日本フルードパワー工業会(会長=石川 孝・TAIYO社長)が5月16日、都内の東京プリンスホテルで「第20回定時総会」を開いた。
懇親会であいさつに立った石川会長は、業界を取り巻く環境に触れた。この中で石川会長は「米国と中国の間の貿易戦争が、ここに来てさらに熱を帯びている。こうした事態は日本経済や私どもフルードパワー工業会に与えるインパクトについては、予断を許さないのではないか。今後もその動向を注意深く見守っていく必要がある。この米中の貿易戦争に加えて、北朝鮮の非核化の問題やEUのブレグジット問題、さらには中東のエネルギー問題等々があり、今年度は、全体としては不透明感が高い状態がしばらく続くのではないか。」との見通しを示した。
今年度の需要見通しについては、「油圧機器は、対前年度比マイナス1.4%の4,000億円弱(前年度比▲1.4%)、空気圧製品は4,700億円弱(同▲2.5%)となった。どちらも対前年度比マイナスだが、出荷額の総額、フルードパワーの総額で見ると、過去2番目に高いという数字であるので、見通しでは前年よりもやや下がるものの、引き続き高い生産が維持される状態である。」との認識を示した。
また、工業会の活動については、①国際的な情報や新技術に関する情報を的確に収集し、会員各社に提供する、②標準化事業を中心として、産学連携の動きをさらに活性化する、③会員各社の若手エンジニアの育成を支援する旨を述べた。
来賓を代表して大内 聡 経済産業省大臣官房審議官が、「コネクテッドインダストリーズでもあるが今後はデータが企業、さらには産業を越えて共有することにより、様々な開発や発展があるのではないか。日本の技術力をさらに高めていくということと同時に、最終消費者、あるいはサプライチェーン全体の欲しているものを、しっかり見ていく必要がある。また、国際標準をできるだけ日本が作っていこうということも大事なことの一つとして捉えられており、こちらのほうも頑張って頂きたい。」と声援を送った。