森精機製作所は、高速・高精度ロータリテーブルDDRTシリーズの新たなラインアップとして、5軸加工用ロータリテーブル『5AX-DDRT200X』をこのほど発売した。
このマシンは、3軸制御の立形マシニングセンタと組み合わせることにより、需要が高まっている医療関連や、航空機などの分野における複雑形状ワークの同時5軸加工を実現、新たに5軸加工機を購入するための設備投資費用を抑えながら、3軸制御の立形マシニングセンタを5軸加工へ進化させるマシンである。
駆動方式にはDDM(ダイレクト・ドライブ方式モータ)を採用し、ウォームギヤ方式と比較して伝達効率が大幅に向上した。これにより高速送りとバックラッシゼロを実現している。割出し時間については傾斜軸と回転軸ともに約15%短縮し、テーブルの最高回転速度は傾斜軸、回転軸それぞれクラス最速の150 min-1、250 min-1を達成、また位置決め精度は傾斜軸±4秒、回転軸±2.5秒を達成し、インペラなどの複雑形状の同時5軸加工や自動車部品などの割出し5軸加工の場合に高精度かつ非切削時間を短縮して生産性を向上させる。
割出し5軸加工と同時5軸加工に最適なソフトウェアパッケージもそれぞれ用意し、ユーザーの5軸加工をサポートする。
他にも新開発のカスケードビルトインモータブレーキを採用することで耐久性が大幅に向上し、マグネスケール社製のスケールを標準装備することで圧倒的な高剛性、高精度を実現した。また回転軸モータトルクは280 N・mを達成し、傾斜軸のベアリング剛性も大幅に向上したため重切削加工にも十分に対応し、難削材加工も可能になった。面板位置を低くした低重心構造を採用することで駆動位置が重心位置から近くなり、安定した駆動を実現、最大ワーク積載質量も30 kgまでとなり、幅広いワークに対応可能となっている。さらに傾斜軸回転中心から面板間の距離を短縮することで加工領域が拡大したため、治具の設計も容易となり、メリットも豊富だ。
このマシンは森精機製品だけでなく、主要な数値制御装置を搭載した3軸制御の立形マシングセンタにも対応している。同社のエンジニアが取り付けから加工開始まで一貫して対応する万全のサポート体制を用意しているので安心である。
同社では「MSQP(森精機認定周辺機器)として、2年間の保証期間を含めて、森精機が機械本体と同様にサポートいたします。今後もより多くのお客様の生産現場を支えるべく、製品ラインアップを充実させ市場へ投入してまいります」としている。