オーエスジー(社長=石川則男氏)が1月16日、愛知県豊川市のオーエスジーアカデミー内のゲストハウスにて「2017 OSG全国合同賀詞交歓会」を開催した。
新春のあいさつに立った石川社長は、「現在、世間の話題はトランプ新大統領がどんなことをするんだろう、ということだろう。先日行われた記者会見でもマスコミと激しい言い合いになってしまった。NAFTAで北米の自由貿易のあり方が問われそうだ。弊社も昨年、メキシコのグアナフアト州に二つ目の工場を稼働させた。メキシコでの自動車産業の発展に対応していこうと考えていた。メキシコは米国への輸出比率が78%もある。こうした中で、自動車部品はメキシコで造って、農業生産物のようなものは米国からメキシコに出荷されている。今回、トランプ大統領の話を聞いていて、オーエスジーとしては、自分たちの意見をしっかり持たなければいけない、と感じた。われわれがメキシコでどんなことをしていたか、というと、非常に古い工場で従業員は100人ほどだったメキシコのタップメーカーのロイコ社を買収したのが1994年。その後、このロイコ社の業績をみてみると15年間くらいは順調とはいかなくて赤字の年もあった。しかしながら、ここ5年くらいで、オーエスジーのメキシコ事業が一気に花開いて、非常に大きな利益を生む事業に生まれ変わった。それは日本の自動車メーカーを中心とする自動車生産がメキシコで大きく花開いたということ。そこで思ったのは、いろんなことが世の中で起きており、対応していくことはそれなりに重要だが、海外事業のようなものは中長期的に自分たちの意志をもってやらないと、なんともならないものだ、ということ。トランプ氏がどうするかは私には到底計り知れないが、このタイミングで私たちは堂々と決めたことを一生懸命やるしかない」と心境を述べ、2016年11月期の決算内容について触れた。
その中で石川社長は、「残念ながら、為替の影響により7年ぶりに減収減益という決算になった」と説明、売上高55億6100万円(前年度比△5.7%)、営業利益182億4600万円(同△15.5%)、経常利益178億1300万円(同△17.2%)、親会社に帰属する当期純利益は101億3400万円(同△19%)となった。
今期については、「本日お集まりの皆様の力添えをいただきながら、もう一度史上最高の売上げを目指したい」と力強く述べ、次の3つを重点政策とした。
① Aブランドの製品をさらに拡充させる。
② 世界のグローバルセンター(テクニカルセンター)によってローカルへの大手ユーザーへのアプリケーション対応力を強め、開拓する。
③ ここ2年でM&Aを加速させたが、シナジー効果を高める活動に注力する。
2017年度は売上高1165億円、営業利益195億円、親会社に帰属する当期純利益115億円を目指す、とした。
「リスクのあるところにチャンスあり」
卸売代行店・特約代理店を代表して、山本政美 山善 副社長が、「主力の代理店が参加されているが私どもも皆様方と一緒になって今年もオーエスジー製品の拡販に最大限の努力をしていく。石川社長より決算の報告がされたが、要因は上期の急激な円高によるものと推測される。今期は国内も回復してくると思われる。また、海外も為替が円安に振れており、今まで苦戦した中国、ASEAN地域も底を打ち、上昇の期待ができる。今期の目標をぜひ達成していただき、新記録を期待している。私どもも目標達成のため最大限の努力をする所存である。今期も目標達成のための拡販企画をどんどんお願い申しあげる。トランプ氏はどのようなカードを切ってくるか、まったく予測不能だが、一喜一憂しても仕方がない。リスクが懸念されるが、その一方で、リスクのあるところにはチャンスがある」とあいさつした。
石川社長、大沢伸朗 常務、山本 山善副社長、村井正夫 東京山勝社長、矢野茂雄 滝川物産社長、山出谷武俊 山勝商会社長の活況ある鏡開きが行われたあと、三橋 誠 テヅカ社長が乾杯の発声を行った。
余興のなまはげ太鼓の音色とパフォーマンスに会場内は賑わった。宴もたけなわのころ、山下隆蔵 山下機械会長が中締めを、〆のあいさつを大沢常務が行い散会した。