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イワタツールが「JIMTOF Party in 屋形船」を開催

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141129 イワタツールイワタツール(社長=岩田昌尚氏)が、JIMTOF2014の開催に合わせて11月2日に関係者を招いてパーティを開催した。

屋形船はお台場(パレットタウン)桟橋から出発。パーティに先立ち、岩田社長が、「日曜日にもかかわらず参加していただき、ありがとうございました。今日はざっくばらんに大いに楽しんで下さい」とあいさつをした。

参加者は美味しい料理や東京湾の美しい夜景を楽しんだ。途中、マニアックなイワタツールクイズで参加者は大いに盛り上がった。

141129 イワタツール2あいさつする岩田社長最後に岩田社長は、「イワタツールはものをつくるための“ものをつくる”会社。昨年、テレビ番組を通して、2カ月という限られた時間の中で、研究開発に力を注いだ。強く実感したことは、力を合わせれば出来ないこともやり遂げることができるんだ、ということだった。わたしは2年ごとに次のステップを考えることにしているが、これから2年後に向けて、皆様方のご助言を頂きながら邁進していきたい」としめくくった。


テクノ小千谷名匠塾 「技能検定」技能士合格者100名突破!

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小千谷鉄工電子協同組合(理事長=木村敬知氏)の技能者の養成事業である「テクノ小千谷名匠塾」が、このほど国家検定にあたる「技能検定」の合格発表で、技能士が19名が誕生するとともに累計で115名になった。

熟練技能者が減少するなか、若手従業員への技能継承及び技能向上を目的に当塾が平成19年度より発足した。木村理事長は、「8年という歳月で、技能士の合格者数が100名突破をしたことは、中越地震から復興の歩みを残すことができたと自負しておりますとともに、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。今後も技能士の育成に向け、倦まず弛まず取り組む所存でございますので、変わらぬご支援ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます」とコメントしている。

141129テクノ

大澤科学技術振興財団が「平成26年度助成費贈呈式」を開く

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141129 財団大澤科学技術振興財団(理事長=大澤輝秀氏・オーエスジー会長兼CEO)が、去る10月24日、オーエスジー ゲストハウス(愛知県豊川市)で「平成26年度助成費贈呈式」を開催した。大澤科学技術振興財団は、日本のものづくりを支える科学技術の振興に寄与したいという趣旨から平成3年7月18日に設立され、国内の大学・研究所等、非営利の研究機関に所属する研究者に研究に対する助成を行っている。

今年度は19件の研究開発助成および、13件の国際交流助成を行い、助成金の合計は2,992万円となった。また、設立来24年間の研究開発助成は281課題、国際交流助成も231件にのぼり、助成累計額は5億3695万9000円に達している。

■研究開発助成

1.超微細電極接合のための金属・有機無機ハイブリッド異種材料の精密切削
東北大学・未来科学技術共同研究センター 准教授 福島誉史

2.無加熱原子層堆積法による切削ミルアルミナコートの自動修復法の研究
山形大学・理工学研究科 教授 廣瀬文彦

3.非常に滑らかな切断加工を実現する中赤外ベクトルビームよ縦電場生成への挑戦
宇都宮大学・工学研究科 准教授 東口武史

4.切削加工が可能なポーラスアルミニウムの開発
群馬大学・理工学府 准教授 半谷禎彦

5.無産化雰囲気による超硬合金および鉄鋼材料の同時研削加工に関する研究
日本工業大学・工学部 准教授 二ノ宮進一

6.超硬合金へのダイヤモンド被覆に及ぼすラジカル窒化前処理の影響
千葉工業大学・工学部 教授 坂本幸弘

7.BN系錯体のプラズマ分解と大電力バイポーラバイアス重畳による超硬質窒化ホウ素膜合成
東京工業大学・理工学研究科 准教授 赤坂大樹

8.非接触電力伝達機構を有する複合微細化広報に関する研究
工学院大学・機械創造工学科 助教 平尾篤利

9.B₂O₃の生成溶融を利用したコーテッド工具の高性能化
東海大学・工学部 教授 神崎昌郎

10.レアメタルフリー超硬質ナノ複相構造膜の創製
富山大学・芸術文化学部 教授 野瀬正照

11.チップバニシング加工用コーテッド超硬工具の開発
金澤大学・理工研究域 助教 岡田将人

12.世界最速の高速度カメラ方赤外線サーモグラフィを用いた難削材エンドミル加工減少における温度モニター技術の開発
同志社大学・理工学部 教授 廣垣俊樹

13.骨切除時の熱侵襲抑制を目的とした術用研削工具の開発
大阪大学・工学研究科 教授 榎本俊之

14.大気圧プラズマプロセスをベースとしたパワーデバイス用大口径単結晶ダイヤモンド基板の高効率ダメージフリー平坦化・平滑化プロセスの開発
大阪大学・超精密科学研究センター 准教授 山村和也

15.つり下げ電極を用いた放電加工による小径曲がり穴の創成
岡山大学・自然科学研究科 教授 岡田 晃

16.穴内面への穴加工を実現する特殊工具電極の開発 
徳島大学・工学部 教授 石田 徹

17.超微細粒オーステナイト鋼の機械加工による微視組織特性の変化と機械加工層が疲労強度に及ぼす解明
九州大学・カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授 久保田祐信

18.石英板を用いたCBNホイールの新方式精密ツル―イング技術の開発
熊本大学・先進マグネシウム国際研究センター 教授 峠 睦

19.紫外光授用研磨によるダイヤモンド基板の高能率無歪平坦化
熊本大学・自然科学研究科 准教授 久保田章亀

■国際交流助成
K-1.第13回ヨーロッパ真空学会及び第7回ヨーロッパハードコーティング学会(ポルトガル)
(独)物質・材料兼吸気口・表面物理グループ グループリーダー 板倉明子

K-2.第64回国際生産加工アカデミー総会(フランス)
中部大学・工学部 外国人特別研究員 ブカン・アントニー

K-3.第64回国際生産加工アカデミー総会(フランス)
京都大学・工学研究科 准教授 茨木創一

K-4.第64回国際生産加工アカデミー総会(フランス)
大阪大学・工学研究科 助教 道畑正岐

K-5.第64回国際生産加工アカデミー総会(フランス)
金沢大学・理工研究域 教授 細川 晃

K-6.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
兵庫県立大学・工学研究科 助教 児玉紘幸

K-7.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
岐阜大学・複合材料研究センター 特任教授 深川 仁

K-8.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
京都工芸繊維大学・工芸科学研究科 准教授 江頭 快

K-9.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
金沢大学・工学部 教授 畝田道雄

K-10.国際先端砥粒加工進歩叔父生む2014(アメリカ)
一関工業高等専門学校・機械工学科 講師 原 圭祐

K-11.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
静岡大学・工学研究科 助教 静 弘生

K-12.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
秋田県立大学・機械知能システム学科 准教授 野村光由
K-13.国際先端砥粒加工シンポジウム2014(アメリカ)
芝浦工業大学・デザイン工学科 准教授 澤 武一

日立ツールが複合材(CFRP等)加工用シリーズをはじめ、続々と新商品を発表

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日立ツール(社長=田中啓一氏)が続々と新商品を発表している。
JIMTOF2014では、画期的なセラミック工具を展示し、注目をあつめていたが、他にも複合材(CFRP用等)加工用シリーズ、超硬合金加工用小径エンドミルのほか、人気のステンレス・難削材加工用エンドミル「エポックSUSマルチ」のアイテム拡大など、ユーザーの期待に応えた工具が満載だ。

複合材(CFRP等)加工用シリーズ『エポックCFRPシリーズ ECH-SD,ECX-SD,ECN-HD,ECW-HD』

141129日立1近年、航空機産業ではCFRPをはじめとする繊維強化プラスチックなどの複合材が多用されており、その適応範囲は自動車産業やその他産業等にも広がりを見せているが、材料の薄肉化などから切削振動が大きく、加工能率の低減、バリ・デラミの発生等の問題に加え、材料によっては著しい工具寿命の低下等といった問題もあり、更なる高能率、長寿命加工が可能な工具が求められている。

このような背景を受け、同社では、CFRP等の複合材をターゲットにした『エポックCFRPシリーズ』を商品化した。これにより、特に不安定なクランプ状態においても切削抵抗・振動を抑制できる特殊刃形を採用し、高能率・長寿命・高品位な加工が可能となった。また、ユーザーの様々なニーズ(能率、寿命、精度)に対応すべく、形状・コーティングの異なる4タイプをラインナップした。


141129日立z
●ECH-SD
『左捩れ+低抵抗刃形』を採用し、溝加工時等の上面に発生するバリを抑制する。
再研磨可能なSDコートの採用により、ランニングコストの低減が図れる。

●ECX-SD
刃長間で捩れ角が逆転する『交互捩れ+低抵抗刃形』を採用し、トリミング時の上下面バリを抑制する。
再研磨可能なSDコートの採用により、ランニングコストの低減が図れる。


141129日立x
●ECN-HD
切削抵抗低減に効果のある『ニック切れ刃形状』の採用により、面品位向上が図れる。
ダイヤモンドコートにより摩耗進行の早い材料でも長寿命化が図れる。

●ECX-SD
特殊刃形により抵抗を低減。更に刃先頂部に微小外周刃を設けることで、刃先チッピングを防止する。ダイヤモンドコートにより摩耗進行の早い材料でも長寿命化が図れる。

■用  途■
繊維強化プラスチック(CFRP、GFRP、AFRP等)複合材における溝・トリミング加工等。
■基本仕様■
ECH-SD、ECX-SD:(Φ6、8、10、12)各4アイテム
ECN-HD、ECW-HD:(Φ6、6.35、8、10、12)各5アイテム 

価格は、ECH-SDが\15,768~31,212、ECX-SDが\18,252~37,476で、いずれも消費税込み。

超硬合金加工用 小径エンドミル『 エポックシャイニングスクエア EPCDS 』

141129日立2近年、金型寿命向上のために被削材の高硬度化が進んでおり、超硬合金を使用するケースが増えつつある。高硬度材料を長寿命に安定して加工することは非常に困難であり、中でも平面部の加工は工具に欠損等の損傷が生じると加工筋が残るなどの問題があるため、工具の切れ刃稜線の損傷を抑えることが重要である。そこで同社では、超硬合金の平面における超仕上げ加工をターゲットに『エポックシャイニングスクエア』(φ0.1~φ1)を商品化した。超硬合金の平面加工において耐摩耗性を向上させるために多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)を採用し、刃先強度を高めた工具形状とし、スクエアエンドミルでも安定して加工できる設計である。
特長は以下の通り。

(1)多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)
エポックシャイニングスクエアは工具材種に多結晶焼結ダイヤモンドを採用したことにより耐摩耗性に優れ、非常に高硬度である超硬合金においても長時間の仕上げ加工に対応可能なスクエアエンドミル。

(2)円弧形状の切れ刃
エポックシャイニングスクエアは円弧形状の切れ刃を有していることから刃の剛性が高く、耐欠損性に優れたスクエアエンドミル。従来品と比べて、加工形状精度を維持できる。

多刃エンドミル
エポックシャイニングスクエアは多刃を有しているため1刃の負担が軽減し、長寿命を実現した。

■用途■
超硬合金の平面の超仕上げ加工、隅部の加工。
■仕様■
φ0.1~φ1、スクエアエンドミル(全8アイテム)

価格は¥54,324~¥76,032(消費税込み)

ステンレス加工用エンドミルシリーズ『エポックSUSマルチ』アイテム拡大(ミディアム刃・ロングシャンクを追加)

141129日立3同社では、このほど部品加工をターゲットとしたステンレス加工用エンドミルシリーズ『エポックSUSマルチ』のアイテムを拡大した。このシリーズは部品加工分野のみならず金型分野において市場で高い評価を受けている。さらなるシリーズ拡大の要望もあり、その中でも特にご要望の多かったミディアム刃(レギュラー刃とロング刃の中間刃長)およびロングシャンクを追加発売するに至った。

『エポックSUSマルチ』は特殊刃先形状を採用し刃先強度、耐摩耗性を高め、欠損を防止することで長寿命加工が可能となる。また、傾斜切削やZ方向への加工にも対応できるため、ドリルの工程が削減でき、大幅な工程集約も可能となる。
特長は以下の通り。

①ステンレス材の加工に最適な刃先形状のため、安定した加工が可能である。
②不等分割刃型を採用しており、高切り込みにおいてもビビリ振動が抑制できる。
③高密着性と耐摩耗性を両立したパナシアコートの採用で長寿命な加工が可能である。
④2段ギャッシュ形状を採用しているため、傾斜切削などのZ方向への加工に対応する。
⑤ダブルエキセンの採用で、摩耗進行を抑制し、長寿命な安定加工が可能である。

