日本金型工業会東部支部(支部長=鈴木教義 鈴木社長)が去る1月18日、東京都内の上野精養軒で賀詞交歓会を開いた。
第一部の特別講演は、「変革の能動者として~身近なことから始めよう!~」をテーマに、薩摩文化研究家の調所(ずしょ)一郎氏が講演した。その後、懇親会が開かれた。
懇親会の中で、あいさつに立った鈴木支部長は、「今年は年号が変わり、消費税が導入されたり等、われわれを取り巻く環境が大きく変わるのではないか。現在、米中関係で経済情勢に変化もみられ、金型工業会の中でも大きな変化と影響があるのではないかと注目されているようだ。それぞれの企業の中では対応できないものも、ぜひ東部支部を活用していただければ、この状況を乗り越えられるのではないか。ぜひ、情報の交換の中でもこの重要性を認識していただき、金型工業会をご利用いただければと思っている。また、外国人の労働者の受け入れや、働き改革等、私どもを取り巻く環境は変化する年だ。情報等の共有をしながら、各社の発展をお祈り申し上げたい。」とあいさつをした。
来賓を代表して、大内 聡 経済産業省製造産業局審議官があいさつをした。この中で大内審議官は、「ここ5年で名目GDPは50兆円を超える増加、正社員の求人倍率も1倍を超え、経済は順調に回復している。素形材産業では、昨年の自然災害による影響や人手不足、エネルギーコストの高止まり、原材料価格の暴騰、取引構造上の課題等、引き続き取り巻く事業環境は厳しい状況であると考えている。素形材産業にとって、まずは足元での収益率の確保という観点から、取引条件の改善や、サプライチェーン全体における付加価値向上に向けた取り組みが必要だと考えている。」との考えを示したあと、福島の復興について、「すでに帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、残る区域においても新たな町づくりが始まるなど、復興、再生に向けた動きが着実に進んでいる。こうした流れを本格的な福島の復興につなげていくために、これからは産業の復興が極めて重要になる。このため、福島イノベーション・コースト構想という、原子力に代わる新たな産業基盤の構築に向けた産業復興政策を、復興庁をはじめとする関係省庁と緊密に連携して、集中的に進めていく。」と述べた。
日本金型工業会を代表して、小出 悟会長(小出製作所社長)が、「今年は亥年だが、猪突猛進の言葉のように今年の状況は、やみくもに突走しっていれば良いという状況下にはないようだが、そうは言いながらも、何もやらずに、突っ走ることもせずというわけにはいかない年でもあろう。自分たちにとっていい状況になるべく動き回っていきたい。また、AIやIoT、ロボットにおいては、ここ2~3年、話題に乗っている。しかしながらそれらが具体的な一つ一つの事象を表すのが、この2019年からだろう。それに対して工業会としては、先駆的は事例や企画を立てながら行っていきたいと思っている。また、こうした新時代の中において、ここから先、日本の金型業界が世界の中で、どんな立場をどんなふうに取ればいいのかと議論をしながら、まとめ上げていければと思っている。」とあいさつをした。
三井ハイテック 金型技術推進部部長 木下易之氏に、卓越した技能者表彰(現代の名工)として記念品が贈呈された。その後、新入会員の紹介があった。
乾杯の発声は井上真一 牧野フライス製作所社長が行った。宴たけなわのころ散会した。