三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)がこのほど、高硬度鋼加工用 高能率4枚刃ボールエンドミル「EHHBE-TH3」を発売した。
この製品は、従来から好評を博しているエポックハイハードボール「EHHBE-ATH」に新開発した次世代コーティング「TH3コーティング」を施したもの。TH3はTHコーティングの第3世代のコーティング。特に50HRC以上の高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮することが特長だ。
従来品・エポックハイハードボール「EHHB-ATH」の特長である先端に特殊エンド刃を設けた刃形状、ビビリ振動抑制効果の高い不等分割刃、広いチップポケットなどの工具設計は継承し、4枚刃に多刃化された高硬度鋼加工用ボールエンドミルとTH3コーティングが融合することで、安定した高能率加工が更なる長寿命で行える工具だ。40HRC~72HRCの高硬度鋼(特に50HRC以上の焼入れ鋼)の荒加工~中仕上げ加工、高能率側面切削での高硬度鋼の荒加工に威力を発揮する。
特長は以下の通り。
(1)TH3コーティングの採用(耐熱性、耐摩耗性の更なる向上)
耐熱性、耐摩耗性に優れているTH3コートを採用、50HRC以上の高硬度鋼で威力を発揮する。
(2)先端に特殊エンド刃採用(切削性能の向上、安定化)
先端部に微小な特殊エンド刃を設け、ボールR刃とは異なる刃を形成。ボールエンドミルで最も不安定となる切削速度ゼロ点(ボール先端部)を無くし大幅な切削性能の向上を実現した。
(3)不等分割刃の採用(ビビリ振動の抑制)
多刃化に伴う課題である、高速回転時・コーナ部加工時・突出し量の長い加工でのビビリ振動を最小限に抑えるため、切れ刃に不等分割を採用している。
(4)チップポケット形状の最適化(切り屑排出性の向上)
チップポケット形状の改良により、4枚刃での高能率加工においても良好な切屑排出性を実現。切屑の噛込みによる、突発的な折損を防ぐことができ安定した加工を実現する。
(5)高能率側面切削に対応した工具設計
工具の外周刃を使用し加工負荷を制御しながら加工を行い、加工能率や工具寿命を向上させる高能率側面切削に対応した工具設計を行った。
仕様
φ1~φ12 レギュラー刃 (全17アイテム)
価格
¥10,710~¥32,440(消費税別)