■用途■
部品加工をメインとしたステンレス材の加工・超耐熱鋼などの難削材加工
■アイテム拡大品仕様■
スクエアタイプ ミディアム刃 :φ3~φ20(12アイテム)
スクエアタイプ ロングシャンク:φ3~φ17(13アイテム)

価格は、スクエアタイプ ミディアム刃が¥8,996~¥73,224、スクエアタイプ ロングシャンクが¥10,282~¥61,560で、いずれも消費税込み。

アマダがEuroBLECH 2014(ドイツ)でMM賞を受賞

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141129アマダ1アマダが10 月21 日(火)から25 日(土)までドイツ・ハノーバー市で開催された「EuroBLECH 2014 (第23 回国際板金加工見本市)」において、MM賞を受賞した。
今回受賞したマシンは、新商品のファイバーレーザマシン「ENSIS-3015AJ」。

MM賞はドイツで最も権威のある機械業界誌『Maschinen Markt(MM)』が先進性や革新的な製品に対して表彰するもので、毎回世界40 カ国以上から1,500 社を超える企業が参加するEuroBLECHの出展製品のなかから審査・選出される。

今回は18 社が受賞した。
「ENSIS-3015AJ」 は、これまで4kW発振器が必要だった厚板切断を2kW発振器で行うための高品質なビーム光を実現すると同時に、独自のビーム可変ユニットにより様々な厚さの材料の切断を可能にしたマシン。従来の4kW ファイバーレーザマシンでは、切断する材料の厚さに合わせてビームの形状を変更させるため、集光レンズを交換する作業が必要だったが、「ENSIS-3015AJ」では自動的にビーム形状の変更が可能となり、レンズ交換を必要としないフルレンジでの連続自動運転が可能となった。

141129アマダ2受賞したENSIS-3015AJさらに、搭載された発振器本体もバージョンアップしている。高出力・高品質なレーザ光を実現するとともに、約50%のサイズダウンに成功した。これによりマシン本体にモジュールとして発振器をビルトイン化し搭載することが可能になり、面積生産性を大幅に向上する。

ENSIS3015AJ の特長
1. 板金加工に特化した高いビーム品質を実現。
2. 加工領域拡大(2kWで軟鋼厚板まで加工が可能)。
3. レンズ交換なしでフルレンジの切断が可能(薄板~厚板までの連続自動運転を実現)。
4. 省エネ効果によるエネルギー効率の向上。
5. 新型NC(AMNC 3i)採用により、操作性を大幅に向上。

平成26年度超硬工具協会賞を発表! 超硬工具協会

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超硬工具協会(理事長=増田照彦氏)はこのほど、平成26年度超硬工具協会賞の受賞者を発表した。同賞は同協会創立30周年を記念して設けられた表彰制度に基づき、毎年実施されているもので、今回は通算37回目にあたる。

今年度の受賞者は業界功労賞2件、技術功績賞17件、環境活動賞8件。
表彰式は来年1月8日(木)、東京丸の内の銀行倶楽部で開催する同協会および日本工具工業会との合同新年賀詞交歓会会場で行われる予定。

業界功労賞(2名)

141129超硬a
〇大山 徹 氏(マコトロイ工業株式会社)
昭和18(1943)年1月31日生まれ

■功績の概要
氏は、平成3年6月に社長就任と同時に当会の理事就任。当会創立以来、先代の創業者同様理事会社として協会活動においてさまざまな面で活躍された。特に、理事会では年2回策定している超硬工具需要見通しについて、先行指標の分析、自動車、工作機械産業等主要需要先産業の動向などに基づいた提言を行い、バブル崩壊後の非常に厳しい環境下の見通し作成の根拠を示され、現在の確度の高い見通し策定の礎を築かれた。とともに、地区会員懇談会、分科委員会活動にも積極的に委員を派遣されるなど当会の基本理念である全員参加を実践された。

また、関西地区のリーダー的な存在で多くの企業経営者から慕われており、当会の関西地区会員懇談会、ソフトボール大会では常に話題の中心となっている。


141129超硬b
〇鴻野雄一郎 氏(株式会社アライドマテリアル)
昭和22(1947)年1月1日生まれ

■功績の概要
氏は、平成20年6月に資材担当副理事長就任。さらに、平成21年から資材担当常任理事として日本政府が進める循環型社会構築の一環として3Rシステム化可能性調査事業に取り組まれた。その集大成として『超硬合金のスクラップのリサイクル啓蒙・啓発パンフレット』を策定、JIMTOF2012を活用して、10,000部を見本市会場で配布するなどさらなるリサイクル活動の重要性を主導された。また、早くからコンプライアンスの重要性を理事会で提言され、関連業界に先駆けコンプライアンス規程策定の端緒となった。
また、平成23年から関東地区担当理事として講演会の企画や親睦行事に自ら参加されるなど協会の基本理念の一つである全員参加を体現された。

技術功労賞(17件)

(社名五十音順)①技術の特徴 ②新規性/独創性 ③協会に対する啓発度

高能率・高送りカッタ「MFH型」の開発

 滋賀野洲工場 石 寛久、山道 一輝、眞尾 将平

141129 1① 本開発品は高能率加工の実現と、多様化するユーザーニーズへの対応を目的とした高送りカッタである。高送りカッタは突き出しの長い加工で使用される場合が多く、耐ビビリ性能の向上が課題であった。MFH型では従来平面形状であったチップの切れ刃形状を3次元凸型切れ刃に改良することで、ワーク食いつき時の衝撃を抑制し、耐ビビリ性能を大幅に向上させた。また、従来の高送りカッタは切込み量の制限により、加工環境やワークの種類によっては使いづらい場合があった。MFH型では、3タイプのチップを同じホルダに装着可能とすることで、多様な加工の要求に対応している。

② 従来の高送りカッタは、チップが平面形状であるため、ワーク食いつき時の衝撃によってビビリが発生することがあった。MFH型の特長は、食いつき時の切削抵抗の急激な増大を抑制するため、3次元凸型切刃構成を採用し、大幅に耐ビビリ性能を向上させたことにある。また、MFH型では、コンセプトが異なる3タイプのチップを、同じホルダに装着可能としたことで、最大で縦切り込み5mmの加工や、仕上げ加工といった従来の高送りカッタでは対応できなかった加工領域をカバーしている。

③ ワーク食いつき時の衝撃を抑制する事で安定的に高能率加工が可能となり、ユーザーの生産性向上に貢献する事ができる。また、従来の高送りカッタとしての機能に加えて、切り込みが大きい領域から、仕上げ加工まで対応できるため、工具本数、非稼働時間の削減に貢献することができる。※環境調和製品認定済。

高能率マルチコーナラジアスカッタ 「MRW型」の開発 京セラ

滋賀野洲工場 出口 慎、山本 雅大/鹿児島川内工場  牧野 貴彦

141129 2① MRW型は難削材加工の生産性向上に貢献する高能率マルチコーナラジアスカッタである。近年、エネルギー産業を中心にステンレス鋼や超耐熱合金等の難削材の使用量が増加してきている。難削材のミリング加工においては、ラジアスカッタが使用されるケースが多いが、工具寿命の改善が課題であった。MRW型は「両面8コーナー仕様」、「ヘリカル切れ刃設計」および「切り込み量に応じた最適切れ刃設計」の採用により、従来のラジアスカッタの課題を解決し、難削材加工の生産性向上に貢献する。

② MRWの特長は、切り込み量の変化で、切りくず厚みが大きく変動するラジアスカッタの特性を考慮し、下記の(a)~(c)の構成によって、耐熱合金等、難削材の生産性向上、安定加工を実現したことにある。(a)すくい面、逃げ面の3次元的に変化させることで、切り込み量に応じた切刃形状の最適化を実現した (b)「両面8コーナ仕様」+「ヘリカル切れ刃設計」を採用することで、コストパフォーマンスと低抵抗を両立させた。(c)粗粒化、均粒化により、熱伝導性を向上させ、さらに添加材の抑制によって、硬質相と結合相間に生成される脆化相を抑制した、新開発の強靭性母材を採用した。

③ 低抵抗かつ刃先強度に優れたラジアスカッターの開発により、難削材の安定、長寿命加工および高能率加工を実現することで、エネルギー産業の生産性向上に貢献した。また、両面8コーナ仕様と拘束面配置を最適化したチップ形状により、環境負荷を低減し、ユーザのランニングコスト低減にも貢献した。※環境調和製品認定済。

革新的鋼旋削加工用材種GC4325の開発 サンドビック

コロマントカンパニー マーケティング部 プロダクトマーケティングSDC 一ノ瀬 裕介

141129 3① 近年、切削加工業界では、様々な技術革新が起こり、高速/高能率化による生産性追求の流れが高まってきている。そうした中で、ユーザーの更なるニーズに対応するため、超硬チップの新コーティング技術「Inveio™(インヴェイオ)テクノロジー」を開発した。この技術により、チップの耐摩耗性、耐熱性が大幅に向上し、驚異のチップ寿命・加工高速化を実現。また、低速-高速条件下、軽断続-連続加工での安定した寿命を得ることに成功した。

② GC4325は、Inveio™(インヴェイオ)テクノロジーを採用した鋼旋削加用新材種である。Inveio™(インヴェイオ)テクノロジーとは、コーティングアルミナ層の結晶成長方向を制御して成膜する最先端技術(特許申請済み)である。結晶の最も強い面をチップの切削部に揃えることにより、高い耐摩耗性を実現。また、結晶の方向と熱伝導率の関係を利用し、チップの切削部から熱を効率良く逃がすことで、耐熱性も向上させた。

③ まず第一に、加工の高い再現性を持つ材種であるため、無人運転が可能となり、また、再加工の必要性も低減できる。第二に、広範囲の適用領域があるため、工具在庫及び工具管理費の削減が可能となる。最後に、高切削条件下で長寿命なため、機械稼働率及び、生産性を向上することができる。

ハイレーキ正面フライスカッタ WGX型の開発 住友電工ハードメタル

デザイン開発部ミリング工具開発グループ 長見 佳成、北海道住電精密 技術部 田淵 裕章、北海道住電精密 技術部 岸 美里

141129 4① 本開発製品は切り込み角45°の正面フライス用カッタで、インサートの主切れ刃を傾けたことにより業界トップのハイレーキ設計となっており、高い切れ味(低切削抵抗)を実現している。そのため近年増加している小型のM/Cにおいても安定した加工が可能である。またさらい刃形状に直線刃と曲線刃を組み合わせた独自の設計を採用しており、非常に安定した加工面品位を得ることが出来る。また無研磨チップの寸法ばらつきを抑える高精度化技術と、各種被削材に対して長寿命化が可能な最新チップ材質のラインナップも特長である。

② 従来の直線さらい刃、円弧さらい刃ではなく、両者を複合させた独自開発のさらい刃形状を採用しており、これによりチップ取付け時の微小なばらつきの影響を受けにくくなり、安定して高品位の加工面を得ることができる。またバリ対策用チップもラインナップしており、コーナ部をチャンファ形状とし、さらにその形状を本カッタ諸元に合わせ最適化することで、工具離脱時にワークからバリを分断させることができ、バリレス化を実現している。

③ 業界トップレベルの優れた切れ味による高い汎用性により、一般的なM/Cはもちろん、近年普及しているBT30クラスの小型M/Cでも安定して使用できる。そのため従来以上に高能率での加工が可能となり、ユーザでの生産性、コスト削減に貢献している。また高精度なチップで刃振れを従来比1/2以下に抑制し、前記の特殊さらい刃形状、バリ対策チップと合わせて、高品位加工をユーザに提供可能である。環境調和製品2012年度認定(2012-018)

鋳鉄加工用ストロングマルチドリルHX型の開発 住友電工ハードメタル

デザイン開発部ラウンドツール開発グループ 佐藤 佳司、生産技術開発部生産技術グループ 栗塚 和昌、東海住電精密 技術部生産技術課 課長 山崎 孝之

141129 5① 本開発はトラック、建機、工作機械産業などの大型鋳物部品穴あけの高能率化を狙ったものである。新開発のシンニング形状、刃先処理、芯厚の最適化などにより、加工時のスラスト抵抗を大幅に低減させた。これにより、従来ドリルに対して2倍超の高送り加工を実現した。また、低抵抗化することで近年急増している小型マシニングセンタでも高能率加工を実現できる。

