世界40カ国、約27万人企業として多彩な事業を展開している住友電工グループ。現在、“自動車”、“情報通信”、“エレクトロニクス”、“環境エネルギー”、“産業素材”の5つの事業分野を確立している。その中で、今回、注目したのは産業素材分野だ。同社の源流でもある銅電線の伸線技術を応用した特殊金属線、伸線に必要な線引きダイスの内製化を機に“超硬合金”の開発が行われ、粉末冶金技術を活かした切削・研削工具の数々は、あらゆる領域で世界のものづくりを支えている。
同グループの超硬工具イゲタロイ基幹工場として常にトップレベルの製品と技術を創造しているのは、北海道住電精密(北海道空知郡奈井江町:社長=大屋敬雄氏)だ。最先端の技術と品質管理で、超硬合金の“粉末原料”を製造し、世界へ広がる関係会社へ供給するに加え、“刃先交換式インサート”(スローアウェイチップ)の量産製造をメインとした専門工場である。最新システムとテクノロジーによる一貫生産が特長で、高度な粉末冶金技術とファクトリーオートメーションの融合により原料から製品まで高効率生産を行っている。大屋社長にお話しを伺うとともに工場内を取材した。