国際ロボット連盟(IFR:会長=津田純嗣 安川電機会長)が、10月18日、東京ビッグサイトで会見を開き、世界ロボット年感統計「World Robotics 2018」を発表した。
概要は以下の通り。
●2021年の予測:世界の販売台数は平均で1年あたり14%増加
●日本:ロボット生産台数最多
●ヨーロッパ:ロボット密度最大
●中国:需要最大、販売台数最多
最新の「World Robotics 2018」によると、2017年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000台を記録し、前年比30%増となった。これは、産業用ロボットの年間販売台数が過去5年間(2013-2017年)で114%増加したことを意味する。2017年の販売額は2016年から21%増加し、過去最高となる162億米ドルを記録した。
津田会長は、「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っている。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、容易なプログラミングなどの多くの最新テクノロジーとともに進化を遂げている。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれている。」と見解を示した。
世界の5大市場(中国、日本、韓国、アメリカ、ドイツ)では、2017年に総販売台数の73%を占めた。
●中国
2017年に総販売台数の36%という最大の市場シェアを記録し、トップの地位を大幅に強化した。中国の産業用ロボットの販売台数は、138,000台(59%増、2016-2017年)を記録し、ヨーロッパと南北アメリカの販売台数の合計(112,400台)を上回った。
海外ロボットメーカーが中国で現地生産したロボットを含めると、外資ロボットメーカーの販売台数は72%増加し、103,200台に到達した。外資ロボットメーカーが現地メーカーよりも高い成長率を記録したのはこれが初となる。2017年の中国ロボットメーカーの市場シェアは2016年の31%から25%に減少した。
●日本
日本は世界一の産業用ロボット生産国だが、2017年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めた。輸出比率は45%の増加を記録し(2016-2017年)、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパとなった。日本におけるロボットの販売台数は18%増の45,566台となり、過去2番目に高い数字を記録した。なお過去最高は2000年に記録した46,986台。
●韓国
韓国の製造業は、これまで世界の平均値の8倍という世界最大のロボット密度を誇ってきたが、2017年にロボットの販売台数は4%減少し、39,732台となった。この主な要因は、2017年に、電気/エレクトロニクス産業でのロボット導入台数が18%削減したことによる。その前年の産業用ロボットの導入台数は最高の41,373台に達していた。
●アメリカ
アメリカにおけるロボット導入台数は7年連続で増加し、2017年に過去最高となる33,192台となった。これは2016年比6%の増加となる。2010年以降、アメリカの製造業全体の成長が促されたのは、国内市場及び海外市場におけるアメリカ産業の競争力を強化するために生産を自動化しようという流れが継続したため。
●ドイツ
ドイツは世界で5番目であり、ヨーロッパ最大のロボット市場。2017年にロボット販売台数は2016年(20,074台)から7%増加し、過去最高となる21,404台を記録した。2014年から2016年にかけては、産業用ロボットの年間販売台数が20,000台前後で伸び悩んだ。
依然として自動車産業が最もロボットを利用している産業である。2017年の総販売台数の33%を自動車産業が占めており、販売台数は22%増加した。乗用車の製造は過去10年でますます複雑なものとなった。現在、製造プロセスの大部分はロボットを利用した自動化ソリューションを必要としている。ハイブリッドカーや電気自動車メーカーも、従来の自動車メーカーと同じように、より幅広いモデルの車に対する需要の高まりに直面している。さらに、2030年に向けた気候目標の達成という課題を達成するためには、最終的により多くの新しい車を低公害車及び無公害車にすることが必要となると思われる。