② 従来ストレート形状であったシンニングを円弧形状とすることで、中心部の切りくずポケットを拡大し、切削抵抗を大幅に低減させた。同時に外周の肉厚(バックメタル)確保も可能となり、高剛性化を同時に実現している。これにより穴精度向上が可能となり、かつ加工中の振動も約30%低減した。さらに、同シンニングを採用することで、ドリル先端からサブマージンの開始位置までの距離を短くすることができ、従来ドリルよりも加工開始後により早くガイド効果を発揮するため、一段の穴精度向上を実現している。

③ 本製品により鋳鉄の穴あけにおいて従来比2倍超の高能率(高送り)加工を実現している。さらに高送り化により同一加工長での擦過距離を軽減でき、工具寿命延長にも寄与している。本効果により、バス、トラック、建機産業を中心とした大型鋳物部品加工の加工コスト低減に大きく貢献しており、さらに消費電力量も低減でき環境面でも貢献が可能である。環境調和製品2014年度認定(2014-019)

難削材加工用ブレーカ EG/EF型の開発 住友電工ハードメタル


デザイン開発部ターニング工具開発グループ 松田 直樹、アプリケーション開発部 北海道ツールエンジニアリングセンター 天坂 陽星、北海道住電精密 市原 誠

141129 6① 近年、難削材の需要は航空機・エネルギー機器部品などの分野で大きく伸びており、難削材用工具に対しても工具寿命延長や切りくず処理のニーズが一層高まっている。このニーズに対応するべく、当社では難削材用の新チップブレーカラインナップとして、切りくず処理性改善はもちろんのこと、難削材加工特有の工具損傷の抑制を狙いとしたEG/EF型を開発した。EG型ブレーカは汎用~粗切削領域で異常損傷の抑制と優れた切りくず処理を特徴とし、EF型ブレーカは仕上げ~軽切削領域において従来ブレーカでは困難であった切りくず処理性を大幅に改善している。

② EG型ブレーカは、従来品と比べてすくい角を大きくし、かつすくい面上に複数設置している球状突起の位置を最適化することで、切りくずカールがすくい面内で生じるようにしている。これにより難削材の加工硬化した強固な切りくずがチップ稜線に接触して切刃外欠損が生じることを防ぎ、工具の長寿命化が可能である。EF型ブレーカは、従来品と比べて切れ味を重視したすくい角に設定し、刃先からブレーカ壁までの距離を短くすると共に、ブレーカ壁の角度を緩やかにすることで、切りくず詰まりを防ぎながらカール径を非常に小さくすことができ、特に切りくず処理が難しいTi合金の仕上げ加工に威力を発揮する。

③ EG/EF型ブレーカでは大きなすくい角を有する特殊すくい面形状により、Ti合金加工などで生じやすいクレータ摩耗の進展を抑制することが可能である。前述の切刃外欠損を含め、これら難削材特有の工具損傷を抑制し、耐熱合金・チタン合金などの長寿命加工を実現している。加えて優れた切りくず処理性により安定した加工が可能であり、多くの難削材加工ユーザーに貢献可能である。環境調和製品2014年度認定(2014-017)

旋削加工用高耐摩耗性サーメットT1000Aの開発 住友電工ハードメタル

合金開発部合金開発グループ 松田 一臣、合金開発部合金開発グループ主席 広瀬 和弘、北海道住電精密 技術部合金生産技術課主席 渡部 和広 

141129 7① 自動車や産業機械分野における加工の高能率・高精度化に伴い、被削材も多種多様となり、仕上げ工程においても汎用性の向上が求められている。特に、高硬度の被削材や鋳鉄、焼結合金などは単純な機械的摩耗だけでなく、被削材との凝着や反応摩耗などが複合し、工具の摩耗損傷がより進みやすい。同時に凝着はチッピングや加工面悪化の原因にもなることから、耐摩耗性/耐欠損性/加工面品位トータルの向上が必要である。このような背景の下、適用被削材の汎用性が高く、加工における寸法変化の小さい耐摩耗性に優れた新サーメット工具「T1000A」を開発した

② 一般的なサーメット工具は靱性と熱伝導率を向上させるためにタングステンを添加しているが、これにより被削材との凝着や反応が生じにくいというサーメットが持つ本来の特長が損なわれてしまう問題があった。本材種はタングステンを添加し靱性と熱伝導率を向上させながらも、最新の粉末・焼結技術によりタングステンを硬質相中に閉じ込めることで、被削材との凝着、反応を防ぎ、加工面品位の向上および高い耐反応摩耗性を実現させた。 加えてこの高靱性組織により耐欠損性を維持しながら高硬度化することが可能となり、同クラスの製品では最高レベルの硬度を持ち耐機械的摩耗性も向上している。

③ T1000Aは市場のニーズに対応すべく、鋼に加え鋳鉄や焼結合金の分野においても、耐摩耗性のみならず耐欠損性をも向上させた材種である。また高い耐反応性により加工面品位の向上も可能である。特に、溶着しやすい被削材や摩耗しやすい高硬度被削材に対して威力を発揮する製品であり、顧客における生産性の向上や工具コスト削減に貢献するものと確信している。環境調和製品2013年度認定(2013-002)

高硬度材加工用「フィニッシュ・ハードリーマ」の開発 ダイジェット工業

 技術部切削工具開発課 津曲 達也、技術部切削工具技術課 後藤 光利、技術部切削工具技術課 坂本 正和 

141129 8① 本開発は、金型加工及び部品加工業界向け高硬度材の穴仕上げ加工改善を狙ったものである。特徴としては高硬度材の穴仕上げリーマ加工における、切れ刃欠損、リーマ本体の折損、穴精度不良、短寿命等の問題点解決目的にて、各刃先諸元を最適化し、切れ刃欠損、本体折損を抑制し、且つ穴精度を向上させ、更に高硬度材加工に最適な新超硬材種を採用することにより長寿命化を実現したことにある。

② 上述問題点を解決するために、すくい角、逃げ角、マージン形状、芯厚、ねじれ角、バックテーパ、食付き角を最適化し、且つ切れ刃の刃立ち性、振れ精度の向上を図った。これらの改善により、切れ刃の欠損、本体折損を抑制することができ、高い穴精度と穴公差等級 IT7 が可能となった。更に、高硬度微粒子超硬合金母材と耐酸化性・耐欠損性に優れたPVD被膜を組み合わせた「JC6102」DHコートを採用することにより長寿命化を図った。長寿命化においては、特にマージン部分の摩耗進行を抑制することにより、再研削量を削減することが可能となり且つ止まり穴においては、下穴ドリルの穴深さを浅くすることも可能となった。

③ 再研削量の低減の点でユーザー及び社会に対してレアメタルなど資源の節約に貢献した。長寿命化及び高精度化により、ユーザーに対して工具費と人件費の低減で貢献した。

溝入れ加工用工具 EasyCut の開発 タンガロイ

切削工具開発部旋削工具開発グループ 佐々木 泰岳、生産技術部TAC製品技術部 坂内 由昌、名古屋工場製造2課 中林 洋介

141129 9① 従来の溝入れ工具のセルフクランプ方式は、弾性変形を利用した上顎と下顎でインサートを挟み込む機構の為クランプ剛性が低く、横送り加工ができない問題がある。一方ねじ止め方式では、インサート交換に時間がかかる問題がある。さらに深溝加工や端面溝入れ加工では、上顎が切りくず排出を阻害するという問題がある。そこで本開発では、横送り加工、クイックチェンジ、深溝加工を1本の工具で可能にすることを目的とし、ポケット形状を一体型にする新セルフクランプ方式を考案したことを特徴とする。

② 開発品は、ポケット側面に壁を設け、上顎と下顎を連結することにより、クランプ剛性を高め、横送り加工を実現した。また、ポケットをテーパ穴にすることで、クイックチェンジを実現した。さらに、インサートを斜めに挿入する仕様としたことにより、切りくずポケットを広くとることができた為、スムーズな切りくず排出を実現した。

③ EasyCutは、差し込み式の新セルフクランプ方式を採用することにより、クランプ剛性を高め、横送り加工や外径,端面深溝加工を可能にしたことから、1本の工具でのマルチ加工を可能とした。加工条件を制限せず、インサートのクイックチェンジを可能にしたことで、段取り時間を短縮し、御客様の生産性向上を実現している。

6コーナサイドカッタ TungSlot 「TSW / ASW 形」 の開発 タンガロイ

切削工具開発部転削工具開発グループ 小宮山 哲司、工具設計部いわき設計グループ 黒川 正寛、生産技術部TAC製品技術グループ 松本 修

141129 10① 高能率加工、工具費低減が業界を問わず求められている。最適化されたチップブレーカおよび切りくずポケットにより、どのような被削材においても優れた切りくず排出性を示し、深溝であっても高能率に加工することができるサイドカッタを開発した。また、高精度インサートの採用により溝底の段差を最小限にとどめ加工面品位を向上させた。加えて、両面仕様6コーナのインサートとすることにより、高負荷条件下での信頼性を向上させ、また、工具費を大きく低減させた。

② 多コーナ化実現のため、両面仕様インサートとする場合の問題点として、抵抗増加・切りくず排出性悪化などが考えられる。これに対し、FEAを用いてチップブレーカ形状・切りくずの形状・ポケットを最適化し、低抵抗で優れた切りくず排出性を実現できた。さらに、インサート厚みを十分確保することにより、両面仕様であっても、着座安定性とインサートの信頼性を向上させた。

③ コーナ数を増加させるだけでなくインサートサイズも小さくし、従来品(4コーナ)と比較して超硬使用量/コーナを約65%減少させた。低抵抗化と切りくず排出性の向上により、従来複数パスで加工していた溝も1度に加工することが可能となった。また、最適化されたポケットサイズにより多刃化に成功。本工具は、大幅なコスト低減と生産性向上に貢献することができる。

雄ネジ頭部の六角穴加工用工具『Shaper Duo』の開発 日本特殊陶業

営業部東日本営業課 服部 恭治、技術部製品設計課 中野 裕亮

141129 11① 本開発は、ネジ業界向けの雄ネジ頭部の穴加工の改善を狙ったものである。雄ネジ頭部の穴形状には、六角穴、四角穴、プラスドライバー穴、マイナスドライバー穴などの規格があるが、本製品は、Hex1.5~8までの六角穴に対応している。従来製品は、雄ネジの軸部をネジ切り加工した後、別工程にて頭部の穴加工を実施していたが、本製品は、小型自動旋盤にて軸部を加工した直後に頭部の穴加工を実施できるように改良した点に特徴がある。

② 従来、雄ネジ頭部の穴加工は、熱間鍛造やプレス加工、および、放電加工などが用いられる事が多かったが、いずれも軸部の加工後に一度自動盤から取り出して、別工程(別の加工機)にて実施しなければならない問題があった。本製品は、小型自動旋盤にて軸部の加工を実施した直後に工具を変更するだけで、雄ネジの頭部に六角穴を加工できるようにしたことに新規性がある。

③ 鍛造工程、プレス工程を切削工程に変更できるので、切削加工業界の市場を僅かながらでも拡大できる点において、協会員に対し新しい観点を提供した。また、ネジ業界での工数低減、コスト削減にも貢献した。

高硬度鋼小径深穴加工用工具の開発 日立ツール

野洲工場商品開発センター 吉岡尚吾、製造センター 佐藤亮介、技術本部ソリューションセンター 吉村彰

141129 12① 近年、金型の長寿命化に伴い被削材の高硬度化が進んでいるが、高硬度鋼を加工できる穴あけ工具は少ない。特に穴深さが工具直径の10倍を超える深穴を加工できる工具は少なく、実際の加工用途において満足頂けていないのが現状である。今回開発したエポックマイクロステップボーラーHは、50HRCを超える高硬度鋼に、工具直径の30倍までの深穴を加工できる工具であり、工具直径は0.1mmから2.0mmまでラインナップしている。

② 当社では小径深穴加工用工具としてエポックマイクロステップボーラーSを以前より発売しているが、50HRCを越える高硬度鋼の加工では、切削初期においてチッピングが発生し安定した加工が困難であった。そこで、本工具においては高硬度鋼の加工においてもチッピングせずに、安定して切り屑が排出できる独自の刃形形状を開発し採用した。

③ 高硬度鋼の加工においては従来は穴あけ加工を放電加工で行っており、段取り工数、加工時間が長い等の課題があった。今回開発した工具は、当社オリジナルの高硬度鋼用インサート工具、エンドミル、ねじ切り工具等と組み合わせて使うことで、全て切削加工にてブロック材から金型を製造可能とするものである。これにより金型製造期間の短縮へ大きく寄与できるものである。

