ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)がこのほど、2スピンドル2タレット(刃物台)のCNC旋盤「MULTIPLEX W-200シリーズ」をリリースした。
本年9月12日から米国シカゴで開催された「IMTS2016」にも出展し、日本では11月17日から東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2016」に出展する。
「MULTIPLEXシリーズ」は、同一能力のスピンドルとタレットを左右対称に配置した主軸移動型2スピンドル2タレット構造により、1台で通常のCNC旋盤2台分の加工能力を持つ。たとえば、左右の主軸でのワーク自動受渡しによる連続加工、左右独立して異なる加工物の同時加工、さらには、左右の主軸とZ軸の同期によるロングシャフト加工など様々な加工が可能だ。
初代MULTIPLEX発表から約30年、今回「MULTIPLEX W-200シリーズ」として多くの進化を果たし生まれ変わった。最新シリーズでは、タレット構造の変更によるチップ・ツー・チップ時間の短縮、スラントベッド構造採用による切粉排出性の向上、油圧・エア・潤滑機器を集中配置による保守性の向上を実現した。さらに最新CNC装置「MAZATROL SmoothG」を搭載し、操作性及び生産性を向上させている。
なお、Y軸付き「MULTIPLEX W-200Y」、高性能ガントリーロボットによる自動化対応など、ユーザーの加工ニーズに合わせた仕様を用意している。
特長
(1)同一能力のスピンドル、タレットを左右対称に配置し、CNC旋盤2台分の加工能力
左右の主軸でワーク自動受渡しによる連続加工、異なる加工物を左右独立に同時加工、さらには、左右の主軸とZ軸の同期運転によりロングシャフトの加工など様々な加工が可能
(2)チップ・ツー・チップ時間の短縮
タレット旋回専用モータとミルクラッチレス構造を採用し、チップ・ツー・チップ時間を短縮(チップ・ツー・チップ:本機が工具交換をするため切削を中止した位置から、交換位置まで移動し工具交換を完了し、元の位置に戻って再度切削を始めるまでの時間)
(3)スラントベッド構造により切粉の排出性を向上
(4) 油圧・エア・潤滑機器の集中配置による保守性の向上
(5) 軸送り速度のアップや最新CNC装置MAZATROL SmoothGによる生産性や加工精度の向上
軸送り速度アップ(X軸:従来30.5→35m/min、Z軸:同33→42m/min)と最新高速制御CNC装置による生産性向上と、C軸全周クランプ・ブレーキにより位置決め精度を向上
(6) 操作盤の高さ調整及び左右移動により操作性向上
(7) 環境に優しい潤滑方式を採用
(8) 高性能ガントリーロボットによる自動化対応を充実
仕様概要
●販売価格
・MULTIPLEX W-200 \37,100,000(税別)
・MULTIPLEX W-200Y \39,900,000(税別)
なお、販売目標台数はシリーズ合計で年間300台。