三井精機工業(社長=加藤欣一氏)が、2月5日(水)~6日(木)の2日間、名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)第3展示館で「MTF(MITSUI TECHNICAL FAIR)2020」を開催した。
今回のテーマは「技術、技能の継承~100周年に向けて」。59社の協賛メーカーも出展し、華やかな展示会となった。2月6日は、世界的企業として名高いトヨタ自動車のエンジン生技部長 泉 俊宏氏による「TNGAエンジンラインでの取り組みと目指すべき方向性」をテーマにした特別講演が開かれ、会場は大いに盛り上がった。
今回の名古屋会場では、コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生しており、設置面積も自社比38%削減(ZV37)、56%削減(ZV75)とコンパクトになっているうえ、パッケージの防水評価試験を実施し、保護等級IP23を実現している。
注目したい点は、吸気口、排気口、のルーバーを見直し、浸水時に対し外部排出構造を採用したこと。雨風にも強く、洗練されたモデルとなっていた。
また、コンプレッサの監視システムなども展示しており、これは、保守点検を積極的に進めることによって、異常をなくす、あるいは万が一異常があったとしても、サービス会社がどういう状況で異常が出たのかが分かるので、的確なサービス対応ができるというもの。ダウンタイムを短縮するニーズに応えたシステムだった。
一方、工作機械の注目商品は、Precision Profile Center『PJ812』。ジグボーラーと同等以上の精度を実現している。門型構造だが、一般的な門型はZストロークが長ければ長くなるほど精度が安定しないので、乗せるワークも限定されてしまうという課題があった。
同社の『PJ812』は、Zストロークが500㎜まで確保しているので、ヘッドライトの金型など、高さがあるようなワークも加工できる。
仕上げ加工においては、主軸回転数も3万回転で40番が標準だが、1万2,000回転で50番も用意していた。荒、中、仕上げまでの全てを使いたい! という欲張りユーザーのために使用できる有難いモデルとなっていた。
さらに気になる熱変形対策においても、主軸、ボールねじの軸心冷却に加え、さらに摺動による発熱が鋳物部分に伝わり変形するのを防ぐためにX、Y軸摺動面の冷却機構を標準搭載していた。
加藤社長は、「1月29日から2日間にわたり本社工場で開催したMTF2020も1300名以上の来客があった。景気の見通しはシビアだが、ものづくりに関わる皆様は非常に勉強家でいつもなにかを探している。今回、ご協賛してくださった59社の皆様との情報交換も充実している。今年はJIMTOFの開催年なので、コンプレッサや工作機械の次のご提案の足掛かりをつくっている状況。コロナウィルスがいつ終息するか分からないが、半導体がけん引する見通しであり、今年は急速に良くなる可能性がある。」と期待を滲ませた。
本社工場で開催されたMTF2020の様子
(写真提供:三井精機工業)