ガイドパット付往復切削仕上げ工具の開発 富士精工

技術部開発課 岩堀 敦志

141129 13① 本製品は、ミッションケースなどのアルミ部品加工において粗工程と仕上工程を集約し、一発で加工できる「工具費の低減と加工時間の短縮」を実現させることを目的としたボーリングツールである。往復切削仕上げは、切削抵抗によるツールの変位を利用した往路加工を行なった後、ツールが原位置に戻り、変位分の微小取代を「引き切削」により仕上げる(復路加工)ことを特徴としている。その際、ツールのたわみ過ぎや振動を発生させ易いという問題点は、ガイドパットを付加する事で抑制している。

② 従来、粗工程と仕上工程で各1本のツールが必要であったが、一発加工の採用により本製品1本で仕上げ加工が可能となった。また復路の仕上げ加工は微小切削で低負荷である為、ワークの形状や各部剛性による加工精度への影響が少なく、高精度加工を可能にした。本製品はツール本数の削減や工具交換(ATC)時間の削減、製品精度の向上に寄与している。

③ 「工具費の低減」と「加工時間の短縮」は多くのユーザーにとって重要な取り組み案件であり、その両方を実現可能にする本製品には大きな期待がある。この加工対象を広げていくことでユーザーの生産性向上に大きく貢献できる可能性がある。

超硬ソリッドドリル MVE/MVS形 三菱マテリアル

岐阜製作所開発・設計部 山本 匡、田渕 貴仁

141129 14① 用途の広い汎用ドリルにおいて、より高能率/長寿命を図り、加工コストの低減を可能とする製品を、顧客に提供することを目的とする。従来の切れ味(低抵抗)を維持し、切刃強度/耐欠損性を更に向上させた切刃形状を有する。クーラント穴形状を略三角形とすることで、従来品(丸穴形状)と比し、工具剛性を損なわずに、クーラント量を増やすことができ、切屑排出性の向上、工具寿命の延長が図られる。コーティング膜は、耐酸化性および耐摩耗性に優れた(Al,Ti,Cr)N系の積層コーティングにより、従来の1.5倍の長寿命、特に炭素鋼における工具寿命の改善に優れている。

② コーティング膜において、組成を従来より多元素化することにより、耐酸化性および耐摩耗性を大幅に改善した。膜構成を多層化することで、且つ、積層数を最適化することで、膜内に生じる微細クラックの伝播を抑制し、工具寿命の改善(延長)を図ることができた。(超硬母材の、コーティング膜剥離に起因するチッピングを抑制する。)※従来は単層膜

③ 汎用ドリルでありながら、高能率・高精度な加工を実現し(加工時間の短縮、工程集約が図られ)、省資源・省エネルギーといった、地球環境保護に貢献している。

PVDミーリング材種「MP61/71/91シリーズ」の開発 三菱マテリアル

筑波製作所材料開発部 風見 大介、淺沼 英利

141129 15① 鋼、ステンレス鋼および耐熱合金・チタン合金の高能率ミーリング加工を目的とし、それぞれの被削材に対する損傷状態および損傷進展メカニズムを精査し、3種の被削材別専用新コーティングを開発した。これらと専用超硬母材とを組み合わせた鋼用材種「MP6120/6130」、ステンレス鋼用材種「MP7130/7140」、耐熱合金・チタン合金用材種「MP9120/9130」によってミーリング加工における大幅なインサートの長寿命化を実現させた。

② 新コーティングはベース層として高Al-(Al,Ti)Nを採用。これは従来と比較して高Al量でも高硬度相(立方晶)を維持することができ、さらなる高硬度化による耐摩耗性向上を実現した。また、各種被削材に要求される特性から最適膜種を選択し、ベース層との積層化により更なる高性能付与を実現。 これらの特性は積層化によるクラック進展の抑止効果と相俟って、長寿命化に大きく寄与している。※環境調和製品認定済 MP6120/6130(認定番号:2014-003)
  
③ 「MP61/71/91シリーズ」(計6材種)は被削材別に最適化された3種のコーティングと、耐摩耗性および耐欠損性に優れた専用母材との組合せにより、鋼、ステンレス鋼、耐熱・チタン合金いずれにおいても加工能率向上および工具寿命の延長を実現可能とした。これにより工作機械の稼働時間短縮、使用電力の削減、使用工具数の削減を実現し、ユーザーの環境負荷低減に寄与できる。

ヘッド交換式エンドミルiMXシリーズの開発 三菱マテリアル

明石製作所開発部 阿部 太郎、明石製作所開発部 畔上 貴行

141129 16① iMXシリーズは、ヘッド交換式エンドミル分野で、よりソリッドエンドミルに近い性能を狙った製品である。従来のヘッド交換式は、超硬ホルダのろう付け部に起因する剛性や強度の低下、ヘッド超硬ねじ部の破損といった問題があった。こうした問題を解決するためiMXシリーズは、「一体式超硬ホルダによる超硬ヘッドと超硬ホルダの2面拘束」および「超硬に特殊接合した鋼製ねじ」を採用した。

② 超硬の2面拘束を実現するには、テーパ面の接触圧力を確保したうえで、ホルダーの引張り応力を抑制しなければならない。一方ヤング率が高い超硬で実現させるには、テーパ面角度と外径公差が非常に狭くなり、超高精度な加工が必要となる。加えて、超硬穴に高硬度鋼製のねじを塑性変形を利用して接合させることで、低コストかつ安定した高強度の異材種接合を実現させた。  

③ 上記の新開発締結機構により、iMXエンドミルでは従来品よりもソリッドエンドミルに近い高精度、高能率加工が可能となり、航空機部品、金型加工などにおける精度改善、能率改善に貢献した。また、豊富なシリーズ展開により、ソリッドエンドミルからの置き換えがより広範囲で可能となり、工具費低減や環境負荷低減にも貢献した。環境調和製品認定:2013-020 

超硬加工用ダイヤコートエンドミルUDCBFの開発 ユニオンツール

EM工具開発課 課長 渡邉 英人、EM工具開発課係長 大崎 英樹、技術開発課係長 大堀 鉄太郎

141129 17① 当社は2012年に「超硬合金を切削できるダイヤコート(UDC)エンドミル」を開発した。今回の開発製品は'12年の製品に対して工具寿命と加工品位を大幅に向上させたものである。UDCシリーズの製品化によりダイス鋼やハイス鋼などと同じように超硬合金を直彫りできるようにはなったが、工具寿命や加工品位の面で必ずしも十分満足できるものではなかった。今回、'12年の製品に対して刃形状とダイヤコートを改良し寿命延長を達成した。さらに、刃先への特殊処理を付加することにより被削材エッジ部のコバ欠けを抑制しつつ均一な仕上げ面性状を得ることが可能となった。

② 従来のUDCシリーズは、超硬合金を数百μmの切込みで高能率かつ高精度に加工できる反面、一般的な鋼材向け工具と比較して工具寿命が短いという課題と、被削材にコバ欠けが生じたり仕上げ面性状が不均一になる場合があるなどの加工品位の課題があった。今回、刃形状とダイヤコートを改良し、耐摩耗性を高め、従来比で約3倍の工具寿命を達成した。また、独自に開発した刃先への特殊処理工法を用いて切れ刃をシャープにすることで、被削材のコバ欠けや仕上面性状の不均一性を抑制することができた。

③ 今回の工具寿命延長により,超硬合金の直彫りを工業的に現実的なものとした。また、刃先への特殊処理により被削材エッジ部のコバ欠けを抑制しつつ均一な仕上げ面が実現できた。これらの効果により、製法を放電加工から切削加工に置き換えることが可能となり、超硬合金金型の高精度化・低コスト化・短納期化が図れるとともに、超硬合金金型の適用分野拡大につながるものと期待している。また、放電加工に比べて被削材除去に必要なエネルギーを大幅に低減できるので、環境面(省エネ)でも効果がある。

環境活動賞(8件) 

(社名五十音順)①背景、問題点 ②活動の内容

空気圧縮機台数制御・監視システム導入による省エネ 京セラ

機械工具事業本部 鹿児島川内工場加工グループ

①・負荷の変動に合わせて、空気圧縮機の稼働台数を調整したいが、負荷の変動 が不明な為、予想最大負荷容量で稼働する必要があり、稼働台数の制御が出来ず、電気使用量増加の要因となっていた。
・ 設備の老朽化が進み、停止の危険度が高く、運転効率が悪化し、オーバーホールの必要もある状態であった。
②・1台のインバータ付空気圧縮機と3台の通常コンプレッサーで台数制御を行い、圧力と稼働台数の管理が出来るようにした。
・空気圧縮機の更新を行い、オーバーホール費用、メンテナンス費用の削減が出来た。

空調機更新と給排気ファン設置による環境負荷軽減 住友電工ハードメタル

生産技術開発部 設備・インフラ管理グループ

① マシニングセンタなどの加工機を多数設置している工場ではオイルクーラなどから排出さる熱(排熱:45℃超え)により、作業環境温度が夏季は30℃、冬季でも25℃を超えるため年中冷房が必要であった。また、空調機(1989年製)に使用されている冷媒ガスは環境負の大きいフロンR22であった。

② 当該エリアに設置されている3台の空調機を環境負荷の小さい冷媒ガス(R-410A)を使用する最新型空調機に更新した。また、排熱の溜まる天井付近の空気を排気し、外気温度と室内温度を比較して給気量の自動調節を行う給排気システムを設計、導入した。これにより、夏季以外は空調機を停止させることが可能となり、省エネを図ることができた。

夏場の電力使用のピークカットによる省エネ活動 ダイジェット工業

大阪事業所製造及び設備対策部門

① 電力需給の不安定なことから、電力使用量の削減とピ-ク時間(13:00~16:00)の電力費を押さえる必要があった。

②1.散水により外気温に対し屋根裏温度平均2℃低減。
2.屋外屋根に遮熱塗料を塗布することにより、外気温に対し屋根裏温度平均4℃低減。
上記を実施した工場室内のエアコンの設定温度を低減設定し、節電実施。
3.全焼結炉及びHIPの稼働時間調整により、ピ-ク時間のデマンド電力を削減。

コンプレッサのドレン油の回収方法改善による廃棄物削減活動 ダイジェット工業

富田林工場

①コンプレッサのドレン排水が、夏場冬場のピーク時には排水量が多く、廃棄手間が掛かり廃棄物量も多く、環境負荷削減からドレン水の削減の必要があった。

②当初ドレン水は、油と水が混ざっている為、リサイクルできず、産業廃棄物として処理していたが、ドレン回収装置を自作し、油と水を分離し、油分のみを産業廃棄物として提出し、廃棄物を削減した。

空調設備の省エネ(冷凍機電力、蒸気ボイラ灯油) タンガロイ

総務部

①当社のいわき工場のエネルギー(電力、灯油)消費量は、空調への負荷が増大する夏場が最も大きくなる。エネルギー消費を抑えるためには、夏場の空調を見直す必要があった。工場内は、品質維持のために、温度・湿度ともに管理されている。夏場は、温度調整に加えて除湿を要する。除湿時は、空調機内に取り込んだ空気を、結露する温度(露点温度)まで冷却することで、空気中の水分を除去している。このときの温度は、室温よりも十分に低い為に、空調機の吹き出しの空気温度(給気温度)を、再加熱することで調整しなければならない。この時に要するエネルギーは、他の季節と比較し非常に大きい。省エネのために、工場内の温湿度管理に影響を及ぼすことは、製品品質管理上選択できなかった。そこで、空調機側は変更せず、各々の熱源発生設備に対して、省エネに取り組むこととした。

②冷却するための冷熱源としてターボ冷凍機(電力消費設備)で作られた冷水を、加熱する為の温熱源として蒸気ボイラ(灯油消費設備)で作られた蒸気を、各々空調機に供給している。これらの熱源発生設備は、消費するエネルギーも、作り出すエネルギーも異なる設備であることから、同一の視点・手法での省エネは不可能であった。そこで、各々の設備に対して別々のチームを構成し、異なる2つのアプローチにより省エネに取り組むこととした。
 
[冷熱源(ターボ冷凍機の電力消費量削減)]   
冷水温度を上げる、冷水流量を最適化する、冷凍機同時稼働台数の抑制
[温熱源(蒸気ボイラーの灯油消費量削減)]    
燃焼温度(燃焼量)を下げる、複数台制御の最適化、蒸気圧力を下げる。

投影用光源のLED化による省エネ推進 富士精工

熊本工場生産技術課保全グループ

①工場内の省エネ対策として、照明装置は使用時以外は点灯しないようにし、点灯時間の短縮による消費電力の低減を進めてきたが、投影用の光源は機械稼働時には点灯させておく必要があり点灯時間の短縮が出来ずにいた。点灯時間以外で省エネを進めるとなると、光源自体の変更が考えられ市販品を検討したが、コストや性能の問題で導入を断念し自作するにした。

