タンガロイ(社長=上原好人氏)は、このほど小型化により経済性に優れ、環境にも優しいEco(エコ)インサートシリーズ『EcoTurn』(エコターン)の販売を開始した。
多くの一般旋削加工では、実際の切削加工に必要とされるインサートサイズよりも大きなものが使用されている。『EcoTurn』は、一般的に多く使用されている標準インサートサイズよりも小型にすることで超硬使用量を約40%削減。環境に優しく工具費低減にも寄与する。
『EcoTurn』は、切削性能に関与するチップブレーカ緒元およびインサート厚みが標準インサートと同じ小型インサートであり、切込み3.0mm 以下では標準インサートと同等の切削性能が得られるように設計されているため、多くの一般旋削加工領域でも問題なく利用できる。特に、通常使用されているダウンサイズインサートは標準インサートよりも厚みが薄いのに対し『EcoTurn』はインサートの厚みを同じにすることで同等の耐欠損性を維持している。
インサート材種は、鋼市場をターゲットに鋼旋削用CVD 材種「T9100 シリーズ」と2013 年3 月に発売した欠けにくい史上最強サーメットシリーズ「NS9530/GT9530」を標準設定とし、チップブレーカには仕上げから中切削領域の切りくず処理性に優れる「TSF」と「TM」チップブレーカを先行発売する。今夏にはステンレス市場をターゲットにステンレス鋼旋削用材種「AH600」(PVD 材種)と「T6100」(CVD 材種)とステンレス用チップブレーカを追加発売する予定である。
ホルダは、操作性とインサートクランプ剛性に優れる「A 形バイト」を設定し、インサートの切削性能をより安定して発揮させることができる組み合わせになっている。『EcoTurn』は、標準インサートと同等の切削性能で、経済性に優れ、環境にも優しいインサートシリーズである。