ものづくりの現場では、品質向上、少人化・無人化によるコスト低減をねらいとしたロボット化のニーズが一段と高まっている。とくに中国をはじめとした新興国では、人件費の高騰、労働人口の減少や少子高齢化がすすむなかで、各種加工・小物搬送・組立・箱詰・梱包などの人手作業に対応する小型ロボットの需要がますます拡大している。
ナチ不二越は、そういった市場のニーズを背景に、世界最速、軽量コンパクトロボット「MZ07」を開発し、このほど全世界で同時発売を開始した。これにより、同社が得意としている自動車、産業機械分野だけでなく、電機・電子、食品、化学など幅広い分野のロボット化・自動化ニーズに貢献する。
「MZ07」の特長は以下のとおり。
(1) 世界最速の動作性能による生産性の向上
軽量かつ高剛性な本体と独自の制御技術により、動作速度を従来同機種対比37%アップ、世界最速を実現した。様々な用途で生産性の向上に寄与する。
(2) 軽量コンパクトで広い動作範囲
A4用紙サイズよりもコンパクトな設置面積でありながら、7kg 可搬クラストップの最大リーチを実現。人手で運搬可能な本体質量(約30kg)、省スペースと広い動作範囲により、新規設備へのロボット適用や、既存設備のロボット置換えを容易にした。
(3) スマートなケーブル引き回し
手首の中空化により、手首先端に取り付けるハンドなどへの配線・配管の引き回しを簡素化。全ての配線類を中空部に通すことで、周辺装置との干渉リスクを大幅に低減する。
(4) 高い防塵・防滴機能を標準装備
本体・手首ともに防塵・防滴性を高め(保護等級IP67)、切粉が飛散するバリ取り、クーラントが飛散する機械加工工程など、悪環境への適用を可能にする。
(5) 豊富なオプション仕様と自由な設置条件
7種類のハンドを標準化(オプション)、視覚・力センサなどのアプリケーションを用途に応じて選択可能にした。設置方法は、床置タイプに加え、壁掛け・天吊り・傾斜など自由に選択でき、人手作業に替わるあらゆるニーズに対応する。
(6) 小型・高機能コントローラ「CFD」
「MZ07」に対応した小型コントローラ「CFD」を商品化。縦置きの設置も可能で、省スペースに貢献する。また、周辺装置を含めたシステム制御を行なうソフトウェアPLC、 オフラインシミュレーションツールなどを標準装備し、高機能と使い易さを両立する。
(7) 外観を一新
全体的に丸みを帯びた優しいフォルムと、アーム側面のアクセントラインとカラーリングで、同社従来機種にはないスマートで斬新な外観を実現した。
用途は、用途:組立、ローディング(材料の投入)、取り出し、箱詰め、検査、バリ取り、研磨・仕上げ、シーリング(シール剤の塗布)等。
同社では、自動車、自動車部品、一般産業機械、電機・電子、食品、化学、薬品、非鉄金属、住宅等に狙いを定め、日本、米州、欧州、中国、アセアン、東アジア等で拡販し、この「MZ07」の発売を皮切りに、小型ロボットのラインアップを拡充することで従来、ロボット化が困難であった複雑な人手作業へのロボット化をすすめ、市場を拡大するとしている。
売上げ目標は2,000台/年(2014年度)
■新商品の問い合わせ先
(株)不二越 ロボット事業部 ロボット企画部 TEL:076-423-5135