②投影用光源のハロゲン球の代用品としてLEDが使用出来ないか検討、テストを行い最終的に『高効率パワーLED』を使用した照明装置を作製し、消費電力量を低減させた。

超微粒原料粉末の乾燥方法最適化による電力使用量削減 冨士ダイス

郡山製造所冶金課および東日本生産技術部

①超微粒超硬合金の混合粉末は、酸化による劣化を防ぐ為、普通粒度の超硬合金の混合粉末より成形助剤を多くして乾燥していた。 結果として、超微粒超硬合金は、焼結での脱助剤時間が長くなり、焼結時間が普通粒度の合金より長くなっていた。また、普通粒度の超硬合金とは別で焼結する必要も生じ、焼結回数を増加させていた。これらにより電力使用量を多く使用する要因となっていた。

②超微粒超硬合金の混合粉末の乾燥の工程について細部を見直しして監視・測定を強化することにより、普通粒度の超硬合金に近い成形助剤量としても、酸化防止することに成功した。そして見直された原料による生産について冶金と生産技術が共に見直した。結果として、脱助剤時間を短縮したことで焼結時間が短縮され、普通粒度の超硬合金と同時に焼結することが可能となって単独での焼結をしなくてよくなり、生産効率を改善しつつ、電力使用量を削減することができた。

外気導入による空調設備の省エネ化 三菱マテリアル

筑波製作所設備技術グループ

①空調設備で使用されるエネルギーは、所内全体エネルギー使用量の約24%を占めている。生産職場における快適な作業環境や生産性を維持しながら省エネ化を進める為、空調設備に使用されるエネルギーの削減を検討した。

②筑波製作所では冷熱源機器として、3台の吸収式冷温水機(A重油が燃料)及び各所に設置されたエアーハンドリングユニット(AHU)を用いて空調を行っている。AHU用外気導入ダクトに温度検出器を設置し外気温を測定、冷房利用時に、外気温が室内設定温度以下となった場合、外気を積極的に取り込み室内の空調を行う。なお、外気を取り込んでいる時は、室内循環量及び冷水量を減らし、冷熱源機器への負荷を低減させることにより省エネ化を図る。一方、冷暖では逆動作とし暖房時には外気による冷房(上がり過ぎた室温を下げること)も可能となる。

碌々産業と由紀精密が共同開発 第一号機を初披露

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141129共同会見1碌々産業 海藤社長(右) 由紀精密 大坪社長(左)碌々産業(本社:東京都港区、社長=海藤 満氏)と由紀精密(本社:神奈川県茅ヶ崎市、社長=大坪正人氏)が共同開発したデスクトップ型の超小型高精度CNC工作機械の開発、「JIMTOF2014」で第一号機の初披露をした。

両社は昨年9月にデスクトップ微細加工機ブランド「VISAI」の立ち上げとマシンを開発することに合意し、お互いのノウハウを結集して開発を進めてきた。「VISAI」は“微細で最小限”という価値観を実現するため、両者のエンジニア、デザイナーのチャレンジによって誕生したブランドである。想定しているターゲットは、機械式精密高級時計の部品を加工する職人、航空宇宙機器向け精密部品の開発にいそしむエンジニア、そしてこれまで設備規模の問題もあり高精度マシンの導入が難しかった一般趣向分野への展開も視野に入れている。

数ミリサイズの製品をつくるためのマシンが大きいことに疑問

141129共同会見2コンパクトでありながら剛性も高い開発に至った背景だが、超精密部品を加工している由紀精密が、数ミリサイズの製品を作るためのマシンが大きいことに疑問を持ったことがきっかけだったという。由紀精密の大坪社長は、「コンパクトで省エネ、数値制御による複雑な形状加工もできる“美しい工作機械”が欲しかった。①小さく、②高精度、③CNC、④満足感の得られる美しさの4要素が揃ったマシンは世の中にはないと分かり、企画した」と話す。

そこで大坪社長が目を付けたのが、名機「MEGA」をはじめとした高精度微細加工分野を対象とした微細加工機の製造を手がける碌々産業だ。「小さなパーツは小さな加工機で作りたいという強い思いがあり、声をかけた」とのことで、由紀精密が2006年に導入した碌々産業のマシニングセンタは、「競争力の源」と大坪社長も絶賛している。

ところが――。剛性を考えると、どうしてもマシンが重くなる。碌々産業の海藤社長は開発時の苦労について、「長年培った微細加工機のノウハウをもとに、碌々の微細加工機を極限まで小さくすることは工作機械を知り尽くした私たちにとっても大変困難なものだった」と振り返る。

「もちろん難しい課題だったがイノベーションを生む可能性を秘めたやりがいのある挑戦だった。新しく誕生した「VISAI」は、まさに美しさも兼ね備え、“機械を操る悦び”と“モノをつくる悦び”に加え、“機械を所有する悦び”を与えてくれるマシンになった」(海藤社長)

141129合同会見3高さ300mm×幅800mm×奥行き560mm、機械質量は40kg、制御装置質量(制御盤、操作盤、モニター)も40kg。総質量は80kgにしかならないこの卓上マシンだが、省エネであることも注目したい。なんと、このマシン、家庭用の電気で動くのだ。剛性が気になるところだが、リブで補強し剛性を保っているという。こうした技術を盛り込みながら、今回、デスクトップでミクロン単位の加工精度を実現していた。

画期的だ、と感じたのは、一般趣向分野への展開も視野に入れていたことだ。
流通しているものを調達するより、部品などを自分でつくり組み立てていく悦びを感じる人々が確実に存在する。そういったマニアックな方達の欲求を満たす工作機械をつくったことの根底には斬新な発想があった。大人の遊び心をもくすぐる「VISAI」ブランドの展開が非常に楽しみである。

Seco Tools AB社社長ラース・ベルグストローム氏が会見を開く

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141129 セコ1Seco Tool AB社社長ラース・ベルグストローム氏、セコ・ツールズ・ジャパン(社長=松田剛一氏)の親会社であるSeco Tools AB副社長アジア地域担当アンドレアス・フリッツ氏、Seco tools(Thailand)Co.,Ltd)による会見が、11月3日に開催された。

同社はこれまで長い間、スウェーデン本社が多額の資金を投資し研究開発を行ってきた。セコ・ツールズ・グループは、世界50カ国で約5,000人の従業員が、3つの共通した企業精神を基に、国境の垣根を越えたビジネスを展開している。

ラース社長は、「近年、注目されている航空機、発電、自動車産業における切削加工は史上の被削材の変化や形状の複雑化により多くの課題に直面している。私どもは日本市場をこられの産業を牽引する重要市場として位置付けている」と話す。

お客様の生産性向上に貢献

この業界の世界的なマーケットの状況については、ラース社長は、「2014年の第三四半期までは、世界的に市場全体に大きな変化はなく、微増程度に留まっている。ただ、地域や顧客ごとにかなり大きな違いが出ているという状況だといえるだろう。アジア市場については、昨年中国が弱くなってきた一方、日本、東南アジア、インドが伸びており、アジア全体では伸びているという状況だ」とした。その原動力については、「自動車産業、航空宇宙産業」を指した。

現在、非常に好調なアメリカ市場については、「ここ1~2年、アメリカ経済が伸びてきているが、南アメリカは残念ながら不景気の状況に近くなってきており、弱い状況が続いている。一方、ヨーロッパもほぼ横ばい。例外は航空宇宙産業で、エアバスインダストリー、ロールス・ロイスを中心にかなりの活況を呈している」と航空宇宙産業が好調であることを説明した。

切削工具業界を取り巻く世界的な傾向については「デジタル化の流れ」を挙げた。「デジタル化的なソリューションで常に話題が繋がっている」とし、「非常に重要なことである」と述べた。

同社では、過去5年間で、グローバルな世界中の情報量が7倍も大きくなっていることに注目している。

「一人一人がデジタルソリューションで情報を入手する時代を受け、セコ・ツールズもクラウドを使うことによって様々な情報にアクセスすることができる“マイページ”の充実を図るべく、多くの投資を行っている。この“マイページ”は、例えばセールスの情報を社内で検索をしたり、外部のお客様に様々な情報を入手していただくクラウドベースのソリューション。約4年前からわたくしどもが投資を始めてきたものである。現在、様々な国で所得が増え、工業化が進んでいくと考えられる。具体的には東南アジアが引き続き成長し、特に中国、インド、それからいくつかのアフリカ諸国も成長の輪に入っていくと思っている」(ラース社長)

141129 セコ2アンドレアス・フリッツ副社長アジア地域を担当するアンドレアス・フリッツ副社長がアジアの状況について話した。

その中でアンドレアス副社長は、「日本の工作機械業界をみると、日本には大手工作機械メーカーがある。わたしどもの切削工具の技術にとっては非常に重要な存在である。先方が工作機械をつくって、われわれが切削工具を提供する、そういう関係になっている。日本のマーケットは、われわれにとって製品を販売するマーケットということだけではなく、工作機械メーカーと一緒に仕事をする上では非常に重要市場にもなると考えている。また、開発の状況がどうなっているのかということを知らなければならない。つまり、製造業における最先端の技術の進捗状況がどうなっているのか、とわれわれは常に知っておかなければなりません。わたしたちにとって日本のマーケットは戦略的にも非常に重要な位置付けにある」と述べている。

“セコ・ファミリー・スピリット”で洗練されたツールを提供

141129 セコツールズ3GL接続のあるSTEADYLINE(ステディライン)旋削およびボーリングバー今回の「JIMTOF2014」で注目された同社の「ステディライン」。“バイブレーションダンピング”という、振動を軽減することに特長を持つ工具だ。同社では、航空宇宙産業分野に関して優れた結果を出している。

今後も素材がますます難しいものになると予測している同社だが、ラース社長は、「ツール自体も非常に洗練されていくので、技術系の社員のスキルをさらに高めなければならない。そのためにはまず職場としての環境や考え方、精神が非常に重要であると考えており、われわれの“ファミリースピリット”という家族的な考え方に表れている。これは会社の中だけでなく、お客様も含めたファミリーの一員であり、われわれはファミリーとして問題を解決していくんだ、という意味である」と、細かい気配りを見せた。

同社の強みは国際的な企業であることが挙げられる。例えば、「アメリカ、イギリスの航空宇宙業界の状況はどうか」という問合せを聞けば、すぐさまアメリカ、イギリスに連絡を取り、情報を入手して顧客にアドバイスができる状況にあり、こうした情報を共有することも「セコ・ファミリーの一部として行っている」としている。

「日本の工作機械は全世界に必要とされているので、今後も工作機械メーカー各社様とはより緊密に仕事をしていきたい」(ラース社長)

同社では、日本国内で1年に2回、様々な地域で「セコニュースイベント」を開催している。これは、企業規模の垣根を越えて、加工現場で活躍している方々に新製品を含めた最新の情報を提供することを狙いとしており、いち早く切削工具のトレンドに敏感な方達の注目イベントの一つである。


OKK会が国際パーティを開催 国内海外会員の懇親を深める

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去る10月31日、TFTビル(東京都江東区有明)で、JIMTOF2014の開催に合わせて「OKK会国際パーティ」が開催された。

OKK会を代表して千葉靖雄 OKK会 141129OKK1千葉OKK会 会長(兼松KGK社長)会長(兼松KGK社長)が、日頃の感謝を述べたあと、「今回のJIMTOFのテーマは、“ものづくりDNAを未来へ、世界へ”。一方、OKK様のテーマは“伝統と革新で未来にすすむOKK”とある。今年8月に完成した新M工場も未来へ向けたものづくり工場と位置付けられている。未来は現在における期待、ということ。各企業は未来に向かって希望や期待を持てるような世の中の状況、環境になっていると前向きに解釈している。2010年のJIMTOFのテーマは“ものづくり 未来をつくる夢づくり”だった。2010年はリーマンショックから立ち直り、一刻も早く回復したいという思いが夢という言葉に託されていたような気がする。今年は夢ではなく、ハッキリと未来を見据えた意気込みを感じる。M工場の完成は、次のステージへ向け、生産能力の拡大と合わせて生産効率を高め、国内の生産基盤の充実を図ってお客様の要望に応えるものづくりを行っていくという強い意気込みの表れだと理解している。OKK様は来年の10月に創業100周年を迎え、2015年は大変喜ばしい年になる。この1世紀の伝統の上で革新を重ね次の100年のステージに向け進むOKKと理解している」とあいさつをした。

