サンドビック(社長=マイケル・エネベリ氏)が、2月14日、名古屋市内の名古屋マリオットアソシアホテルで開催された同社中部日本コロマント会総会に先立ち、「2018年度業績」、「デジタル戦略」、「新組織体制」等について発表があった。
エネベリ社長は、「2018年は記録的な年となった。史上初めて1,000億スウェーデン・クローナを超えた。これは日本円にして約1兆2,500億円になる。この成長は主に南北アメリカ、オーストラリアが中心となっている。ヨーロッパとアジアはこれに比べて低いながらも安定した成長を示している。売上の38%はヨーロッパ、21%がノースアメリカ、アジアは約20%。産業分野の観点からは、主に航空機及び石油ガス分野で力強い成長が見られたが、ヨーロッパとアジア、特に中国を中心とするアジアは減少傾向にある。」と数字を示したあと、「市場シェアの獲得と市場の新しい領域への参入に注力する。」と意気込みを示した。
サンドビックが参入しているマーケットの新分野に“デジタルマニュファクチャリング”がある。同社の好調なデジタル製品シリーズは“CoroPlus(コロプラス)”と呼ばれ、従来の切削工具の種類であるコロターン、コロミル、コロドリル等を統一した“Coro(コロ)”という名前が付いている。“CoroPlus”は設計、工程計画、マシニング計画、工具ロジスティック、拡充及び加工後等の検証を含む顧客の機械加工のバリューチェーン全体をサポートすることを目的にしている。
エネベリ社長は、「サンドビック・コロマントの主要な工場のあるジモ工場において、世界経済フォーラムから最先端のインダストリー4.0サイト及びデジタルライトハウス工場として認定された。これはデジタルマシニングにおいて、サンドビックが最高のポジションにあるという証明であり、非常に名誉なことだ。」と優位性を示した。
山本雅広 西日本営業統括本部長兼東日本営業統括本部長)が、新組織に関する説明をした。それによると、東日本に関しては武井篤史 営業統括本部長代理が東日本営業統括本部長代理に就任すると発表し、「より地域に密着した形で営業活動を進めていく」との姿勢を示した。
また、航空機部門に関しては、航空機推進部の名称で別組織を持って注力すると説明した。
2019年の取り組みについては、コミュニケーションの強化を挙げ、技術的なサポートを含めて付加価値のある営業活動を行うとした。また、高付加価値製品の開発にも注力するとし、3Dプリンターで作成された世界初の“チタン合金製ミリングカッター”の販売を3月から開始していく予定。