今後、自動車メーカーは、最終組立や仕上げ作業のための協同ロボットにも投資をするだろうと思われる。ティア2自動車部品メーカーはその大部分が中小企業であり、完全自動化に時間がかかっている。しかし、ロボットがより小さくなり、適応性が高まり、プログラムしやすくなり、資本集約的でなくなるにつれ、この状況は変わることが予測される。
●電気/エレクトロニクス産業
電気/エレクトロニクス産業は、自動車産業に追いつきつつある。販売台数は33%増加し、過去最高の121,300台を記録した。これは、2017年の総販売台数の32%にあたる。電気製品の需要とバッテリーやチップ、ディスプレーに対するニーズの高まりが販売の増加を促進した。生産自動化の必要性が需要を高める。ロボットは高速でとても小さな部品を非常に高い精度で扱うことができるため、エレクトロニクスメーカーは生産コストを最適化しながらも品質を確保することが可能になる。スマートエンドエフェクタの種類が増え、視覚技術の幅が広がるにつれ、電気製品の製造において、ロボットが行うことのできる作業の幅も広がる。
●金属産業
金属産業(産業機械産業、金属製品産業、非鉄金属産業を含む)は、上昇傾向にある。2017年には総販売台数の10%が同産業向けで、販売台数は55%の並外れた成長を見せた。アナリストは2018年に金属の需要は全体的に伸び、電気自動車のバッテリーに使用されるコバルトとリチウムの需要の高まりは継続していると予測している。金属・金属製品業界の大手企業は規模の経済から利益を得て、需要の変化に迅速に対応できるようにするために、ロボティクスをはじめとするインダストリー4.0自動化戦略を実施している。
製造業のロボット密度の新たな世界平均は、従業員10,000人あたりのロボットは85台(2016年:74台)で、地域ごとにみると、ヨーロッパの平均ロボット密度は106台、南北アメリカは91台、アジアは75台となっている。
業務用サービスロボットの売上高は39%増加し、66億米ドルに達した。このカテゴリーの総販売台数は85%増加した(2017年)。需要が最も高いのは物流システムで、業務用サービスロボットの総販売台数の63%、総売上高の36%を占めている。サービスロボットは新興企業の主要な参入分野でもあるため、サービスロボットに関する見通しは今後も明るいと考えられる。
IFRのGudrun Litzenberger事務局長は、「売上高に関しては、2019-2021年の販売予測によると、業務用分野の累計売上高は約460億米ドルになる。これに最も寄与するのが、物流や医療、フィールド向けのサービスロボットだ。」と述べている。
2017年に69,000の物流システムが導入された。これは、2016年の導入数(26,300)から162%の増加となる。無人搬送車(AGV)が製造分野において6,700台、非製造分野において62,200台導入され、2016年の無人搬送車の販売台数と比較して162%増加しました。物流システムの売上高は、約24億米ドルになると推定されており、これは2016年比138%の増加となる。
「医療用ロボット」もすでに定着しているサービスロボットであり、極めて大きな成長の可能性を秘めている。医療用ロボットの総売上高は19億米ドルに増加し、2017年の業務用サービスロボットの総売上高の29%を占めた。重要性の高い用途としては、ロボット支援手術/治療と、障害を持つ人々が必要な活動を行う手助けをする、または身体機能または認知機能の改善を目的とした治療を行うリハビリロボットが上げられる。
搾乳ロボットを中心とする「フィールドロボット」の売上高は、業務用サービスロボットの売上げの約15%を占めている。フィールドロボットのシェアはわずかだが2%減少し、9億6,600万米ドルとなった。2017年のフィールドロボットの総販売台数は6,375台であり、2016年の約5,300台と比べて2%増加した。酪農家の経済的問題により、2016年に売上は減少した。2017年も市場ではいまだにこの影響が見られる。農業用ロボット(大規模農業における作物、野菜・果物の栽培、収穫)は市場に根付きつつある。2017年の販売台数は2016年の190台から増加し、520台となった。
また、日々の生活において人間を支援するまたは楽しませる「個人用サービスロボット」の市場は急速に進展している。売上高は27%増加し、21億米ドルに達した。2017年に総販売台数は25%増加し、約850万台となった。掃除機がけや芝刈り、窓掃除などの家事向けのロボットが推定で約610万台販売され、2016年比31%増という目覚ましい増加をみせた。しかし、IFRの調査はこの分野を完全に網羅したものであるとは言えないため、実際の数字は上記よりも大幅に大きいものである可能性がある。売上高は16億米ドルだった。これは2016年比30%の増加となる。