141129OKK2井関 大阪機工社長続いて大阪機工 井関博文社長があいさつをした。
この中で井関社長は業績について、「最近の世界情勢については欧州のデフレ懸念、銀行の自己資本問題、中国の経済減速の問題等様々な問題があるが、好調なアメリカが牽引する形で世界経済全体としては緩やかに成長軌道にあると感じている。国内に関してはアベノミクス効果、株高、円安等を含み、徐々に実体経済にも広がりを見せており、景気回復の動きがあると理解している。こうした中、工作機械の売上げは、12カ月(9月現在)では、前年比を上回る高水準で受注が推移した。4月から9月は前年度と比較して国内約20%、海外約49%、合わせると30数%伸びている。国内では設備投資を支援する政府の政策効果もあり幅広い産業で受注が拡大したと感じている。また、海外においてもほぼ全地域で前年度を上回った。米国においては、先月IMTSが開催されたが、自動車産業を中心に月間で1000万ドルを超える受注を獲得することができた。下期に向けては良い材料が積み上がっている。来年創業100周年を迎えるが、これを節目に今後さらに持続的な成長を続けていくという目的を達成するために、昨年4月に中期経営計画を策定した」と意気込みを示した。

次の100年に向けて

井関社長が説明した中期経営計画は、全ての事業基盤の強化・拡充を図る目的を持ち、以下の5つの柱によって成り立っている。

(1)生産基盤の拡充
・生産能力の増強
・生産効率の向上

(2)営業基盤の拡充
・取引基盤の拡充
・ソリューションビジネスの拡充
・サービスの拡充

(3)収益構造の変革
・製造原価の徹底した低減
・品質の安定

(4)技術の革新
・製品競争力、付加価値の向上
・基幹技術の向上
・品質の向上

(5)人材育成
・グローバル人材の育成
・幹部候補生育成プログラム
・技術・技能継承の現場教育の充実

同社の前年度の売上高(2014年3月期)は220億5000万円、経常利益は7億7000万円、最終利益は5億1000万円となった。

井関社長は懇親会の中で、「今の回復基調は続いて欲しいに尽きる。OKKはしっかりバリバリ削れて長持ちする機械というイメージがあるが、この路線を維持していきたい。現在、横形は相当な需要があり、皆様のご期待に応えるようしっかりやっていく」とコメントした。

【トップインタビュー】様々な産業を根底で支える北川鉄工所 北川祐治社長に聞く ~世界に通用する品質を目指して~ 

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広島県府中市に本社を置く北川鉄工所(社長=北川祐治氏)は、生型鋳造・ロストワックス精密鋳造・エバフォーム鋳造・MIM焼結品及び鋳物素材をベースとした自動車部品や各種機械部品向けの機械加工品および組立完成品などを手がける「金属素形材事業」、コンクリートプラントやビル建設用タワークレーン、環境機器、自走式立体駐車場などの「産業機械事業」、旋盤用チャックやNC円テーブルなどの「工機事業」の3つの事業から成り立つ。中でも、旋盤用チャック装置やNC円テーブルなどの工作機械器具分野では世界的ブランドとしての地位を確立し、標準チャックは国内シェア60%を誇る。

同社ではタイ、中国、に続いて、昨年は北米・中南米の自動車市場の拡大に対してメキシコに海外生産拠点を設置した。メキシコは鋳造加工の一貫納入を開始し、生産品目は自動車関連部品、生産量は月産500トンとしている。この鋳造工場は福山工場同様に環境に配慮した自動化ラインであり、加工工場は自社の工作周辺機器を用いて複数の工程を1台のマシンに集約させ、難易度が高くかつ高精度な切削加工が実現し、効率よく生産することを可能にしている。

海外事業を軌道に乗せるとともに、さらなる品質の向上と人材育成に注力している北川社長にお話を伺った。

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タンガロイが転削加工用PVD材種「AH3135」を拡充

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141215タンガロイタンガロイ(社長=木下 聡氏)は、転削加工用PVD材種「AH3135」を拡充し、このほど発売を開始した。

転削加工用PVD材種『AH3135』は、鋼・ステンレス鋼・チタン合金など様々な被削材に対応可能な材種である。すでに発売しているTungTri・DoPentに加え、新たにDoOcto・DoQuadおよびTungMillで拡充する。

「AH3135」は、工具の異常損傷が発生しやすい状況において、安定した長寿命加工を実現する。新被膜には特殊積層構造を採用し、加工中の衝撃による刃先チッピング損傷および欠損を抑制する。耐熱衝撃性に優れる高靱性母材の採用により、湿式加工などで発生するサーマルクラック損傷を抑制し、安定加工が可能である。

「AH3135」と高能率・高経済性のカッタを組み合わせることにより、あらゆる加工における信頼性が飛躍的に改善し、生産性向上に大きく貢献する。
主な特長は以下の通り。

●あらゆる被削材(鋼・ステンレス鋼・チタン合金)に対応可能。
●特殊積層構造により、優れた耐チッピング性と耐欠損性を実現。
●高靱性母材を採用し、優れた耐サーマルクラック性を実現。
●異常損傷を抑制し、安定した長寿命加工を実現。

主な形番と標準価格
●インサート:
・ONMU0705ANPN-MJAH3135 1,700円(税込み1,836円)
・ONMU0705ANPN-MLAH3135 1,700円(税込み1,836円)
・SNMU1706ANPR-MJAH3135 2,000円(税込み2,160円)
・SNMU1706ANTR-MLAH3135 2,000円(税込み2,160円)
・SWMT13T3AFPR-MJAH3135  960円(税込み1,037円)
・SWMT13T3AFPR-MSAH3135  960円(税込み1,037円)
全アイテム:6形番

セコ・ツールズが続々と新製品を発売!

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スウェーデンのファーガスタに本社を構えるセコ・ツールズが続々と新製品を発表している。同社では革新的な金属切削ソリューションを開発し、顧客と密接に連携してそのニーズを的確に把握して対応することで、世界的に高い評価を獲得している。

新世代のモジュラー式リーマシステムを発売

141215セコツールズ1最新の 「Precimaster™ Plus (プリシマスタープラス) 」は Precimaster 従来機の性能を受け継ぎながら、高精度接続、使い捨て超硬ソリッドヘッドが採用され、止まり穴および貫通穴のいずれの用途にも共通のホルダを使用できる。これらの改善により、リーマ加工の速度、安定性および汎用性が大幅に向上し、従来よりも高い精度とコスト効果で穴加工が可能になったほか、サイズ公差を 15 ~ 25ミクロン、仕上げ面精度を Ra.4 ~ Ra.8 に維持する。 特許取得の接続をシステムに採用したことにより、すばやく、簡単にヘッドの交換ができるとともに、再配置の繰り返し精度が高まり、振れを 3ミクロン未満に抑える。

この接続は、特殊な 3 本の垂直なドライブピン設計により、伝達可能な駆動トルクを高いレベルで容易に処理ができ、内部の軸方向クランプ力は、ヘッドを上方向のシステムシャンク内に引き寄せ、強力で安定した接触面を実現する。

「Precimaster Plus (プレシマスタープラス)」 には直径 10 ~ 60 mm の使い捨て超硬ソリッドヘッドが採用されており、4 種類の標準シャンクサイズに取り付けができる。シャンク長さは、逃げを制限される場合があるのでショート、ミディアム、ロングがオプションとして選ぶことができる。また一般的な穴深さは、それぞれ 最大 10 x Dで用意している。従来のろう付けチップ技術比で、超硬ソリッドヘッドは同じヘッド径でより多くのコーナ数を使用でき、送り速度が最大 30%改善される。また、超硬ソリッドヘッドの採用で工具寿命が最大 30%延長され、高靱な被削材に対する安定性も高まり、システムの費用効果が向上した。

切り屑処理と管理の面では、異なるタイプの噴射が「Precimaster Plus (プリシマスタープラス) リーマシャンク」に適用でき、貫通穴加工と止まり穴加工のどちらにも対応する。工具ボディ前面のクーラント流出口は、ヘッド部フルートに沿って切り屑を形成して止まり穴から排出する。また、標準的なクーラントスルー搭載工具は、切り屑を前方向に噴出し、工具から遠ざけることで、貫通穴のリーマ加工を効率化する。

「Precimaster Plus (プリシマスタープラス)」 は 3種類の リード形状が特長で、汎用、高度な送りおよび細かな仕上げに対応する。リーマヘッド材種は、超硬コーティング、超硬ノンコーティング、コーティングサーメット、ノンコーティングサーメットなど 5 種類が用意されており、あらゆる被削材で最適の性能を発揮する。

Minimaster Plus チップ交換式フライス加工システムに新しいクーラントスルー形高送りヘッドを追加! 汎用性を改善

141215セコツールズ2同社が航空宇宙、発電、金型、自動車、医療業界の一般的な加工用途向けに開発した「Minimaster Plus」 は鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、アルミおよびその他の加工の難しい被削材でも容易に切削が可能。このシステムを使えば、工具長さの再測定は不要になる。

システムの最大の特長の ひとつに、交換式超硬チップと鋼シャンク間の高精度な接触面がある。チップには内側にねじ切り、外側にテーパがあり、シャンクには内側にテーパ、中央にねじ式センターピンが付いているため、信頼性と安定性が向上するばかりではなく、径振れも約 10 ミクロンに抑えられる。

このほか、シャンクの軸方向のストッパにより、繰り返し精度と生産性が改善され、加工機械のスピンドルから工具を取り外さなくても済むため、エンドユーザは簡単にチップを交換できる。さらに新しいチップは 25 ミクロン以内で軸方向に再配置される。交換式チップの採用により、再研磨が不要となり、コスト削減に貢献する。

システムには長さ 55 ~ 249mm のシャンクを 24 種類取り揃えている。チップには 2 つの材種があり、あらゆる被削材と E 種および M 種ジオメトリに対応しているため、スムーズな切削が可能。オプションのチップには径 10mm、 12mm、16mm があり、コーナ半径は 0.4 ~ 3.1mm があるため、さまざまな設計要件に対応する。さらに、スクエアショルダおよびボールノーズチップには 3 フルート設計のクーラントスルーが採用されている。

「EPB® 5867」で穴タップ加工量とねじ品質が向上

141215セコツールズ3このほど「EPB 5867 タップ加工チャック」を発売したことで、セコ・ツールズの高品質ツールシステムのラインナップが全て揃ったことになる。このチャックには、同期機を使った安全なタップ加工を可能にする、全く新しいマイクロ補正メカニズムが採用されている。このメカニズムに備えられた軸方向の +/-0.5mm の微細な曲げが主軸回転、送り速度、タップピッチの微細な偏差を補正することで、タップの応力を排除し、破損を防ぐ。その結果、高品質のねじを制作できるようになり、特に止まり穴のタップ加工の品質が大きく向上した。

「EPB 5867」では、タップに直接伝わる軸方向応力を吸収するため、従来の補正なしのタップ加工チャックよりも穴タップ加工量が大幅に増え、工具寿命も延びた。また、どんな被削材に対しても同様の性能を発揮するので、あらゆる産業分野のユーザーにも幅広い用途で利用できる。

「EPB 5867」はHSK-A、DIN-AD、BT-AD、Seco-Capto™の主軸接触面に加え、多くのツールホルダに取り付けができるウェルドン/ホイッスルノッチシャンクやストレートシャンクにも対応する。タップサイズの範囲は、スクエアドライブ付きER11、ER20、ER25、ER40タップ加工コレットの使用時で M2 ~ M30。また、コレットのクランプナットがシーリングリングを固定するので、クーラントが流路に沿ってタップ内を流動する。

「EPB 5867」の他に、セコ・ツールズには軸方向送り補正が可能な非同期機用クイックチェンジタップ加工チャック、「EPB 5283」もあります。「EPB 5260 早替えタップ加工チャック」と 「EPB 5865 ER タップ加工チャック」は、同期機でしかできない固定同期タップ加工用に用意している。

アマダがインドにバンガロールテクニカルセンターをオープン ~新社屋とテクニカルセンターで提案力・営業体制強化を狙う~

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141214アマダインド1

アマダがこのほど、インドの現地法人AMADA (INDIA) PVT. LTD. (以下アマダインド)の社屋ならびにテクニカルセンターをインド南部のバンガロールに新たに竣工し、オープンした。

オープン当日には、在インド日本国大使館 八木毅大使ならびにインド全土から顧客を招待した式典を行った。テクニカルセンターは、同社が世界各地において展開しているビジネスモデルであり、最新のマシンやソフトウエア、金型等を実際に使用し、ユーザーの課題を解決するソリューション提案を積極的に行っていく拠点である。バンガロールテクニカルセンターは、テクニカルセンター機能に加えてボケーショナルセンター機能も有し、ユーザーにマシンとソフトウエアの操作や加工技術を習得する場となる。

■AMADA (INDIA) PVT. LTD. 概要
資本金 : 87,210 千ルピー(2013.12.31 現在)
従業員 : 140 名(2013.12.31 現在)
売上高 : 547,306 千ルピー(2013.1.1~12.31)
敷地面積 : 32,374 ㎡
社屋延べ床面積 : 6,117 ㎡
投資額 : 1,309,800 千ルピー
主要展示設備 : テクニカルセンター 1,800 ㎡

