政府は1月15日、第7回「ものづくり日本大賞」の受賞者を発表した。内閣総理大臣賞に24件 71名を選出、経済産業大臣賞、特別賞、優秀賞の受賞者51件 244人 3団体も決定した。
「ものづくり日本大賞」は、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰するもので、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省の4省が連携し、2年に1度開催される。
今回、経済産業省関係で内閣総理大臣賞を受賞したJFEスチールの「Co₂排出減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTERⓇ)の開発」では、製鉄業のCO₂排出量削減を狙い、製造業・建設業の全排出量の52%を占め、その中で約70%を排出している製鉄プロセスに着目したもの。焼結工の焼結強度と還元性を向上、製造プロセスを冶金学的に分析し、焼結鉱製造プロセスにおいて大幅なCo₂差削減を実現する技術の工業化に成功した。また、同社所有の全焼結機に導入し、大幅なCo₂削減と同時に数百億円規模のコスト削減を達成し、地球温暖化防止、省エネルギーに貢献した。
同じく受賞した日立製作所他2団体の「産業革新を牽引する世界最高性能のIoTセンサーの開発」では、メカトロニクス技術と半導体技術を融合し、センサー素子と制御回路が2.5mm四方の1チップ上に集積された世界初の半導体ひずみセンサーを開発。様々な構造物や機器類の変形を過酷な環境下でも長期間安定した1µ素トレインレベル(1kmのものが1m伸び縮みする現象を計測)の高感度計測(従来氏絵品との比較で感度25,000倍)が可能となった。今後は、機械、医療、建築など多くの産業分野でIoTを加速する革命的センサーとして期待される。
国土交通省関係で受賞した熊谷組の「ネットワーク対応型無人化施行システム」は、建設機械通信機器をIP化することで柔軟勝高度なシステム拡張を可能とし、操作室から建設機械群を長距離遠隔操作する技術。総合的なi-Constructionの活用で全行程人が立ち入らずに安全に緊急災害対応を行った(国土交通省九州地方整備局阿蘇大橋地区斜面防災宅策工事)。
なお、経済産業大臣賞と特別賞は2月5日に表彰式を、経済産業地方局では優秀賞等の表彰式等を行う。
ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)受賞案件
経済産業省関係
●「Co₂排出量削減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTERⓇ)の開発」JFEスチール(株)
●「産業革新を牽引する、世界最高性能のIoTセンサー開発」日立製作所他2団体
●「革新的構造・世耕技術『構造アレスト』で実現した安全・環境性能に優れるメガコンテナ船」ジャパン マリンユナイテッド(株)他2団体
●「ビッグデータ・IoT時代を支える相ユーザーコストに優れた大容量データテープ」富士フィルム(株)
●「漁獲物を獲れたての鮮度で保持するための船船搭載型シャーベット状海水氷製造機の開発」(株)ニッコー他2団体
●植物由来生分解樹脂の世界的普及の端緒となる日本初の射出成形技術群の開発と応用製品」小松技術士事務所他1団体
●「伝統技術をベースとした立体的製陶技術による文化財の複製」大塚オーミ陶業(株)
国土交通省関係
●「ネットワーク対応型無人化施行システム」(株)熊谷組
●「常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート『スリムクリート工法』」(株)大林組
●「平成の国宝姫路城大天守保存修理『伝統技術と現代技術の融合による姫路城の再生』」鹿島建設(株)
●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(株)創建 淺田朋憲
●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(株)植木組 北谷