三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)が、続々と新製品を市場投入させている。今回発表したのは、超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”にステンレス鋼や炭素鋼などの部品加工に高能率加工を実現するスクエアエンドミル「MPMHV」、「MPJHV」を、SE高精度ドリルシリーズ”に溝長の短いショートサイズ「SEPDS」を、荒・中仕上げ加工用ボールエンドミル「SRM2」に積層PVDコーテッド超硬材種の鋼加工用「MP6120」、チタン合金・耐熱合金加工用「MP9120」を追加し、それぞれシリーズの拡充を図る。
超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”を拡大
一般鋼から50HRC程度までの高硬度鋼の金型材や部品加工の幅広い範囲で、安定した寿命を発揮する“MS plusシリーズ”に、ステンレス鋼や炭素鋼などの部品加工に高能率加工を実現するスクエアエンドミル「MPMHV」「MPJHV」を追加した。
超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”「MPMHV」「MPJHV」の主な特長は、以下の通り。
① 「MS+(エムエスプラス)コーティング」を採用。炭素鋼から50HRC程度の高硬度鋼まで、幅広い被削材で優れた耐摩耗性を発揮。
② 異なるねじれ角による不等リード形状により、びびり振動を抑制し、突出しの長い加工での安定した切削が可能となり、特にセミロング刃長の「MPJHV」は、縦壁の仕上げ加工に最適。
③ ミドル刃長の「MPMHV」は、刃長と全長を従来品より長い設定としたことでより高い汎用性を実現。
●型番
「MPMHV」刃径 1mm~13mm 17型番/「MPJHV」刃径 1mm~12mm 19型番
●標準価格
4,240円~24,900円
ハイスミーリングシャンクドリル“SE高精度ドリルシリーズ”に「SEPDS」を追加
ハイスミーリングシャンクドリル“SE高精度ドリルシリーズ”は、切れ味が良く、耐溶着性と切りくず排出性を向上させることにより、鋼・鋳鉄・ステンレス鋼から非鉄金属のドリル加工に低コストや良好な仕上げ面と高精度な穴あけ加工を実現し、抜けバリが抑制されるなど、ユーザーから高い評価を得ていることを受け、このほど溝長の短いショートサイズ「SEPDS」を追加し、シリーズの拡充を図る。
ハイスミーリングシャンクドリル“SE高精度ドリルシリーズ”「SEPDS」の主な特長は、以下の通り。
① 歯切工具などで、耐摩耗性を向上させるための表面処理「STH処理」をドリル用に最適化した独自表面処理「D-STH処理」により、ノンコーティングの切れ味を保ちながら、コーティング品並みの耐摩耗性を実現。
② 一般的コーテッドハイスドリルに比べ高精度なドリル径公差を実現。
③ コーテッドハイスドリルに比べて、独自表面処理「D-STH処理」は母材の微小な穴を残すことにより、クーラントの潤滑性が向上。
●型番
「SEPDS」ドリル径 0.5mm~4.0mm 41型番
●標準価格:
708円~1,480円
荒・中仕上げ加工用ボールエンドミル「SRM2」にPVDコーテッド超硬材種を追加
荒・中仕上げ加工用ボールエンドミル「SRM2」は、インサートとボディの中心肉厚に厚みを持たせ、インサートやボディの割損に強く、中・大型金型の加工用の刃先交換式ボールエンドミル。このほど、独自技術TOUGH-Σ(タフ・シグマ)テクノロジーを適用したAl-Ti-Cr-N系積層PVDコーテッド超硬材種の鋼加工用「MP6120」、チタン合金・耐熱合金加工用「MP9120」を追加したことで、シリーズの拡充を図る。
PVDコーテッド超硬材種「MP6120」「MP9120」の主な特長は、以下の通り。
① 独自技術TOUGH-Σテクノロジーは、Al含有量を高め高温下での耐摩耗性・耐溶着性を向上したベース層と、被削材別の最適被膜を積層構造にすることにより、クラック進展を阻止し耐欠損性も大幅に向上。
② 鋼加工用「MP6120」には、(Al,Cr)N系コーティング層を採用し、熱の膨張と収縮により発生する熱亀裂を抑制。
③ チタン合金・耐熱合金加工用「MP9120」には、CrN系コーティング層を採用し、刃こぼれの原因である溶着による構成刃先を抑制。
●型番
「MP6120」20型番/「MP9120」20型番
●標準価格
1,950円~5,690円