■テクニカルセンター展示マシン
1.グローバルスタンダードファイバーレーザマシン LCG-3015AJ
2.グローバルスタンダードCO2レーザマシン LCG-3015
3.平板&パイプ・形鋼両用のオールラウンドレーザマシン FO-MⅡ RI 3015
4.ACサーボ・シングルドライブNCT AE-2510NT+MP2512C1
5.ハイブリッド・ドライブシステム搭載 高精度ベンディングマシン HDS-1303NT
6.ベンディングマシン HS-2204
7.ベンディングマシン ES-3613
8.ベンディングマシン RG-M2 1003
9.テーブル式インバータースポット溶接機 TSⅢ-NT

■ボケーショナルセンターマシン
1.フライングオプティクスレーザマシン FO-MⅡ 3015NT
2.ACサーボ・シングルドライブNCT AE-255NT
3.ハイブリッド・ドライブシステム搭載 高精度ベンディングマシン HDS-8025NT


オープン初日のテープカット
141215アマダインド2

アマダとインドとの繋がり

141215アマダインド3バンガロールテクニカルセンター内アマダとインドの顧客との繋がりは、1984 年に「LARSEN & TOUBRO社」と「BLUE STAR 社」それぞれに、当時の最新鋭パンチングマシン VELAII を導入した事にさかのぼる。また同社は早くからインドの成長性に注目し、1996 年にインド事業を正式に開始している。1996 年にチェンナイにソフト開発拠点としてアマダソフトインド社を設立。現在は同社のソフト・ソリューションの中核を担い、ソフト商品の約80%をインドで開発している。

2000 年4月には、100%出資現地法人として、直販・直サービス体制のアマダインド社をムンバイに設立した。現在では、今回新たに設立したバンガロールテクニカルセンターの他に、インド全国に8カ所のサービスセンターを展開しており、アマダインド社140 名、アマダソフトインド社100 名、アマダミヤチインド社10 名の総勢250 名の体制で、成長著しいインドビジネスに取り組んでいる。

また2008 年にはインド工科大学マドラス校に、2012 年にはインド情報工科大学ジャバルプール校に数値制御レーザ、パンチングマシン、ベンディングマシン、ソフトウエア一式を、将来期待されているインドの若者達へ教材として提供している。

アマダインドでは、今回の機能強化によりさらにきめ細やかな提案営業が可能となった。
ニーズに対応した最新のトータルソリューションを提供することにより、ユーザーのモノづくり、ひいてはインド製造業のさらなる発展に貢献していくとしている。

ジーベックテクノロジーが「バリ取りホットライン」を開設

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バリ取り・研磨の自動化・効率化を提案するジーベックテクノロジーが、新たに「バリ取りホットライン」を開設した。これはSkypeを利用したバリ取りホットライン。画面を見ながらの相談で、電話だけでは伝えづらい内容もわかりやすく案内することが狙い。

■開設概要
アカウント名:【xebec-baritori】
表示名:【バリ取り相談 XEBEC】
開設日時:毎週月・火・金曜日 13:00~17:00
※祝日や年末年始、夏季休業その他当社が定める休業日等は除く。
※問合せは03-3239-3481まで。予約も受け付けている。

同社では、「今後ともお客様のバリ取りや研磨等における問題解決に全力を傾けてまいります。仕上げ加工でお困りのお客様は、是非当社までお問い合わせいただけますようお願い申し上げます」とコメントしており、テストツールの貸し出しを含め、バリ取り改善方法を提案している。
                     

ユキワ精工がφ4以下の小径把握用コレットホルダ「スマートチャック」を発売

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141215ユキワ精工1ユキワ精工(社長=酒巻和男氏)が、このほどツーリングシステム”φ4以下の小径把握用コレットホルダ”スマートチャックを発売した。

ツーリングシステムは、切削工具と機械主軸をつなぐアダプターの役割を果たし、機械加工における精度を引き出すために重要な役割を果たす。近年では、部品の小型化、集約化により部品加工する工作機械が年々小型化しており、5軸加工などではワークとの干渉を避けるため、ツーリングにはスリム設計が要求されている。

同社は開発の背景について、「ユーザー様の中には、ワークへの接近性を求めつつ、高精度加工に取り組まれる方が多く、こういったニーズを受け、“φ4mm以下の小径把握ホルダ”スマートチャックを開発するに至った」とコメントしている。

φ4以下の小径把握用コレットホルダ スマートチャックの特長

141215ユキワ精工2ストレートシャンク使用例1.高接近性。
ロックナット外径がφ12と小さく、ワークや治具への接近性が良好。

2.工具の刃持ちが良くなる。
スーパーG1チャックと同様に総合芯振れ精度5μm保証しているので、加工時の工具への負担が大幅に軽減し、工具寿命が延びる。

3.工具が抜けない。
コレットは1/10テーパとダブルテーパ方式を採用することにより高把握力を実現している。一般的な16°テーパコレットに対し1.5倍~2倍の把握力がある。

4.豊富なラインナップ。
シャンク形状は15T、S20T、BBT30、HSK-E25、HSK-E32、ストレートシャンクの計6種類。様々な機械で使用できる。

141215ユキワ精工図


第8回環境大賞は三菱マテリアル 明石製作所が受賞 日本工具工業会

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141215環境大賞

日本工具工業会(理事長=堀 功氏)が、11月28日、高輪和彊館で「第8回環境賞表彰式」を開催した。

この賞は自主行動計画に基づいて、温暖化対策エネルギー起源二酸化炭素を2004年度に基準年として、絶対量及び生産高原単位を削減する改善活動と、廃棄物の総量削減及びリサイクル率向上活動の両面から2013年度(2013年4月~42014年3月)の環境調査結果を厳正に評価したものである。

1.環境大賞
●三菱マテリアル 明石製作所

高レベルの環境マネジメントのもと地球温暖化防止、廃棄物削減の各環境活動に積極的に取り組まれた。現状の生産拡大の局面にあっても改善実績を着実に積み重ね、今回の環境調査で総合評価第1位の実績。活動の中でも廃棄物削減に注力し、廃砥石の再資源化の徹底に加え、鉱さいの処理にも目処をつけた結果再資源化率は99.9%となりゼロエミッションを達成している。これらの環境管理活動は他者の規範となるものである。

2.環境栄誉賞
●オーエスジー

完成度の高い環境マネジメントシステム、環境管理活動が確実に期待されている。12年度、13年度連続で環境大賞を受賞し、今年度は環境大賞の受賞対象から外れているが、環境調査の結果は会員企業の中で最高点となっている。この実績は、今年度から新設した環境栄誉賞に相応しいと判断した。

3.環境特別賞
(1)環境温暖化防止
●早坂精密工業

リーマンショック後の2009年は生産縮小により、各社ともCO₂原単位排出量を増加させ、これまで異常の対応に迫られることになった。今回の環境調査において、高い改善効果をあげ且つ3年連続でCO₂原単位排出量の削減を成し遂げた、継続的な活動は他者の模範として評価される。

(2)廃棄物対策
●レッキス工業 トットリ工場

廃棄物対策の活動を継続的に取り組み、再資源化率は2011年以降99%以上を維持継続。その中で、今年度は廃棄物を絶対量で33%、原単位で31%削減し大きな実績をあげている。この活動は他社の模範と評価される。

4.環境貢献賞
(1)エコプロダクト部門
●三菱マテリアル 明石製作所 開発部

対   象:ヘッド交換式エンドミルiMXシリーズの開発
技術の特徴:従来ヘッド交換式工具の、ろう付け部の剛性、強度低下やヘッド超硬ねじ部の破損といった問題を下記にて解決。
・一体四季超硬ホルダによる超硬ヘッドと超硬ホルダの2面高速。
・超硬に特殊接合した鋼製ねじ採用。

[結果]
工具寿命:他社品比較1.5倍
加工時間短縮:他社品比較1/2(切込量0.5→1.0mm)
ユーザでの廃棄物削減:従来ソリッド品比較73%減

[エコプロダクツ格付]☆☆☆

●オーエスジー デザインセンター 開発グループ

対   象:Phoenix P5D フェニックス インデキサブルドリル
技術の特徴:5Dの穴あけ加工において、3D穴あけ加工に劣らない高能率と高いコストパフォーマンスを実現。
・高剛性と高い切り屑排出性を兼ね備えた独自のボディ設計。
・切れ味と強度をバランス良く兼ね備えたインサート設計。

[結果]
工具寿命:他社品比1.5倍(50穴→75穴)
加工能率向上:他社品比1.2倍(0.15→0.18mm/rev)

[エコプロダクツ格付]☆

●不二越 工具事業部

対   象:Hyper Dual SP ホブ
技術の特徴:加工能力を従来比2倍にアップさせ生産性、省エネに貢献。加工設備も1/2となりスペースの効率化に寄与。
・耐熱性や密着性に優れたコーティングの開発。
・対摩耗性や耐チッピング性に優れた材料の採用。
・工具形状の最適化を実現。

[結果]
加工能率向上:切削速度を従来比2倍(150→300mm/min)
CO₂削減:年間4.9ton削減(年間電力量26%削減)

[エコプロダクツ格付]☆

(2)エコファクトリー部門
●彌満和精機工業

対   象:クーラントポンプの電力削減
技術の特徴:クーラントポンプの圧力制御を行いポンプ回転数を調節することにより、省エネルギー・吐出圧力の安定を図る。
・クーラントポンプへのインバータ、圧力センサーの設置。
・圧力センサー、インバータによりポンプ吐出圧力の制御。

[結果]
電力使用量:改善前比38%削減(112,067→69,498kwh/月)
年間電気料削減:6,130千円/年

[エコファクトリー格付]☆☆

株式会社アマダホールディングス設立へ 持株会社制へ移行

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アマダ(社長=岡本満夫氏)が、このほどグループ内の再編を実施し、2015年4月1日付で持株会社制へ移行することに決定したと発表した。同社グループでは「お客さまとともに発展する」という経営理念のもと、激変するグローバル市場に対応する改革を間断なく進め、モノづくりを通じて世界の人々の豊かな未来に貢献してきた。

現在、2016年3月期に売上高3,000億円、営業利益率15%を目標とした中期経営計画を推進中だが、2年後の創業70周年、その先の100周年への次のステージを見据えた持続的成長とより一層のグループ経営効率の最大化による収益拡大に向けて、強固な経営基盤の再構築を行う必要があると判断し、持株会社制への移行を決定した。

141215アマダ新体制1

同社は持株会社制移行のため主要事業を分割し、同社子会社3社に承継させる。事業分割後は、株式会社アマダホールディングスへと社名を変更し、事業会社の統括や管理を主に行う持株会社となる。なお、引き続き上場を維持していく予定。

■持株会社移行後の状況(予定)
(1)社名
株式会社アマダホールディングス
(2015年4月1日付で株式会社アマダから株式会社アマダホールディングスに社名変更予定)

(2)事業内容
グループ戦略策定、経営企画 等

(3)本店所在地
神奈川県伊勢原市石田200

(4)代表者の役職・氏名
代表取締役会長 岡本 満夫
代表取締役社長 磯部 任

(5)資本金
54,768百万円

(6)決算期
3月31日

事業の再編について

今回の事業の分割により板金機械の販売を担う会社が新たに「㈱アマダ」に社名を変更する予定であり、板金機械の開発・製造を担う「㈱アマダエンジニアリング」と共にグループの中核をなす事業会社となる予定。また、今回のグループ再編にあたり、サービス体制の強化を目的にサービス機能を当社からアマダ汎用機械㈱に移管し、2015年4月1日付で「㈱アマダテクニカルサービス(仮称)」として事業を展開する。また、総務・人事等のグループ内の共通業務を集約し、シェアードサービスを専門特化して行う、「㈱アマダビジネスサポート」を設立する。

1.板金事業
(1)板金事業の製販分離
現在のアマダの板金事業を製販で分離する。開発・製造の機能は、新設される㈱アマダエンジニアリング(現在は㈱アマダエンジニアリング分割準備会社)が担当し、販売の機能は、同じく新設される㈱アマダ(現在は㈱アマダ分割準備会社)が担当する。

開発・製造のミッションは、開発面では市場創造のための技術開発の推進や、市場競争力のある商品の早期市場投入を実現すること、製造面では欧米及び中国の現地工場のコントロールをしつつ、適地適産による徹底したコストダウンを図ることである。