長年レポートの作成に携わってきたIFRのサービスロボットグループのMartin Hägele氏は、「個人・家庭用用途において、ロボティクスは目覚ましい世界的成長を遂げてきた。床掃除ロボットやロボット芝刈り機、そしてエデュテインメント向けロボット(ソーシャルロボットという呼び名が普及し始めている)は、ますます私たちの生活の一部になってきている。今後の製品開発の方向性は、高齢者支援や家事の手伝い、エンターテインメントのための支援ロボットなど、より精巧な高性能・高付加価値家庭用ロボットの開発を目指すものになる。」との考えを示している。
ヨーロッパのサービスロボットメーカーは、世界市場において重要な役割を担っている。700社強の登録企業のうち約300社がヨーロッパの企業である。メーカー数が25社の北米が2位、130社のアジアが3位となっている。また、サービスロボットサプライヤーの約30%が設立5年以内の新興企業であると考えられ、このことからも、ロボティクスの進歩が目覚ましい新興分野でのダイナミクスが見てとれる。
DMG 森精機(社長=森 雅彦氏)が、「第13 回切削加工ドリームコンテスト」を開催し、このほど受賞作品が決定した。
このコンテストは、日本国内において切削加工に携わり、切削型工作機械を使用している企業および学校、研究機関を対象に、切削加工業界全体の技術・技能の交流と向上を目的として開催しているもので、今年は審査委員長の東京大学 大学院工学系研究科長 工学部長 光石衛教授をはじめ、審査委員に4 名の大学教授を迎え、厳正な審査の結果、全応募作品の中から、産業部品加工部門より4 点、試作・テスト加工部品部門より5 点、造形加工部門より4 点、アカデミック部門より4 点、DMG 森精機製5 軸加工機を使用して応募があった作品の中から「DMG MORI 5 軸大賞」を選出した。
なお、「DMG MORI 5 軸大賞」は、国内の5 軸加工機の普及推進を目的とし、今回より新設している。表彰式は、11 月1 日(木)にJIMTOF2018 の同社ブース内(東8 ホール)の特設会場で開催し、受賞者には賞状と賞金が贈呈される。JIMTOF2018 の期間中は、同社ブース内にて応募作品全70 点の展示を行う。
第13回切削加工ドリームコンテスト受賞作品は以下の通り。
●金賞
「ファイバーノズル」
ツウテック(株)〔愛媛県東温市〕
●銀賞
「バルブ本体」
M.T.s.r.l 〔イタリア マリニャーノ〕
●銅賞
「旋盤で64チタンテーパ部鏡面ラップ」
(株)吉岡精工〔神奈川県横浜市〕
●技能賞
「ステータ」
(株)オンダ精機〔神奈川県横浜市〕
<応募者アピールポイント>
・高融点(2.623℃)材料のモリブデンにノズル穴Φ0.05、深さ1.5 mm(D×30)の加工が高難易度だった。
・純モリブデン加工の回転数、送り量等の条件出しに苦労した。
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・モリブデンを超微小先端形状に穴(Φ0.05)を加工している。
・ノズル穴が並んでいる部分(画像の突起部分)の形状が複雑であり、高度な加工技術が必要である。
●金賞
「このねじ、半端ないって」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●銀賞
「くびれねじ」
堀口エンジニアリング(株)〔千葉県成田市〕
●銅賞
「切削品なのに歪みゼロの2.5倍メガネ型ルーペ」
サークルアンドスクエア(株)〔大阪府大阪市〕
●銅賞
「44本の真鍮ノズル」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●技能賞
「ラップレス鏡面電極」
(株)吉岡精工〔神奈川県横浜市〕
<応募者アピールポイント>
・シャープペンシルの芯に雄ねじと雌ねじの加工を施した。ねじが長くなればなるほど、先端と端末のガタツキやスムーズな回転に影響する為、雄ねじと雌ねじのクリアランスの加工条件を出すのに時間を費やした。
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・クリアランスの良さが評価に値する。
・雌ねじの加工法に注目した。
●金賞
「葉脈 before after」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●銀賞
「切削レンチキュラーの明と暗」
サークルアンドスクエア(株)〔大阪府大阪市〕
●銅賞
「連続球」
近藤精密(株)〔愛知県豊田市〕
●銅賞
「二刀流!」
