ヤマザキマザック(社長=山崎高嗣氏)は、このほど、スマートファクトリーの深化とソリューション提供力の拡大を目指し、ロボットメーカやソフトウェアメーカとの連携を強化するコラボレーション「MazakSolution Partners(マザックソリューションパートナーズ)」を発表した。
同社では、近年、スマートファクトリー化が求められている背景に、「労働人口の減少と熟練作業者の不足への対応、マスカスタマイゼーションに代表される多品種少量生産の効率化などがあり、こうしたグローバル規模の多岐にわたるニーズに迅速かつ、きめ細かく対応することは工作機械メーカだけでは困難である。」との認識のもと、ロボットメーカやソフトウェアメーカとの連携を強化した。同社製工作機械との接続インターフェースをパートナー企業に公開することで、個々のユーザーニーズを反映したロボットによる自動化セルの構築や、オフィスPCによる段取り作業を支援するソフトウェアとのデータ連携を容易にし、さらなる生産効率の向上と顧客の工場のスマートファクトリー化を実現する。
去る9月16日よりドイツで開催された欧州国際工作機械見本市(EMOHannover 2019)の同社ブースでは、各ソリューションパートナーと連携し、新製品の「INTEGREXi-450H ST」や「VARIAXIS C-600」などでのデモ展示を行い、好評を博している。
「MazakSolution Partners」で提供力を拡大
■ロボットコラボレーション( ロボットを活用した自動化セル連携)
・パートナー企業(順不同 敬称略)
ファナック、三菱電機、 KUKA AG
従来から工作機械オペレータの課題となっていたロボットのティーチング作業の簡易化と、長時間の無人運転を行うためのスケジューリング・ソフトウェアとのインターフェースを開発した。ロボットの専門知識がなくても、マザックの工作機械操作パネルから簡単にスケジューリングやティーチング作業を行うことが可能となる。今後、これらロボットメーカのSIer(システムインテグレータ)とも協業することで、世界各地のユーザへの個別対応力を高めていく。
■CAD/CAMインタラクティブ(CAD/CAMソフトウェア連携)
・対応ソフトウェアとパートナー企業(順不同敬称略):
ESPRIT(DPTechnology社)/ FUSION360(AUTODESK社)
hyperMILL(OPEN MIND社)/Mastercam(CNCSoftware社)
工場の工作機械のリアルデータを取得し、オフィスPC上のソフトウェア(サイバー空間)で仮想機械(デジタルツイン)を構築、プログラミング作業の効率化やシミュレーションによる機械稼働率の向上を実現する。マザック製の工作機械専用パラメータや稼働データを利用するための専用インターフェースを公開し、パートナー各社がCAD/CAMソフトウェアのさまざまな機能開発を行う。
EMO Hannover 2019で発表したソフトウェアシリーズ「MAZATROLTWINS」に対応しており、パートナー各社のブースでも紹介が行われた。
EMO Hannover 2019のマザックブース