タンガロイ(社長=木下 聡氏)が、このほど刃先交換式ガンドリル 「DeepTri-Drill」の工具径φ28.01-40サイズを拡充し販売を開始した。
深穴加工は加工難易度が高く、多くの加工現場でボトルネックになっている。使用される工具は、ろう付けガンドリルやソリッドドリルが適用される場合が多い。ろう付けガンドリルは、ノンコーティングの超硬製が多く、高速加工ができない点や1枚刃切削により送りがあげられないため加工能率があがりにくい工具である。
ソリッドドリルは、ガンドリル加工に対し高い送りで加工が行えるが、穴曲りや切りくず排出不良に伴う折損などのトラブルが発生する場合がある。これらの工具はともに、再研削による管理コストや予備工具数の増加など管理面での負担も大きい工具である。
「DeepTri-Drill」工具径φ28.01-40サイズは、3枚のインサートと2枚のガイドパッドで構成され、それら配置を最適化し、ろう付けガンドリルと同等の「真円度」「真直度」「加工面粗さ」が得られる。インサートは深穴加工に最適なブレーカ形状を採用し、ガンドリルよりも高い送り加工が可能になった。また、ガンドリルやソリッドドリルよりも小さな切りくずが生成でき、より安定した切りくず排出ができる。インサートとガイドパッドにはコーティングが施してあり、ろう付けガンドリルでは適用の難しい高速加工も可能となる。
「DeepTri-Drill」は加工の安定性を保った上での高能率加工と、インサート交換式による管理の容易性を提供する。今回の大径サイズの拡充により、従来では対応できなかった工具径レンジに対応可能になり、より多くの深穴加工の生産性向上・コスト削減に大きく貢献する。
主な特長
●BTA工具(深穴加工用工具)のノウハウに基づく切れ刃とガイドパッド配置により、優れる「真円度」「真直度」「加工面粗さ」を実現
●ろう付けガンドリルの1.5~3倍の高送り加工が可能
●2コーナ仕様インサートと2コーナ仕様ガイドパッドにより経済的
●最適なブレーカ形状により抜群の切りくず処理性を発揮し、安定した切りくず排出を実現
●刃先交換式で再研削が不要なため、工具管理の手間とコストを大幅に低減
●M/C、旋盤用ボディ「MCTR」とガンドリルマシン用ボディ「TRLG」の2種類のボディを設定