「働き方改革対応機械を」
■日本精密機械工業会 会長 髙松喜与志
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
私は昨年の第61回通常総会で日本精密機械工業会会長に就任いたしました。当工業会は「超精密へのあくなき挑戦」及び「会員相互の親睦」を共通のテーマに掲げ、正会員41社 賛助会員61社 特別会員2名、104の企業・個人に参加頂いております。
「技術委員会」「販売委員会」「輸出管理委員会」などの6委員会は活発に活動しています。委員会活動の一端を紹介しますと、海外のユーザーに日本製で有る事をアピールする「JAPAN MADE」認証制度を設立し、海外販売を促進出来ればと思っています。またJIMTOFでは「日本人の匠技・モノづくりコンテスト」を開催しています。JIMTOFを見学する多くのお客様に興味を持って観てもらいました。まだまだ会員企業からの出展が多いですが、今後はユーザー様からの出展が多くなる様に認知度を高めてまいります。
また昨年のJIMTOFでは当工業会のPRビデオを作り事務局ブース前で公開しました。
昨年は委員長が交代した委員会も多数あり、今年は力一杯頑張ってもらえると確信して
います。
いよいよ今年から働き方改革法が施行されます。日本国内では人手不足が顕在化してきました。また『未来の年表〜人口減少日本でこれから起きること〜』『未来の年表2』(河合雅司著)という本が売り上げを伸ばすなど、日本が直面する問題が論じられています。
この様な中、当工業会で出来る事は、会員各社の生産性を上げる事と、お客様の工場の生産性を向上させる設備を提供することではないでしょうか。働き方改革対応機械を作って行きたいものです。
工作機械業界は一昨年、昨年と生産が追いつかないくらいの受注が続いています。これは中国への輸出の好調が要因の1つです。しかし米中貿易戦争により不透明感が有るとの見方も示されています。今後の動向を注視する必要が有ります。
TPP11が昨年12月30日で発効しました。世界最大規模の自由貿易圏が誕生しました。また、日本とEUとのFTAは今年2019年2月1日の発効を目指しています。まだまだ市場を拡大出来る要素は沢山有り、今年も多くの受注が得られ、生産に追われる状況が続くことを願っています。
「i-Constructionのさらなる普及と浸透を」
■日本建設機械工業会 会長 大橋徹二
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員各社並びに関係省庁・関係団体の皆様方には、平素より、日本建設機械工業会に格別のご支援とご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は日本国内において、西日本を中心とする「平成30年7月豪雨」をはじめ様々な災害が発生し、多くの被害をもたらしました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
2018年は、海外においては米中貿易摩擦をはじめとする様々な動きがあり、緊張感を持って世界情勢を注視する一年となりました。昨年の世界の建設機械の需要は、日本などの一部地域を除いて一昨年から引き続き好調に推移しました。企業によって差はあるかと思いますが、全体的には北米や欧州の需要が堅調だったほか、中国や東南アジアといった新興国市場においてもインフラ工事やマイニングの需要が引き続き好調でした。当工業会がまとめている建設機械出荷金額統計を見ても、1月から10月の輸出総累計で対前年比19.7%増という結果となりました。一方国内に目を向けますと、新排出ガス規制に伴う駆け込み需要の反動減の影響等もあり、建設機械出荷金額統計では、1月から10月の国内総累計で対前年比8.7%減という結果となりました。
当工業会では、これまで人々が安全かつ安心に暮らすために必要な基盤づくりに様々な形で寄与してまいりました。今後はさらに、少子高齢化および建設労働人口低下の対策、地震や台風などに起因する予期せぬ災害への迅速な対応なども必要となるでしょう。特に国内の建設業界では、建設労働者のうち100万人以上が今後 10 年で高齢化等により離職すると想定されており、労働力不足が大きな課題となっています。こうした背景を踏まえて当工業会としては、安全・安心な社会を実現するための一助となるべく、より安全で、より生産性の高い建設生産プロセスを目指してICT/IoTを活用したソリューションを提供し続け、国土交通省の推進する情報化施工やi-Constructionのさらなる普及・浸透の一翼を担っていく所存です。また昨今、より重要性が増しているSDGsおよびESGにおいても会員各社の対応を促進し、持続可能な社会の実現に向けて、環境・省エネルギー・安全・法令遵守といった社会的な要請にも引き続き対応してまいります。
最後になりましたが、皆様にとって、より良い一年となりますように祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
「日本の産業を土台から支える」
■日本フルードパワー工業会 会長 石川 孝
新年明けましておめでとうございます。平成31年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、地震、豪雨、台風などの自然災害により、経済にも大きな影響を与えました。一方、2025年大阪万博が決定し、2020年の東京オリンピックに続き経済効果が期待される明るい話題もありました。
さて、昨年の経済情勢を振り返りますと、トランプ政権による追加関税が実施され、中国との貿易戦争が始まりました。この影響もあり、中国経済は、昨年8月以降に景気が停滞局面に入っております。日本経済は、2018年7~9月期の実質GDPは、自然災害の影響もあり、2四半期ぶりのマイナスとなりました。
本年の米国経済は、中国・欧州の景気減速や、通商摩擦によるリスクを抱えるも良好な雇用・所得環境が続き、ややペースも落としながらも本年も消費主導の成長が続くと見られています。
中国経済は、景気が停滞局面に入っており、輸出は堅調を維持するも、本年は米国制裁強化で輸出の下振れが強まる可能性があり、輸出関連の設備投資や、消費マインドにも波及する恐れがあると見られています。
