ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、続々と新製品を投入している。すでに好評を博している高精度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール」に、刃先強度と切れ味を両立した高硬度材加工用の新インサート「TSインサート」と、両面4 コーナ仕様の高能率荒加工用工具「マックスマスター」に、スチールシャンクタイプおよび低抵抗形インサート「SLブレーカ」をそれぞれ追加発売した。
ミラーボール用「TSインサート」
昨今、製品の高強度化、高精度化により難削材と呼ばれる材料が多用されているが、高硬度材の高速加工においては、工具摩耗の促進を抑制する専用工具が必要となることを受け、同社では今回、高精度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール」用「TS インサート」を追加した。この製品は、切削熱の発生を抑制する低抵抗な刃形と、強靭かつ耐熱性に優れた新材種を採用し、高硬度材加工の高精度かつ長寿命な仕上げ加工を実現したもので、高硬度焼入れ鋼、鋳鉄の三次元形状中仕上げ~仕上げ加工に威力を発揮する。
■特長
(1)高硬度材の加工において、切削熱の発生を抑制するために、従来よりも大きなねじれ角を採用し低抵抗な刃形とした。また、切れ刃のすくい角をマイナスとし、刃先強度を向上させ、60HRCを超える高硬度材の中仕上げから仕上げ加工まで、安定した加工が可能である。
(2)ボールエンドミル中心部の切りくずポケットを大きくし、切りくず排出性向上を行うことで、中心部を多用する加工でも高精度な加工が可能である。
(3)新開発コーティング材種「DH202」を採用。超硬母材は硬くて強靭な超微粒子超硬合金を用いており、優れた刃立性が得られる。PVD被膜である「DH2コート」は、耐高温酸化性、耐衝撃性、被膜靭性および密着性に優れ、高硬度材の高速加工が実現できる。
(4)S字刃形ながらR精度は±0.006mm以下とソリッドボールエンドミル同等以上の形状精度であり、高精度を有している。
■サイズ・価格
・サイズ:8R(φ16)、10R(φ20)、12.5R(φ25)、15R(φ30)の計4 形番
・インサート材種:DH202
・標準価格:6,420 円~9,170 円(税抜き)
「マックスマスター」シリーズ
金型の荒加工において、既存のモジュラーヘッド+超硬シャンクアーバ(頑固一徹)に比べコストメリットのあるスチールシャンクタイプの要望を受けシリーズ化。また、難削材の高能率荒加工に最適な低抵抗形インサートも揃え、幅広い被削材に対応できるラインナップとした。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン合金などの平面・ポケット、ヘリカル、曲面、溝削り加工に威力を発揮する。
■特長
(1)小型で切削抵抗が低い独自の3次元ブレーカインサートを採用した多刃工具、かつインサート両面4コーナ仕様で経済的な高能率荒加工用工具。
(2)φ50の炭素鋼加工で抜群の切りくず排出量Q=317cm3/minを実現。
(3)インサート厚みを4mmと厚くし、断面強度は従来品比20%アップ、幅広い切削条件下で安定加工が可能。
(4)刃先強化形のPHブレーカにより、耐欠損性に優れ高負荷切削に対応。低抵抗形インサート「SLブレーカ」を追加ラインナップし、高能率荒加工を実現する。
(5)インサート材種は、新PVDコーティング材種「JC8118」「JC7560」に加え、SLブレーカ材種「JC7550」を採用し、プリハードン鋼、焼入れ鋼、ステンレス鋼・チタン合金まで幅広い被削材に対応。
■サイズ・価格
① サイズ:φ16~φ32(計8 形番)
標準価格:25,300 円~47,300 円(税抜き)
② インサート形番:ENMU100412ZER-SL、インサート材種:JC7550
標準価格 1,180 円(税抜き)