日本機械工具工業会(会長=本間博夫氏)は、旧日本工具工業会の「切削工具の手引き書」をこのほど発刊した。
A4版・155ページのこの手引き書は、工具材料及び工具処理、バイト(旋削加工)、ドリル加工、フライス加工、歯切加工、ねじ加工に分類され、それぞれの工具種類・加工特性、使用上のトラブルと原因、それらの対策などを分かりやすく解説している。
旧工具工業会前理事長の堀 功氏は、切削工具手引き書発刊にあたり、「本書は、工具材料や表面処理といった工具の基礎から始まり、最新の工具や加工法までを網羅した手引き書というよりは、工具及び加工技術を極めるためのバイブルだと思っています。世の中にはこれほど工具に特化した技術書はないといっても過言ではありません。日本の産業界を支えているのは,工作機械の先端に装着される工具のポテンシャルが鍵を握っています。加工面の粗さや加工精度を決定するのは、工具そのものの出来具合も重要ですが、どんな切削条件で加工するのか、クランプ状態はどうなっているのか、ツーリングの把握状態はどうか、工具の選択は正しいのかなど、複雑な加工の基礎を理解することだと私は考えています。そしてその結果を加工現場で実際に見ることがさらに重要です。出てくる“切りくず”は加工状態を雄弁に物語っているのです。私達の培った技術は、大きなものを加工・研削する技術であり、複雑な形状のものを作り上げる技術であり、アスペクト比の高いものを加工する技術であり、いずれも未来を支える技術だと思います」と述べている。
発行部数は会員企業無償配布も含めて2,500部の予定。一般価格は1500円。送料は工業会が負担する。
問合せ先は日本機械工具工業会まで。
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