製造業にとって、技能継承は重要だ。ご承知の通り、最先端技術を支えるキモには優れた技能者の存在がある。技能継承がスムーズにいかなくなるということは技術力の低下を招くことに繋がり、特に中小零細の場合は人材コストの問題も大きく、社員教育をどうするか、という大きな課題もあろう。金属加工業で有名な新潟県の中でも小千谷市は特定分野で高いシェアと技術力を持つ企業が豊富であることが有名であり、技能伝承を目的した“テクノ小千谷名匠塾”(小千谷鉄工電子協同組合理事長=木村敬知氏 第一測範製作所社長)が存在する。この塾は小千谷地域の製造業界を将来牽引していく人材育成のための機関でもあり、現在、汎用旋盤、NC旋盤などの工作機械ごとに実技・学科を学び、国家技能士の資格習得を推奨しているが、設立してから現在までの技能士合格者数は124人となった。また、小千谷地域の技術レベルが高いまま維持しているという魅力あふれる地域の力はさらにパワーアップ。最近では産官学連携の「おぢや・しごと未来塾」が「おぢやモデル」として注目された。
木村理事長と事務局の櫻井貴将氏(小千谷商工会議所主任)に、お話しを聞いた。