「加工は見えない箇所ほど難しい」と話すのは、創立65年以上の歴史がある大平工具製作所(社長=水谷秀樹氏、本社:三重県松阪市大平尾町72)。従業員14人(2018年現在)が在籍する勢いの良い企業だ。水谷社長は、3代目にあたる。もともとは、タップのレンチをつくっていたのだが、時代も流れ、外注先の高齢化等もあり、父親の代で機械加工を始めたといういきさつがある。いつの時代も新分野へ挑戦した同社は、現在、主要設備も豊富で縦形マシニングセンタ、5軸マシニングセンタ、ワイヤーカット放電加工機、平面研削盤、細穴放電加工機等がズラリと並ぶ。アルミ深穴加工や難削材加工にも定評があり、信頼も厚い。
優れた加工がどんなものなのか――といっても、守秘義務も多く、見せられないことが多い町工場だが、同社が手掛けるクオリティの高い難加工や、経営者の本音を取材した。