ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、製造業の デジタル化やスマートファクトリー化に対応するプラットフォームとして、IT業界のリーディングカンパニーである米シスコシステムズ社と共同で、「MAZAK SMARTBOX(マザック スマートボックス)」を 開発した。
マザック スマートボックスは、工場内のネットワーク化をはかる上で重要なサイバーセキュリティの問題を解決すべく、CNC工作機械とIoT対応の設備機器との通信環境を簡単かつ安全に提供するネットワーク スイッチで、米国発信の製造業向けオープン通信規格「MTConnect (MTコネクト)」を通信プロトコルとして採用し、工作機械や設備機器とのネットワーク通信をMTコネクトで行うことにより、サイバー攻撃など 内外からの不正なアクセスを遮断する。
また、MTコネクトに対応したソフトウェアを利用することで、同規格に対応した設備機器であればメーカーやモデルの新旧を問わず、稼働状況の可視化および分析を行い、工場全体の生産性の向上に繋がる経営判断をタイムリーに促す。この開発を行った米国現地法人マザック コーポレーション(米国ケンタッキー州フローレンス市)の 工場内で既に先行導入され、また本社大口工場のiSMART Factory への導入も進めており、 今後世界展開を行っていくとしている。
MAZAK SMARTBOX(スマートボックス)の特徴
① 製造業向けオープン通信規格MTConnect (MTコネクト)を採用、対応機器であればメーカーやモデルの新旧を問わず、複雑な工事をおこなうことなく接続可能。
② 接続ポートを複数装備、一つのMAZAK SMARTBOX (マザック スマートボックス)に複数の工作機械や周辺機器、センサーを接続可能。
③ MTコネクト対応のソフトウェアにより、接続機器の稼働状況の可視化や分析が可能。
④ 工場内の設備機器との通信をMTコネクトに限定することで、高レベルなサイバーセキュリティを確保。
期待される導入効果は、生産工程の進捗や設備稼働状況などのデータを安全かつリアルタイムに収集し、監視・分析できるため、問題発生時の素早い対応や生産改善への気づきが促進されることである。スマートボックスを先行導入している同社の米国工場では、設備稼働率が10%以上向上し、効率アップによる残業・外注費削減などの効果がでている。
設備の予防保全や予測保全に必要なデータも収集することで、保守費用の削減と設備稼働率を上げる効果が期待される。