日本機械工具工業会(会長=牛島 望 住友電気工業 専務)が、1月16日、東京都内の第一ホテル東京で、賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った牛島会長は、生産実績について、「4月から11月までの8カ月間の累計は3,467億円、17年度の同期対比ではプラス8.9%の伸びだった。出荷金額は3,542億円で、前年同期対比はプラス9.7%の伸びとなった。出荷のうち内需がプラス9.2%の2,334億円、輸出がプラス10.1%の1,206億円となり、輸出比率はほぼ35%となった。年明け各方面の取引先等の話を伺う限りでは、需要動向は依然順調ではないか。通年で初の5,000億円超過、5,200億円をぜひ達成したい。」と力強く述べた。
今後の見通しについては、「日米の貿易交渉や英国金利や株価の動向によっては円高に振れるリスク等も大いに不安があるが、構造的な人手不足により、自動化のニーズは依然強い状態で、コネクテッド・インダストリーズを実現するためのロボットやセンサーの導入等、投資の動きは当面力強く伸びる余地が大きい。また、主力の自動車は今後もますます需要増大が見込めるだろう。電動化による電子部品等の部品や、それに伴う車体重量等を抑制するための部品の非鉄化、軽量化、エンジンの燃焼効率改善のための新部品等、加工する対象は増加している。」との見方を示した。
来賓を代表して、玉井優子 経済産業省製造産業局 産業機械課長が、「日本をはじめとするグローバルなビジネス環境が大きく変化する1年になるのではないか。足元の経済動向は、景気回復が戦後最長になろうかといわれている一方で、グローバルに目を転じると保護主義のまん延であったり、米中摩擦や中国経済の減速など、幾つか懸念材料が出てきている。工作機械関係では、足元の受注状況も若干の不透明感が出てきているようにも思える。こうした中、昨年末にはTPP11を発効し、2月には日UE、EPAが発効する予定だ。経済産業省では、自由貿易の旗振りを引き続きしっかりし続けるとともに、イノベーションを核にした中長期での経済成長というのをしっかり支えていきたいと考えている。特に、イノベーションの基盤でもある、中小企業を中心とする製造現場の自動化、省人化は不可欠であり、さらなる自動化を進めるべく、今年度の補正予算でも、ものづくり補助金を確保した。また、ニーズに応じたあらゆる加工を可能とする新しいソリューション、新しい加工システムの提供にぜひ取り組んでいただき、コネクテッド・インダストリーズを一緒に引っ張っていただけることを期待している。経済産業省でも皆さまとの関係をより緻密にしながら、日本経済の成長のためにしっかり取り組んでいく。」とあいさつをした。
乾杯の発声は中村伸一副会長(三菱マテリアル常務)が行った。宴もたけなわのころ、石川則男副会長(オーエスジー社長)の中締めで散会した。