マシニングセンタ専業メーカーのキタムラ機械(社長=北村彰浩氏)が、このほど、世界最小スペース(公衆電話ブーススペース)機械幅が1.2mで所要床面積が2.4㎡でも、直径180㎜、高さ175㎜の加工ができる最新型同時5軸制御立形マシニングセンタ「MedCenter5AX」を開発したと発表した。
このマシンは、最小スペースでも独自の工具交換装置(特許申請済)の開発により、省スペース機では不可能だった大容量40本の工具収納を可能とし、毎分3万回転(無制限1年間保証)の高速回転主軸を標準搭載している。搭載できる最大工具は(直径50㎜、長さ200㎜)となり、高速回転のマシニングセンタとしては、異例の大型工具が大容量で利用できるマガジンを内蔵している。A軸(傾斜軸)は毎分36,000度、C軸(回転軸)は毎分200回転の追従性の高い回転動作を実現した本格高速高精度切削機である。
5軸加工物は同時5軸移動でも俊敏で干渉が少なく、加工物への接近性に優れている。今回の開発は、消費者ニーズの高機能化やデザイン性が高まり、多品種少量生産の高生産性と、部品の複雑化・微細化・軽量化、高精度化の要求とともに材質がチタンやコバルトクロム合金などの高硬度、難削材の高精度加工が求められるユーザーニーズに対応した。
納入後数年度でも拡張可能な12面自動パレットチェンジャーにも対応しており、初期投資が少なくても長時間無人加工にも容易に対応できる。
高分解能光学式スケールフィードバックや独自の熱変位補正システムを標準装備し、 微細複雑形状の長時間加工にも高精度加工を実現。加工機内での自動計測機能も可能。制御装置は、2008年に世界で初めて開発した第4世代コンピューター数値制御装置「Arumatik-Mi」を搭載。インターネットテクノロジーを駆使した使い易さが特徴で、あらゆる操作方法をオンデマンドでガイダンスするシステムが好評を博している。
また、高解像度CCDカメラ、マイク、スピーカーを標準搭載し、ネットを介して作業者と会話して加工現場の状況をより明確に把握できる。PCやモバイル端末での工場外からの機械監視、通知も実現。世界中のどこからでも工場の稼働状況などの管理が可能である。
この「MedCenter5AX」の完成により、直径170㎜から直径1000㎜までの同時5軸制御立形マシニングセンタ6機種のラインアップを揃えた。
このマシンは、11月1日から東京ビックサイトで開催される国際工作機械見本市「JIMTOF2018」に初出品する。