ヤマザキマザックが11月30日(木)から12月2日(土)までの3日間、美濃加茂製作所・ワールドテクノロジーセンタにて、「TOUCH THE FUTURE 2018(TTF2018)」を開催した。
進化した3D金属積層造形などの付加加工技術や、最先端のIoT技術「Mazak iSMART Factory™」、同社のフラッグシップモデルであるINTEGREXシリーズの中から注目の新製品「INTEGREX i-500」、金型や微細・精密加工に特化した高速・超高精度 同時5軸加工機「UD-400/5X」、航空機部品などの高速・高精度加工を実現する 同時5軸横型マシニングセンタ「HCR-5000S」、多品種少量生産の自動化を一台で実現する 多段式ワークチェンジャー搭載 小型同時5軸加工マシニングセンタ「VARIAXIS i-300 AWC」等、国内初お披露目を含む最新鋭機種を多数展示した。
加工の解決策はここにあり!
中西正純常務執行役員営業本部長は工作機械業界の景況について、「日本工作機械工業会が発表した工作機械の受注見通しは年初に想定した1兆3,500億円から1兆5,500億円と上方修正され、2016年実績1兆2,500億円に対して24%増の予想となっている。過去最高だった2007年1兆5,900億円に次ぐ受注レベルだが、1月~10月の累計受注額がすでに1兆3,212億円であり、11月も好調であった。12月もこの調子で推移すれば年間見通しの1兆5,500億円は達成できるか、あるいはそれを超える結果になるだろうと予想される方も多くおられる。」と明るい見通しを示し、受注が好調な要因については、「為替が昨年終盤より円安に推移し、EMS関連特需の発生、車の電子・電動化の加速、好調な半導体産業や欧州市場の好調維持、中国市場の好転などが考えられる。」とした。その一方で、「生産には苦労しているという実情がある。一部の部品が長納期化しており、リニアガイドなどは工作機械だけでなくロボットや半導体など様々な業界で使用されており、しばらくは需要が落ちないと見られることからその影響を危惧している。」と話した。また、2019年の見通しについては、「工作機械の主要部品の調達難による長納期化等リスク要因があるものの、自動車の好調が維持し、建機が復活しそうな雰囲気であり、オイル産業にも動きが見られることを考えると国内外とも好材料が多く、好調が維持すると見ている。」とした。
今回の「TOUCH THE FUTURE 2018」の開催にあたり、同社では国内初披露となる今年のEMOで発表した最新機種と新製品など24機種を展示し、3日間で3,200名を超える集客があった。10月に開催されたMECTに出展されなかった新機種全てを展示し、来場者はそれぞれのニーズに合う最適な機種と最新のアプリケーションを見学した。
特設コーナーでは「ここまで来たハイブリッド複合加工機による次世代加工」と「Mazak iSMART Factory™」におけるIoT自動化の活用事例をテーマとして専門担当者によるプレゼンテーションも開いた。
今回の展示会で大注目したいのは、金型や医療機器分野で求められる微細・精密加工を高精度・高加工面品質で高速加工を可能にした「UD-400/5X」。俊敏な機械動作を支える高剛性機械構造は、完全左右対称の門形構造。機械重量も15000kgと同クラス機は最大の重量を誇る。軸芯冷却つき高剛性大径ボールねじを標準装備している。
他にも多くの来場者が足を止めたのは、旋盤用自動化セル搭載 ミル付タレットCNC旋盤「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」。この登場で、多関節ロボットが安全、安心して簡単に導入、設置できるようになった。生産性を高めるだけでなく、技術者不足の解消に有効である。嬉しいことにロボットとストッカが一体化、ロボットに関する知識がなくても簡単に運用ができる。「SmoothG」に内蔵された専用アプリで、ティーチングレス・作業指示により簡単段取りも実現している。安全フェンスが不要で、コンパクトなフロアスペースと移設が簡単な自動化セルだ。
製造業にとって厳しい競争を勝ち抜いていくための様々な解決策をたくさん用意した企画展示となっていた。