日立ツール(社長=田中啓一氏)がダイヤモンドに匹敵する硬度(超硬質)と優れた表面平滑性(超平滑)を併せ持つ、超高密度アモルファスカーボン(SDコーティング:スプリームDLCコーティング)被覆工具シリーズ、「エポックS-DLCディープボール」のアイテムを拡大しこのほど発売した。
同シリーズは、主に非鉄材料を対象とした市場で好評であり、さらなる小径工具への要望も寄せられた。同社では、①加工した面の品位が非常に良好であること、②加工した被削物へのバリの発生が少ないことなど、③高品位な加工を実現できること――が評価されており、今回追加するアイテムにより、より微細な形状加工に対応できることから、放電加工に使用される銅電極の精密微細切削や、アルミ、樹脂などの精密部品加工を高品位に仕上げることが可能となる。
同社のSDコーティングは、イオン化エネルギーの高いアークイオンプレーティング法を採用し、ドロップレットを除去する機構(フィルタードアーク技術)を併用することで、高エネルギーのイオンのみによって形成される高密度膜の成膜が可能。この技術により得られるSDコーティング被覆工具は、0.1以下の低摩擦係数により切り屑の排出性が格段に向上し、非鉄材料の切削加工能率を大幅に向上させることができる。
またダイヤモンドに匹敵する高硬度であるため、シリコンを多く含むアルミ合金のドライ加工や硬質粒子を含有した繊維強化材等の切削加工において加工能率・工具寿命を向上させることができる。年商は3000万円(全35アイテム)を見込んでいる。
●仕 様:エポックSD(S‐DLC)ディープボール(EPDB‐SD)
ボール半径R0.1~R0.2 9アイテム拡大(全35アイテム)
● 価 格:¥13,608~¥21,600(消費税込み)