応用電機(株)〔熊本県菊池市〕
<応募者アピールポイント>
・葉脈の線径はΦ0.16mm で葉の膜厚は0.08mm。アクリルは補足加工すると非常に脆く、折れ、欠け、割れやすい素材のため加工条件、クランプ方法、取り外し方に苦労した。
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・葉形状が平面でなく曲面(厚み0.08 mm)であり、難しい加工を行っている。
・葉脈のみの葉も難しいが、葉の厚みに加工すること自体が難しかったと思う。
●金賞
「薄肉・高アスペクト逆さ振り子」
中国職業能力開発大学校〔岡山県倉敷市〕
●銀賞
「2軸回転運動の組合わせた内径ヘリカルポリゴン加工」
東京電機大学〔東京都足立区〕
●銅賞
「高アスペクト比の極薄板加工」
中部大学 工学部 機械工学科〔愛知県春日井市〕
●銅賞
「コーテッドボールバニシング加工」
国立大学法人 福井大学〔福井県福井市〕
<応募者アピールポイント>
・ベース部、軸部、頭部で構成し、軸部は下部から上部にかけて約45°のねじりを加え、頭部の形状は楕円体、立体ハート形状に、軸部は直線的なものと曲がりを加えたものを制作した。大きな特徴は、「揺れる(動く)」ことで、頭部をやさしくはじくと約20 分から30 分間揺れ続ける。
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・石膏を治具、サポート材として使用しているところが面白い。
・振動が継続する設計となっている。
・高アスペクト比の薄肉加工がすばらしい。
「サングラス」
「サングラススタンド」
「羽ならぬ葉根の万年筆」
「思わず手にとってみたくなるタンブラー」
(株)ミズノマシナリー〔富山県富山市〕
イスカルジャパンが(社長=小宮信幸氏)が、10月12日、豊中市立文化芸術センターで「2018年イスカル新製品発表会」を開催した。
今回、同社はテーマを「LOGIQ」に一新。11月1日から東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2018」に向けて、高能率、高生産性によりコストダウンを実現する最新工具シリーズを発表した。
また、この発表会では、イスラエル本社より、ISCAR社CEO及びIMCプレジデントJacob Harpaz氏が来し、世界の機械加工の動向と、高能率、高生産加工により、コストダウンや収益向上を実現するLOGIQ新製品シリーズの紹介をし、会場内は大いに盛り上がりをみせた。
会に先立ち、小宮社長が日頃の感謝の意を表したあと、「LOGIQセミナーは、本年の始めより全世界各国にて開催して大きな反響を呼んでいる。」と反響の大きさを示し、LOGIQ製品について触れた。それによると、「LOGIQ新製品は、5年前に発表したMachining Intelligently 賢い機械加工を実現する IQシリーズを更に進化発展させたもの。また副題はINDUSTRY4.0だが、これはINDUSTRY4.0がIoT、AIを始めとする情報処理の進化を踏まえて、ドイツに於いて官民一体で提唱された生産活動における無駄を無くして生産コストや物流コストを削減するとともに、多様なニーズにも対応しようとするものである。このような考え方は、世界各国でも推進されているが、時代と市場の要望に沿って開発されたのが、LOGIQ工具シリーズである。」と述べた。
また、イスカル製品のコンセプトは、“FAST METAL REMOVAL高能率加工”だが、小宮社長は、「高能率加工による生産コストの削減を提案してきたが、今回、紹介するLOGIQ製品も、変わりません。改めてユーザー様の生産において高能率加工による生産コストの削減を実現するものと確信している。」と力強く述べ、多くの分野に対応するために、多数の新製品を開発したことを強調した。
なお、このほど数十点に上る「LOGIQ」製品をリリースしたが、JIMTOF2018では西1ホールW1013にて、LOGIQ新製品の全てが展示される。
日本機械工具工業会(会長=牛島 望 住友電気工業 専務)が、10月3日、名古屋キャッスルプラザで秋季総会並びに平成30度日本機械工具工業会賞表彰式を開催した。
第一部の総会では、新規入会会員の紹介、平成30年度「日本機械工具工業会賞」の発表、各委員会報告のほか、平成30年度上記収支報告、同機械工具生産額改定見直しなどの報告があったあと、東京電機大学工学部機械工学科 教授 松村 隆氏を講師に迎え、「切削加工の動向と高度化技術」をテーマに記念講演が行われた。
〇太田拓夫氏(元三菱マテリアル(株) 元三菱マテリアル神戸ツールズ(株))
