日本工作機械輸入協会(会長=中川貴夫 シーケービー社長)が1月8日、都内の第一ホテル東京で、賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った中川会長は、「当協会は1955年に発足し、今年2020年に創立65周年を迎える。わが国は2回目のオリンピックを開催する年とも重なり、これに際して『日本の工作機械輸入の歴史』という記念誌を発行する運びとなった。IoT、AIなど工作機械を取り巻く環境は大きく変わる現在、アディティブ・マニュファクチャリングが大きな存在となる近未来、さらには国際政治、国際金融、貿易戦争といった複雑な要素が絡み合ってくる時代。私たち日本人がどのようにものづくりに関わり、この国を世界第一等の国に押し上げてきたのか。その過程で幾多の戦争や政府の意向、方針の中でいかに海外製工作機械が貢献してきたのか、先輩たちの汗と油の苦労の歴史を振り返り見るのは、将来を洞察するすべとして極めて有効な手段である。オリンピック・パラリンピック、シカゴIMTS、米国大統領選が終わると、今年は異例の日程でJIMTOFが待っている。」と期待を込めた。
来賓を代表して、経済産業省製造産業局 玉井優子産業機械課長が、「いよいよ7月には東京オリンピック・パラリンピックが開幕する。前回の大会の際にはインフラ整備、都市開発が進められ、新幹線に代表されるような数々のイノベーションが生まれた。再び東京で開催される大会を前に、先進技術でさまざまな課題に挑戦して世界に誇れるイノベーションを生み出していきたい。世界に目を向けると地政学的な不確実性や不安定性が高まり、さらに気候変動など地球規模の課題が日本を取り巻いている。その中で少子高齢化による人手不足、デジタル化の加速など、乗り越えるべき課題が山積みである。こうした課題を乗り越えていくためにはスピード感や従来の枠にとらわれない発想、イノベーションが必要だと考えている。」とあいさつをし、問題を解決する一つの方策として、「ロボットの研究開発やロボットフレンドリーな環境の構築、中小企業における新たな設備の導入等の補助もしっかり強化をしていく。」と、声援を送った。
新会員の紹介のあと、ドイツ連邦共和国大使館 パトリック ヴェーグナー一等書記官の乾杯の発声で開宴した。