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〈年頭所感〉日本工作機械工業会/日本機械工具工業会/日本工作機器工業会

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「世界各国が大きな変革期」
●日本工作機械工業会 会長 花木義麿

170101日工会 2017年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は、年初からの原油価格の暴落、また6月の英国のEU離脱決定により金融市場が大きく動揺し、円高が急激に進行しました。11月の米国大統領選挙でトランプ氏が当選し、その後、為替が急激に円安に転じるなど、社会、経済が激しく動いた一年でありました。

 世界各国において、IoT技術を高度に活用し、新たな生産体制を構築する取り組みが進み、第4次産業革命と言われる大きな変革期を迎えています。

 当工業会会員各社は、昨年11月に開催した第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF・Tokyo 2016)において最新鋭の工作機械、最先端の技術を世界に向けて提案いたしました。人口知能(AI)を搭載したスマートマシン、切削加工と積層造形加工を融合したハイブリットマシン、IoTを活用して工場全体の生産を最適化するスマートファクトリーなど、日本の高度なソリューションが大きな注目を集めました。来場者数は国内外ともに過去最高を記録し、「世界最高レベルの技術ショー」、「国際ショー」として、JIMTOFの存在感を示すことが出来ました。

 昨年の工作機械市況を振り返りますと、内需はものづくり補助金等による設備投資の後押しもあり、堅調に推移しました。外需を見ますと、中国は経済の停滞により設備投資が減速し、また、その他アジア市場も低迷しました。欧州市場は比較的底堅く推移しました。しかし、米国は前年比減少でありました。

 この結果、2016年の工作機械受注額は1兆2,000億円台半ばとなり、昨年8月に修正した受注見通し1兆3,000億円を幾分下回りましたが6年連続して1兆円を上回りました。

 円高が進行するなど厳しい経営環境の中ではありましたが、一定の成果を残すことが出来たと思います。

 2017年は世界中で生産革新の動きが加速し、高付加価値の工作機械、高度なソリューションへのニーズが更に高まっていくと期待されます。製造業の基盤を担う日本の工作機械産業は、生産革新を牽引し、ものづくりの発展に貢献していきたいと強く思っております。

 当工業界と致しましては、我が国工作機械の競争力強化に向けて設立した「加工システム研究開発機構」を中心にして、世界最先端の工作機械技術の開発、国際標準化、研究者・技術者の育成等を推進し、業界の技術基盤、経営基盤の強化に努めて参ります。関係各位には当工業会の事業に対するご理解とご協力をお願い申し上げます。

 本年が皆様にとって更なる飛躍の年となるよう祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

「絶え間ない技術革新により世界市場で通用する商品を打ち出していく」
●日本機械工具工業会 会長 本間博夫

170101機械工具 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素から、関係各位のご支援、ご協力に対し、心から感謝申し上げます。

 昨年を振り返りますと、改めて日本は、地震大国であると認識した一年でありました。熊本、島根、また、記憶にも新しい福島県沖地震と、大きな災害が日本各地で発生いたしました。当工業会でも、被災した会員がいましたが、全社挙げての復旧により、現在では通常通りに生産・販売活動をしており安心しております。

 さて、昨年秋には当工業会にとりまして、統合後初めてのJIMTOFが開催されました。会員、特に開発部門の方々が、苦労してきた成果を発表する場でありますが、多くのお客様にとっても、困り事を解決できる工具が見つけられる機会だったのではないかと思います。

 工具ブースでは、自動車の脱エンジン化の流れを反映してか、航空機向けの工具の展示が、以前よりも増えたように見受けられました。航空機の部品点数は300万点を超え、産業としての裾野は広いと言われております。

 その中には、CFRPやインコネル材などの難削材も多く、会員各社には、是非とも、技術革新を進め、航空機産業の厳しい品質要求に応えられる工具を開発し、国内だけではなく、欧米の航空機メーカーにも大いに拡販して欲しいと思っております。
一方、工作機械ブースにおきましては、IoTを含めた、スマートファクトリーをテーマとする工作機械メーカーが殆どで、ロボットを組み合わせた自動化・無人化を提案する動きが、今回は特に目を引きました。

 これら工作機械に搭載される工具としては、これまでの高速・高能率化だけではなく、突発的な欠けや折損等のトラブルの無い、より安定した工具の提供も、我々、工具メーカーの重要な務めになってまいります。

 私は、昨年春の総会パーティーで、当工業会の当面の生産額目標を5,000億円と申し上げました。今年度は、残念ながら国内自動車生産の減産、新興国市場での景気減退などにより、4,467億円の見込みであります。

 しかしながら、今後も絶え間ない技術革新により、世界市場で通用する商品を打ち出していくことで、5,000億円の目標は必ず達成できると思っております。

 最後になりましたが、今年の十二支は酉です。『酉は取り込む』に繋がると言われ、そこから運気もお客も取りこみ、商売繁盛に繋がる年と考えられております。読者の皆様にとりまして、一層の飛躍の年になりますよう祈念し、年初のご挨拶とさせていただきます。

「大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉えたい」
●日本工作機器工業会 会長 寺町彰博

170101機器 あけましておめでとうございます。
 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。

 昨年の世界経済は、中国をはじめとする新興国、および先進国の一部に弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復が続きました。

 そのような中、英国のEUからの離脱決定、米国のトランプ大統領誕生が象徴するように、保護主義への傾斜が見られ、これまで進展してきたグローバル化が大きな分岐点を迎え、世界経済の先行きが不透明となった1年でした。

 日本に目を向けますと、為替の円高を背景に企業収益が伸び悩む中、個人消費が低迷し、経済は低調に推移しました。一方で、リオデジャネイロ五輪において日本が史上最多のメダルを獲得し、多くの希望と勇気がもたらされるとともに、準備が本格化している2020年の東京五輪開催に向けて大きな弾みがつきました。

 世界経済の先行きには不透明感が高まる一方、AI、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、「インダストリ4.0」に代表される製造業の革新に向けた取り組みが進んでいます。さらに、このような取り組みが本格化していく中、時代を先取りして企業間で様々な業務提携が行われ、新たなグループ形成の動きが出てきています。

 このように私たち日本の製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。しかしながら、このような大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉え、これらの新しい技術や仕組みを、私たち日本の製造業の「強み」である高付加価値な製品やサービスへと、知恵を絞り積極的に取り入れ付加することにより、その強みをさらに高めていくことが重要であると考えます。

 これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。
従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
 
 最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。


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