販売のミッションは、国内及びアジアでの板金ソリューション販売の推進であり、①レーザビジネスを軸としたソリューション提案の強化、②支店プロフィット体制での収益性の向上、③国内での成功オペレーションを適用したアジア事業の拡大としている。

(2)サービス業務の集約
これまで、板金機械の保守を担っていたサービス組織をアマダより分離し、独立採算制のサービス専門会社として㈱アマダテクニカルサービス(仮称)を発足させる。より高いサービス品質と効率性を同時に実現させ、顧客満足度の向上を図りつつ、サービスのメニュー化によるサービスビジネスの拡大を図ることを狙いとしている。

2.プレス事業
プレス事業は、現在のアマダから㈱アマダマシンツールに移管し、同社はプレス商品の開発、製造、販売、サービスを一貫して担当する。アマダマシンツールの既存事業である研削盤事業と今回取り込んだプレス事業とのシナジー効果を狙い、金型業界の開拓を目指す。ユーザーサイドに立った加工視点アプローチによるプレス事業の再建を推進していく。

3.切削事業
切削事業は、現在のアマダから切削ブレード製造の事業を㈱アマダマシンツールに移管し、同社は切削商品のマシン及び消耗品について開発、製造、販売、サービスを一貫して担当する。切削事業の一元化を図り、本業としての独立採算を確立しつつ高収益事業の更なる拡大を目指す。

4.工作機械事業
工作機械事業は、引き続き㈱アマダマシンツールが担当する。事業の選択と集中による収益体質の改善を実現しつつ、研削盤に特化した商品開発により他社との差別化を実現し、事業拡大を目指す。

5.溶接事業
溶接事業は、引き続き㈱アマダミヤチが担当する。アマダミヤチのミッションはレーザ溶接及び抵抗溶接事業の推進であり、アマダの板金ビジネスとの連携による売上高の拡大を図りつつ、不採算事業の再編による収益構造の改善及び本業特化体制の確立を図る。

6.シェアードサービスの分社化
現在のアマダの総務・人事等のグループ内の共通業務を集約し、新設する㈱アマダビジネスサポートに移管する。同社は、グループ内共通業務、間接材購買、施設・設備修繕などを担当し、グループ間接業務の集約・効率化による収益体質の改善を図る。

今回の持株会社制への移行により、持続的成長と一層のグループ経営効率の最大化による収益拡大に向けて強固な経営基盤の再構築を実現し、更なる企業価値の向上を目指すとしている。

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中長期目標『Task 3・2・1』に向けた取り組み

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同社は、100周年の次なるステージを念頭に、中長期にわたり持続的発展を遂げるための目標を策定している。具体的には、2015年3月期売上高計画に対し 30%増の達成を視野に入れ、M&Aを含めた成長戦略の策定とその実行、経常利益率 20%の達成を目指した収益構造の改革に取組むとしている。さらにROE10%を目標にさらなる資本効率化などを推進していく。

JTEKT が大形軸受技術開発センターの本格稼動を開始! 市場成長が見込める産業機械分野に貢献 ~風力発電・高速鉄道・鉄鋼製造設備~

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141215ジェイテクト1大形軸受技術開発センタージェイテクトが産業機械分野で使用される大形軸受の評価・解析を行うための大形軸受技術開発センターを開設し、このほど本格稼動を開始した。

従来、大形軸受については、その大きさゆえに、机上の検討と基礎評価の後、顧客の実機で評価をする場合が一般的だったが、今回、「風力発電装置用超大形軸受試験機」「高速鉄道車両用軸受試験機」「鉄鋼設備用軸受試験機」を新たに導入し、実機に近い環境を再現した評価が可能になった。併せてシミュレーション精度も向上させており、より信頼性の高い軸受を短期間で開発していくとしている。

同社では、産業機械分野を市場成長が見込める重点分野と位置づけて、事業強化を進めており、大形軸受技術開発センターの開設・稼動開始もその一環である。同センターを中心に、産業機械分野向け軸受の商品開発を今後も強化する。

●大形軸受技術開発センターの概要
(1)名称:ジェイテクト 大形軸受技術開発センター
(2)所在地:大阪府柏原市国分東条町8-11
(3)投資総額:約20億円

風力発電の市場動向と設備概要

風力発電設備の大形化・高発電容量化 イメージ
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(1)市場動向
欧州、中国を中心に風力発電の導入量は今後も増加し、洋上発電の占める割合が更に高まると考えられる。風力発電の洋上化が広まることで、ブレードの大径化・高発電容量化がすすみ、風力発電用軸受においても、高負荷容量化や更なる大形化が求められるようになる。

(2)これまでの課題点
軸受の性能確認は実機風車で実施しているため、試験条件は風況に影響され、評価項目や時間に制約があり、評価後の軸受内部状況の確認が不可能だった。このようなことが影響し、風車メーカーの開発期間の延長、開発費用の増大などといった課題が存在していた。

(3)評価試験機導入による課題解決
軸受外径φ2.5m、5MW クラスの風車に対応する実機サイズの評価試験を導入。
実機風車と同じ位置での荷重負荷を再現し、回転中の荷重・転動体挙動測定、潤滑状態
の観察が可能になった。評価結果とCAE解析を組み合わせることで解析精度が向上し、評価期間の短縮と開発コストの低減に貢献する。

風力発電装置用超大形軸受試験機
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高速鉄道の市場動向と設備概要

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(1)市場動向
高速大量輸送鉄道の車両数は今後グローバルで伸び続けると考えられている国内の新幹線では開業当時の0系の最高時速は210km/hだったが320km/h にまで達し、今後さらなる高速化が進むと見られている。鉄道の高速化に伴い、軸受にも高速回転と振動に耐えうる高い安全性と信頼性が求められている。

(2)これまでの課題点
従来の評価設備では、実車で発生する不連続、不規則な振動やカーブで発生する車軸の動きや400km/h 以上の高速走行の再現ができなかった。また実車での継続的な測定や詳細観察などを行うことも不可能だった。

(3)評価試験機導入による課題解決
今回導入した評価設備では、これまで不可能であった実車両で記録した速度、振動、カーブ時の車軸の動きなどを忠実に再現したシミュレーションが可能となり、400km/h を超える評価試験を行うことも可能になった。

高速鉄道車両用軸受試験機
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鉄鋼製造設備の市場動向と設備概要

鉄鋼圧延機用軸受用途 イメージ
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(1)市場動向
産業の根底を支える鉄鋼業界は今後も堅調に成長し続け、国内の製鉄メーカーのみならず海外の製鉄メーカーの事業展開拡大も期待されている。鉄鋼製造の現場で使用される軸受は大量流水・高速回転、低粘度潤滑・高荷重など過酷な環境で使用されている。

(2)これまでの課題
従来では実機環境での評価ができず、使用時に発生する損傷形態や水や熱などの周辺環境の影響などの解明が困難だった。

(3)評価試験機導入による課題解決
実機サイズでの評価、実機運転状況、周辺環境の再現が可能な試験機を導入。
これまで解明できなかった実機環境での損傷を再現し、開発技術の向上を実現した。

鉄鋼設備用軸受試験機
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重切削のOKKを見せつける! 新M工場の竣工披露を兼ねたプライベートショー「After JIMTOF」を開催

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大阪機工(社長=井関博文氏)が12月5日(金)、6日(土)の2日間、同社の猪名川製造所において、“新M工場”の竣工披露を兼ねたプライベートショー「After JIMTOF」を開催し、多数の来場者で賑わった。OKKの強みである高剛性、重切削を前面に打ち出し、効率化や高速性で新しい横形マシニングセンタがさらに充実したRシリーズに注目が集まった。OKKのプライベートショーをレポートする。

OKKのマシンつくりを見せつける!

141215OKK2ピンクのジャケットを着用した職員に案内してもらう猪名川製造所は加工から組立までの一貫生産工場である。南側のエリアは機械加工がメイン、北側は主に組み立て工程を行っている。受付を済ませて新しくなったM工場へ向かう。

OKKの工作機械製造の主力工場として猪名川製造所がスタートしたのは1939年。メイン工場として同社を支えてきたのがM工場だった。新M工場は旧工場と同様、機械加工エリアと組立エリアの両機能を有する最新工場として生まれ変わった。


141215OKK3健康的な看板。思わず早足になる。会場内は多くの来場者で溢れている。普段は秘密のベールに包まれている工場もこの2日間だけは開放し、見学ができた。ピンクのジャケットを着用したOKK職員に工場内を案内してもらった。まずは機械加工エリアを見学。続いて組立エリアに向かう。ここは小型MC組立ライン、システムや特殊機仕様に対応、横MC組立ラインがある。小型MC組立ラインはVC-X500、VC-X350等の小型5軸マシンがメイン。リニアガイドを採用した小型の立て形マシニングセンタを組み立てていた。同社は顧客の生産ラインそのものを設計、製作しているが、システム対応ラインでは、専用機に近いマシニングセンタを主に組み立てており、製品加工の確認まで行っている。特殊仕様機についても、顧客の製品を具現化するにはジグ製作を含めて特殊な仕様が必要となる場合があるため、試切削、立会加工を含めた組立エリアもある。猪名川製造所は太陽光発電システムを採用し、たくわえた電気を売る仕組みもあった。

続いてP工場を見学。P工場はOKK初の恒温工場だ。ここではVM53R/VM43Rをつくっていた。次はV工場へ。敷地内には「1分間で100メートル以上の速さで歩きましよう」と健康的な看板が立っていた。

141215OKK5靴の汚れを取る。V工場に入る前に、靴を磨く装置に足を通さなければならない。靴についたゴミや埃を排除するためだ。この工場は2006年に竣工されており、液晶パネル加工用の大型機や航空機部品の対応など大型マシニングセンタの生産拡大に伴い建設された工場である。以降、5軸加工機を含め、主に立て形マシニングセンタを主流とした組立工場として運用されている。一部「VC51」などの小型もあったが、VMシリーズの大型を組み立てていた。

次にW工場を見学した。
この工場は2009年に建てられた。この頃、自動車部品加工業はもちろんのこと、建設機械産業やエネルギー関連産業の好景気を受け、横形マシニングセンタ、特に大型機に対応できる工場として竣工したが、現在は横形マシニングセンタの専用組立工場として運用されている。大きな横形を組み立てていた。

最後にS工場に入る。ここは主軸関係の一貫生産工場。切削エリアと空調ランクを恒温室とした研削エリアを持ち、階上のフロアには組立エリアを有している。

141215OKK6帽子も100周年仕様だ!OKKでは約400種類の主軸が生産されている。材料を適切な長さに切断、S工場に運び込まれ、機械加工が始まる。旋盤の工程、マシニングセンタによる穴あけ工程を約40台の設備で対応。そうして隣接した熱処理工場で主軸は焼き入れ後に保管される。十分な硬度はガス侵炭焼き入れによるものである。切削加工、焼き入れ工程後、研削待ちの棚で保管される仕組みだ。研削には何種類もの設備機械が必要だという。ちなみにギヤもこのフロアで完成される。機械加工が完成した主軸、ハウジングは3階に運ばれ、そうして主軸ヘッドに組み込まれて慣らし運転、調節を行う。これらの工程を経て完成し、最終組立工場へ運ばれる仕組みとなっている。

来場者もOKKのマシンに期待!

141215OKK7植田機械 萩原顧問プライベートショーを見学した来場者も生産基盤の充実を図って顧客の要望に応えていく――としているOKKの意気込みを感じているようだ。

金型設備総合商社の植田機械 顧問の薮原 健氏は、「新しくなったM工場は素晴らしい工場となっており、ますますOKKさんの信用も増すだろうと感じた。強みである“重切削”と“剛性”に対する思い入れも再確認できて、今回のプライベートショーは見応えがあった。今後もの展開もますます期待がもてます」とエールを送る。

141215OKK8ローム・メカテック 杉本係長ローム・メカテック 製造部 金型製造課 杉本勝巳係長も「重切削のテストも拝見し、重切削の観点から非常に注力されているのが分かった。国内において工場を大きくされており、国内製造にこだわっている一方、タイにも工場を出されており、グローバルに活躍されている。今後、おつきあいをしたくなりました」と期待を込めていた。

OKKは来年100周年を迎える――――。

ヤマザキマザック「JIMTOF2014アンコールフェア」をレポート! ~最新テクノロジーに触れる~

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ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)が12月4日~6日までの3日間、同社の美濃加茂製作所/美濃加茂第二製作所ワールドテクノロジーセンターで「JIMTOF2014アンコールフェア」を開催し、多くの来場者で賑わった。今回のアンコールフェアは、JIMTOFに来られなかった来場者のために会期中、好評だったセミナーも充実させており、内容豊富なプライベートショーとなっていた。

ヤマザキマザック「JIMTOF2014アンコールフェア」をレポートする。

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