JIMTOF2018の会期中の11月1日、DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が、東京ビッグサイト東8ホールの同社ブース内において、テクニカル記者会見を開いた。
今回JIMTOF史上初となる東8ホールでの単独展示を行った森社長は、「40人のアプリケーションエンジニアのうち、10名が女性。女性のエンジニアをますます増やしていこうと思っている。」と女性の活躍を推進する意向を示し、今回の見本市でひとつのホールを丸々使用したことの意図を、「22台の機械を6日間で搬入して据え付け、撤収は2日間で行う。これは、DMG MORIに1週間与えて頂けたら、22台の機械工場、約30億円分の工場が完成するということを表現している。」と話し、同社の最先端技術を用いた今すぐ使える多彩なソリューションをアピールした。
同社のデジタルファクトリーにおける考え方は、人と機械と工場の見える化・分析・改善で生産性向上を実現するものだが、森社長は、「まずはデジタル化。そしてデジタル化したものを使ったサービス、その前にあるオートメーション。さらに複合化、5軸加工インテグレート――これらにより、旋盤、ミーリング、計測、研削等、従来専用機や大きなラインの仕事がひとつの機械に入っていく。働き方改革や人手不足が課題となっているが、残業や夜勤、週末の仕事はロボットを活用しながら自動化させ、人は、昼間のセットアップとプログラミングなど知的な仕事をこなしていくことになるだろう。」と近い将来における製造現場の姿について見解を示した。
自動化にしていくことは人が工場内で不在になることを意味する。この点については、「どこかで人が見守らなければならないことがある。切り屑が噛んでないか、熱変位が起こっていないかなど。そのためにもコネクティビティとデジタル化が必要。デジタルサービスがあれば、例えば、そろそろこのロボットのこの部分を調べて下さい、工作機械のこのオイルを交換して下さい、というスケジュール管理もしっかりできる。紙のマニュアルを本棚から出すとなると、見落としもあるだろう。デジタルならではの使い勝手の良さがある。また、トレーサビリティの観点から、人が品質の不良等を見落とさないようにしなければならない。今回の見本市では人をデジタルの力でサポートしていくことを表現している。」とデジタル化の必要性を述べた。
また、「私どもは75%のお客様が300人以下の中小企業。ヨーロッパでは敬意を込めてスモールミディアムエンタープライズ、SMEというが、このSMEの皆様に、どんな機械をお使いになっても繋げて提供していく。」と述べ、同社が提案するコネクテッドインダストリーズの説明をした。
同社では、このほど欧州の最重要生産拠点のひとつであるFAMOT工場をグランドオープンした。この件について、DMG MORI AG Chairman of the Executive Board Mr.Christian Thönes(クリスチャン・トューネス)は、「FAMOT工場は、組立能力・加工能力の増強を行い、ほとんどデジタル化した最初の工場。また、全ての工場を一体化した工場であり、計画から段取り、生産から加工終了、そして組立、出荷まで全ての工程をデジタルに繋げ、一元管理を実現した非常に美しい工場だ。私たちのデジタル工場のスタートアップ拠点であり、これらのデジタル化を現実の世界において示している。」と述べた。