DMG 森精機(社長=森 雅彦氏)が、キトラ古墳壁画に描かれている四神「朱雀」を、同社製の工作機械で削り出し、3D に再現した。削り出した「朱雀」は、4 月22 日(火)から5月18日(日)まで東京国立博物館で開催される特別展「キトラ古墳壁画」と同時開催の「飛鳥-キトラ2016-」にて展示される。
「朱雀」は、古代中国で四方を守護する四神とされた1つで、奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7 世紀末~8 世紀初め)の極彩色壁画に描かれている。
同社では、「今回、キトラ古墳壁画が東京国立博物館で特別展示されることになり、明日香村村長の森川裕一様より、『朱雀を3D に再現することができないか』とご依頼をいただいたことで、朱雀プロジェクトが始動いたしました。2 次元の壁画を、削り出しで3D に再現することは初めての試みであり、加工とプログラム修正を地道に繰り返し、時間をかけて丁寧に製作を行いました。土台部分の仕上げ加工は、特に丁寧に行い、切削加工のみでまるで磨き加工を施したような表面に仕上げています。真鍮は、加工に使用する切削油が付着したままだと腐食し変色しやすいため、加工後の取扱いにも十分気を配りました。完成品には、金色の輝きをいつまでも保つようクリア塗装を施しています」とコメント。
同社では今後、さらに2 体の「朱雀」を製作し、ソリューションセンタ(東京、伊賀)にて展示を予定している。
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