DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、第2四半期(2018年1月~6月)の連結決算を発表した。
第2四半期における業績は、売上収益2352億8300万円、営業利益157億6300万円、税引前四半期利益136億300万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益88億8600万円となった。
工作機械関連の受注金額は、2661億円で前年同期比24%増となり好調に推移した。機械本体に加え、同社が力を入れてきた多軸機、自動化システムの受注が拡大しており、販売単価の上昇を伴い各地域とも増勢基調を維持した。日本は53%増、米州は27%増、欧州は17%増、中国は36%増、中国を除くアジア・オセアニアは8%増となった。なお、2018年通期の受注計画について、従来の4700億円からさらに引き上げ4800億円以上を目指す。
同社の事業戦略として製造現場での自動化・複合化の促進と5軸加工機の普及に取り組んでいる。自動車(EV)の増加など社会の変化を受け、製造業では、従来型の大量生産と複雑形状の少量多品種生産の二極化が進んでいる。同社は、生産の効率化をさらに高める自動化システムと複雑形状の加工を可能にする5軸加工機・複合加工機を組み合わせ、どちらの顧客に対しても最適な提案をしている。同社はあらゆる顧客の生産活動の課題解決を一手に引き受け、激しく変革する社会の中で重要な役割を果たし続けていく。
新製品開発では、高い剛性と精度が求められる量産部品加工に最適な横型マシニングセンタNHX4000/5000 3rd Generationを開発し、5月の自社展示会伊賀イノベーションデーにて国内初出展した。3年保証付きの高性能主軸speedMASTERに加えて、切削油剤のタンク内に堆積する微細な切りくずを効率的に回収する新技術ゼロスラッジクーランドタンクを標準搭載することで、高速加工を実現しつつメンテナンス性を大幅に向上させた。また、オープンイノベーションを積極的に推進し、コンパクトなスペースで導入できる搬送用ロボット「D-Carry」をデンソーと、1台に機能を集約したロボットシステム「MATRIS mini」を不二越と共同開発した。
一方、同社は社員が働き続けやすい環境整備にも引き続き取り組んでいる。総労働時間を年間2000時間以内に抑え、メリハリをつけた働き方により有給休暇の完全取得を目指す。加えて、4月には社員の子どものためにDMG MORI保育園を開園した。“よく遊び、よく学び、よく働く”をモットーに、今後とも広い分野での社員の活躍を支援し、全社一体となって成長していく。
今後については、日本、米州、欧州の各地域ともに受注環境は引き続き堅調に推移すると思われ、同社では開発・製造・販売・サービスの各分野でAG社と連携を進め、営業サービス拠点がフルに稼働し、さらなる企業価値の向上に努めるという。次期業績(連結)は、営業収益4500億円、営業利益350億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円を見込んでいる。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは130円を想定している。