平成元年 6月~平成 3年6月 超硬工具協会 総務委員長
平成15年5月~ 平成17年5月 日本工具工業会 副理事
平成17年5月~ 平成19年6月 同 理事長
企業経歴
昭和45年4月~平成14年3月 三菱マテリアル(株)
平成14年4月~平成19年9月 三菱マテリアル神戸ツールズ(株) 代表取締役社長
功績の概要
氏は、平成15年5月、日本工具工業会副理事に就任、副理事長を1期2年、平成17年からは、日本工具工業会第9代理事長を1期2年務めた。また、超硬工具協会でも平成元年から2年間総務委員長として活躍した。日本工具工業会の4年間の理事長、副理事長の間、フランクな人間性を発揮し、会員同士の融和に取り組み、工業会の活性化に貢献した。
〇故、木下徳彦氏(冨士ダイス(株))
平成18年6月~平成19年6月 超硬工具協会 懇親担当常任理事
平成19年6月~平成21年6月 同 関東地区常任理事
平成21年6月~平成23年6月 同 副理事長協会賞
平成23年6月~平成25年6月 同 特許担当常任理事
平成25年6月~平成27年6月 同 副理事長関東地区
平成27年6月~平成28年6月 日本機械工具工業会 副会長 コンプライアンス担当
企業経歴
平成16年 5月 代表取締役社長
平成27年10月 代表取締役会長
平成29年11月25日 逝去
功績の概要
氏は、平成16年、創業者新庄應義氏を後継し社長に就任。平成18年には、超硬工具協会役員として永年中枢で牽引された新庄應義氏から懇親担当常任理事を引き継ぎ、平成19年関東地区、その後、協会賞、特許、2期目の関東地区担当理事を歴任。さらに旧、日本工具工業会との統合後は副会長兼コンプライアンス委員長を担当し、それぞれの団体において主要役員として活躍した。関東地区担当理事時代には全員参加、会員協調の基本理念を具現化し、21、22年度には副理事長兼協会賞選考委員長として、特に中小・中堅会員の応募件数の増加策に腐心、「作業・事務・生産技術等の改善賞」の専攻評価、ノウハウの開示問題など、改善賞の客観性評価の難しさに一石を投じた。また、新庄基金の設立に際しては、「会社の業務は全て重要であり、永年にわたり決して目立った存在ではないが、黙々と業務に励み会社の発展になくてはならない方」を表彰したいとして先代の意向を基に「新庄(陰徳の士)賞」を設けた。
「ワンレボリューションスレッドミル「AT-1」の開発
●オーエスジー(株) 依田智紀氏
新規性
・従来の製品は右刃右ねじれ溝であったため、工具先端側から切削負荷がかかり、倒れやすいという問題点があった。これを右刃左ねじれ溝にすることで、工具の倒れを大幅に減少したことに新規性がある(特許第4553251号)。
・スレッドミルは切削負荷によるビビリが発生しやすい工具である。これを不等分割・不等リード溝を採用することでビビリを減少させた点においても新規性がある(特許第4996694号)。
「ラジアスカッタ『Do Twist Ball』の開発」
●(株)タンガロイ 雲井春樹氏 及川有宇樹氏 坂内由昌氏
新規性
・本製品は、インサート底面をカッタの半径方向に傾かせたこと(ツイストクランプテクノロジー)によって、クランプ剛性を向上させ、切削中のインサートの動きを抑制した。インサートは、角丸長方形の両面4コーナ仕様で、従来製品と比較して、切れ刃-ねじ穴間の断面積が約2倍となり、強度が大幅に向上した。
・大きなインクリネーションを持つ切れ刃により、食いつき衝撃の緩和とスムーズな切りくず排出を両立した。カッタには、高送りインサートも搭載可能で、幅広いアプリケーションに対応できる。
「鋼用ハイパーバニシングドリルの開発」
●(株)アサヒ工具製作所 福田勝利氏
新規性
・従来のバニシングドリルはアルミ、鋳鉄向けであった。鋼材に対してのバニシング加工は不可能とされてきた。同社既存のバニシング技術を応用し、食い付き部や溝形状を最適化。鋼へのバニシングに対応した超硬ボディー、コーティングは耐摩耗、耐溶着性に優れるものとした。
「耐熱合金加工用サイアロン材種『SX3』の開発」
●日本特殊陶業(株) 小村篤史氏 吉川文博氏
新規性
・被削材の難削化に伴い更なる長寿命化には耐欠損性と対摩耗性の双方を向上させる必要があった。この課題に対し従来はβサイアロン流新のAl固溶量を増やして耐摩耗性を向上させ、結晶粒の微細化で耐欠損製の低下を抑制していた。本開発品は被削材とβサイアロンの反応による脱粒が摩耗進行のメカニズムであることを解明し、①反応性が低いAl-rich結晶相を見出し、抑制することで耐摩耗性を向上、②新製法によるβサイアロン粒子の強靱化、針状化促進により耐欠損性を向上させた。結果、耐摩耗性と耐欠損性の両立を高次元で成功させた。
