DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が主要な支援会社として運営に参加している、アメリカ政府認可公的非営利慈善団体の工作機械技術研究財団(英文名:MTTRF-Machine Tool Technologies Research Foundation-)の年次総会が、2016年7月6日~7月7日の間、米国カリフォルニア州サンフランシスコにあるインターコンチネンタルマークホプキンスホテルで、世界各国の工作機械研究者約70 名の参加のもと、開催された。
総会では、DMG森精機・森社長の「DMG MORI 統合したグローバル工作機械メーカーとして」の講演に続き、今後の工作機械の開発や加工技術に大きな影響を与える最先端の研究成果が発表された。同社は、今後も工作機械に関する革新的技術の研究開発を行う大学及び公的研究機関を対象に、工作機械の提供など研究助成活動を世界的な規模で進めていくとしている。
*※MTTRF(Machine Tool Technologies Research Foundation:財団法人工作機械技術研究財団)とは
2002年10月にDMG森精機(当時は森精機製作所)が基本財源を拠出して設立した米国政府公認の非営利財団法人。理事長はカリフォルニア大学デービス校及びバークレー校の山崎和雄教授、理事をDMG森精機株社長の森雅彦氏、および顧問の岡田夏生氏が務めている。
MTTRF 年次総会 発表内容
(1)ESPRIT 2016 最新情報
(D.P. Technology Corp CEO Mr. Frayssinet)
(2)フィルタードアーク蒸着法(FAD)により成膜した超硬エンドミルの切削特性-TiCN・DLC成膜の物理特性-
(金沢大学 細川教授)
(3)精密工作機械の消費電力に関するデータ駆動型・経験的予測モデルの改良
(カリフォルニア大学バークレー校 Robinson博士)
(4)複合加工機を用いた複雑形状部品の切削加工と選択的レーザ焼き入れ
(ルーヴァン・カトリック大学 Lauwers教授)
(5)ナノ多結晶ダイヤモンド工具を用いた超硬合金の直彫り加工
(住友電工ハードメタル株式会社 深谷様)
(6)動作条件下における工作機械のダイナミクスの同定
(フィレンツェ大学 Campatelli教授)
(7)5軸工作機械における切削液影響の補正
(チューリッヒ大学 Wegner教授)
(8)ミルターン加工における切削模様の研究
(大阪工業大学 井原教授)
(9)予測切削力に基づくエンドミル加工の適応制御 5軸加工機における機内計測を使用した加工ワークの形状誤差補正
(神戸大学 白瀬教授・佐藤准教授)
(10)高速切削加工におけるびびり同定とプロセス最適化のため視覚システム
(カリフォルニア大学デービス校 曽雌准教授)
(11)工作機械の動作に対する最適な省エネルギー軌道の生成と実験検証
(豊橋技術科学大学 内山教授)
(12)金属シャドウマスクを用いた切削温度測定用薄膜熱電対実装超硬インサートの作製
積層-除去加工のエネルギー分析
(ウィスコンシン大学 Pfefferkorn准教授)
(13)金型及び燃焼エンジン部品加工における表面のトライボロジー挙動の改善
(ウィーン工科大学 Bleicher教授)
(14)医療部品向けコバルトクロム合金の切削加工における工具摩耗
(ダブリン大学 Byrne教授)
(15)ノース・カロライナ大学での新しいMTTRFプロジェクトについて
(ノース・カロライナ大学 Goch教授)