当工業会においては、半導体関連ではやや弱含みのトレンドが見られる一方、内需及び米国を中心とした外需の旺盛な設備投資意欲と高い受注残に支えられ、高いレベルの生産が続いている業界もあり、日本全体としてはまだら模様の状況であるように思います。
こうした中、当工業会は、需要対策事業、国際交流事業、標準化事業、技術調査事業、広報・PR事業及び中小関連企業事業などの活動を通し、フルードパワー産業界の発展に貢献してまいりました。特に重要課題の一つとして、今後さらに進むグローバル化、高齢化を考え、意欲にあふれた人材の育成に力を入れ、・油圧・空気圧若手技術者懇談会の開催・技術講演会の開催などに力を入れてまいりました。本年も、人材育成に力を入れ、日本の製造業の強さをしっかりと土台から支えるフルードパワー業界となるよう微力ではございますが、日本フルードパワー産業の発展に貢献してまいりたいと存じます。
最後になりましたが、フルードパワー工業会と皆様方の益々の発展を祈念し、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
「世界一のロボット利活用社会の実現」
■日本ロボット工業会 会長 橋本康彦
新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
さて、我が国では昨年、2025年の大阪万博誘致の成功や京都大学・本庶佑特別教授のノーベル医学生理学受賞、そして2020年の東京オリンピック開催を間近に控えてのスポーツ界での様々な活躍といった明るい話題があった反面、台風や地震などの大規模な自然災害が多発した一年でした。
一方、世界経済は緩やかに拡大するなかで、米国での金利上昇や米中貿易摩擦の先行きに対する不透明感から株式市場の不安定な動きが見られるほか、中国においても貿易摩擦の影響が実体経済に現れつつあり、さらにはユーロ圏においても景気が減速しつつあります。このように、世界経済は保護主義的な傾向が強まることによる減速懸念を抱えたなかでの幕開けとなりました。
ひるがえって我が国経済は、政府の各種政策効果もあって雇用・所得環境の改善で緩やかながら景気回復が持続しています。その中にあって、特に私どもロボット業界にとりましては、こうした景気回復下で少子高齢化による人手不足感の拡大と併せ、2015年に取り纏められた「ロボット新戦略」での政策目標と、それに伴う各種施策に支えられ、ユーザー側での需要意欲に底堅さが見られました。
また、「ロボット新戦略」で提案されたロボットの国際競技大会である 「World Robot Summit」のプレ大会が、昨年10月、Japan Robot Week2018の開催時期に併せて開催され、その相乗効果もあり盛会裡に終了致しました。2020年の本大会に向けて大きな期待を集めるものとなりました。
このような状況の下、我が国のロボット産業は、国内需要が引き続き堅調な伸びを示したほか、需要の約7割を占める輸出が年後半より前年割れが見られたものの、2018年は受注額で業界初の1兆円越え(対前年比約7%増の1兆100億円程)とともに、生産額においても対前年比6%前後の9,300~9,500億円を見込んでいます。
そして2019年の今年は、引き続き米中の貿易摩擦による景気減速懸念はあるものの、引き続き中国をはじめアジア及び欧米での世界的な自動化投資意欲が期待されています。このようなことから、本年のロボット受注額は対前年比4%増の1兆500億円に、生産額につきましても約4%増の9,800億円程を期待しております。
このような中、当業界としては中長期的視点に立った業界の活性化をさらに推進する必要がありますが、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。
第一は「市場拡大に向けた取組」です。ロボット新戦略での「世界一のロボット利活用社会の実現」を目指し、当会ではロボット革命イニシアティブ協議会との連携のもと、2020年に向けロボット活用の裾野拡大に向けたマッチング活動や人材育成並びに環境整備について具体的成果に繋がるよう引き続き「ロボット利活用推進WG」の事務局としてその役割を積極的に担ってまいります。
また、ロボット利活用推進にとってシステムインテグレータ(SIer)の役割は極めて重要であるとの認識のもと、昨年7月に当工業会内に「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」が設立されました。本協会では、業界ネットワークの構築や経営基盤や事業環境の向上、さらにはシステムインテグレーションに対する専門性の高度化に向けた活動を積極的に展開致します。
第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。競争力をベースとしたグローバル市場での優位性確保や今後のAI及びコネクテッドインダストリーズを通じた潜在市場の顕在化を図るうえでも、イノベーションの加速化を通じた市場の獲得・拡大が急務となっています。そしてグローバル市場における我が国競争力の維持・向上にあたっては、イノベーションの加速化を図るためにも、引き続き日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界との連携に努めて参ります。
第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。国際標準については、欧米が市場の獲得手段として戦略的に取り組んでいますが、引き続き我が国も官民挙げての取組みが重要です。国際標準化活動に対しては、ロボットのリーディングカントリーとして引き続き積極的に取り組むこととしております。加えて国際ロボット連盟の活動とも併せて、国際交流を積極的に推進していく所存です。
また、本年は6月5日~7日に例年同様「実装プロセステクノロジー展」を開催致します。加えて12月18日~21日には、隔年開催の「2019国際ロボット展」を開催することとしております。
これらの展示会を通じて技術情報の発信とともに様々な分野へのロボット利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。
引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、会員各位のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。