「高能率加工用多機能カッタ『VPX』の開発
●三菱マテリアル(株) 神原正史氏 北嶋 純氏 坂本千波氏
新規性
・切れ刃強度のみを重視した縦刃式インサートを採用したカッタは以前より存在していた。ただこれでは多機能性や切れ味を重要視する日本市場では受け入れられないことは明白である。同社では切れ刃強度を維持しつつ、多機能に使うことができるインサート側面形状、ならびに低抵抗を実現するインサートすくい面形状を発明し製品化に成功した。
「環境大賞」
●京セラ(株)
環境マネジメントシステムに基づく高レベルの組織的な仕組みが構築されており、地球温暖化防止、廃棄物削減等、環境活動に積極的に取組み、改善の推進力も高いと判断できる。いかなる状況下でも継続的省エネ、省資源への取組みを実践し、2015年度選考より4年連続で総合評価第1位。これらの環境活動は、他社の規範と成り、2018年度環境大賞に相応しい。
「環境特別賞」
●レッキス工業(株)
従来より環境管理活動に継続的な取組みを実施し2014年度実績から4年連続してCo²原単位排出量を削減している。廃棄物対策の取組みについても継続的な活動が顕著にみられゼロエミッションに対する取組みの効果が確認できる。(過去7年再資源化率99%以上)。エネルギー使用量については、生産計画の見直し(効率的な生産)、老朽化した設備の計画的な更新を実施し使用量の削減を図り、現状の高いレベルを維持しながらさらに効果を上げている。
●日本特殊陶業(株)
廃棄物対策に積極的に取組み、2015年度実績から再資源化率99%以上を3年連続継続し、ゼロエミッションを達成。エネルギーの生産高原単位も2015年度実績から毎年減少し、2017年度実績は2015年比7%向上した。廃棄物、省エネについて現状に満足することなく、改善活動をさらに活性化し、効果を上げている。
懇親会であいさつに立った牛島会長は日頃の感謝を表したあと、「中国は現在、環境規制が非常に厳しくなっている。タングステンの鉱山については環境監査も厳しくなっている。そういう中にあって原料の生産はされているが、日本でも使用済みの超硬チップ等が中国に流れているという問題があり、超硬工具協会時代には対応策はないのかと考えていたこともあったが、ここへきて中国が超硬でもスクラップを自国に入れないというポリシーをとりはじめている。したがって日本国内で発生するスクラップは、われわれの力でリサイクルができることになるので、皆さんとしっかり対応していきたい。」と述べた。
来賓を代表して、玉井優子 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「海外で大きなプラントを建てられるのを何度も見てきたが、そのたびに日本のものづくりの凄みを拝見した。海外で日本企業が活躍しているのも、こうした国内におけるものづくり企業があってこそだと強く実感している。経済産業省ではコネクテッドインダストリーズを掲げて企業や業界を超えて“ヒト・モノ・カネ”を結合してビジネスを生みだそうと取り組んでいる。」とあいさつをした。
乾杯の発声を中村伸一副会長(三菱マテリアル常務 加工事業カンパニープレジデント)が行い開宴した。宴もたけなわのころ、岩田昌尚副会長(イワタツール社長)が中締めを行い散会した。
「JIMTOF2016(第29回日本国際工作機械見本市)」が11月1日(木)~11月6日(火)まで東京ビッグサイトで開催される。今回のテーマは「未来へつなぐ、技術の大樹」。
この展示会は、工作機械と関連製品はあらゆる工業の基盤となることから、工業立国・日本の技術水準を映す鏡として国内外から高い感心を集めている。充実した併催企画に加えて、高度な情報交換の場として世界中から注目されている工業の祭典だ。今回は、日本をはじめとする世界21カ国・地域から1,085社から出展、JIMTOF史上最大の5,525小間で、先端技術がつまった製品を世界に向けて発信する。
製造現場ドットコムが選んだ注目企業の見所を紹介する。(アイウエオ順)
(アマダグループ<アマダ/アマダマシンツール/アマダサンワダイヤ>、イスカルジャパン、イワタツール、オーエスジー、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、北川鉄工所、キタムラ機械、黒田精工、住友電気工業、大昭和精機、ダイジェット工業、タンガロイ、DMG森精機、ナガセインテグレックス、日進工具、不二越、ブルーム-ノボテスト、牧野フライス製作所、マパール、三井精機工業、三菱日立ツール、三菱マテリアル、安田工業、ヤマザキマザック、ユキワ精工、碌々産業)