日立ツール(社長=田中啓一氏)がこのほど『鋼一般ミーリング加工用インサートJS4045』を開発し、5月20日から本格発売する。
軟鋼から35HRC未満の被削材は、一般には被削性が良いことから、荒加工において高速加工や高送り加工等の高能率加工が用いられるが、このような加工条件では工具刃先の温度が上昇し、クレータ摩耗や刃先の塑性変形が発生し工具の寿命が低下したり、黒皮部や加工穴部等の加工では断続加工になることから、工具の刃先がチッピングする問題があった。
こういった問題を受け、JS4045は耐熱性の高い超硬母材に加えて、PVDコーティング法のよる耐摩耗性と耐熱性の高いコーティング膜採用している。このため高能率加工における工具刃先のクレータ摩耗の低減と、刃先の塑性変形を抑制することが実現し、工具寿命を従来比2倍に改善した。また、母材強度と靱性のバランスに優れる超硬母材を採用することでチッピングを低減し、連続加工から軽断続加工までの幅広い領域で、工具寿命の改善を行なうことができる。
特長は以下のとおり。
(1)耐熱性が高く、耐摩耗性と靱性のバランスに優れる超硬母材の採用
耐熱性の高い超硬母材の採用により、加工熱による刃先の塑性変形を低減し工具寿命を大幅に向上させた。また、母材強度と靱性のバランスに優れる超硬母材の採用により、連続加工から軽断続加工までの幅広い領域の工具損傷を低減した。
(2)耐熱性に優れるコーティング膜を採用
コーティング膜には耐摩耗性に優れる被膜と耐熱性に優れる被膜を採用し、軟鋼から35HRC未満までの鋼材の加工時に発生するクレータ摩耗の抑制を実現した
(3)寿命
軟鋼から35HRC未満までの鋼材のミーリング加工の場合、従来品と比較して2倍の寿命を実現した。
価格は¥1,026 ~¥2,873(消費税込み)