6月13 日(水)から 16 日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で「INTERMOLD名古屋/金型展名古屋」(主催:日本金型工業会)、「金属プレス加工技術展名古屋」(主催:日本金属プレス工業協会)を開催する。初の名古屋開催とあって来場者の期待も大きいようだ。出展者数409社・団体、884小間の開催規模となり、中部圏に向け、各社の見所も満載といったところである。一足早く注目メーカー各社の新技術や目玉製品を紹介する。
(イワタツール、オークマ、岡本工作機械製作所、黒田精工、大昭和精機、ダイジェット工業、DMG森精機、ナガセインテグレックス、日進工具、ブルームノボテスト、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、安田工業)
HRC40~72の焼入れ鋼に穴があく!
●イワタツール
最近、ユーザーの期待に応えるべく生産量をアップしたイワタツールが力を入れているのは、HRC40~72の焼入れ鋼に穴があく「トグロン®ハードロングドリル」。焼入れ鋼に直接穴をあけることができるスグレモノ。金型のエジェクタピン穴加工をはじめ、ワイヤ放電加工のスタート穴、部品加工でも精度向上や工程短縮ができる。世界最速1穴0.2.秒で40000穴以上加工可能なステンレス・調質鋼等の安定加工も出来る「GPドリル」(特許取得)や、他にも切れ味、面粗度、精度と仕上がりの美しさにこだわった売れ筋No.1の「SPセンター」に加え、面取り加工に特化することでコスト低減と加工スピードアップを両立した「トグロン®マルチチャンファー」と、アルミ・樹脂・真鍮に最適な「トグロン®シャープチャンファー」も展示する。
「得意の金型業界へPR! 新研削盤で研削革命を!」
●岡本工作機械製作所
同社が得意とする金型分野の研削。単品加工が多用され、汎用性の高い機械が求められる同業界に向け、計4機種をPRする。2017年4月から発売を開始して金型業界に好調のPSG-SA1シリーズは研削作業に必要な汎用性を生かしたまま、大型タッチパネルでの自動ドレス&研削サイクルを実現。IoT技術を活用して各部品の稼働状況の把握でサービス面の向上に成功、今後の研削盤業界を牽引する新型研削盤だ。さらに金型加工で必要とされる直角出しを自動化するため開発をされたSQG100を展示。ワンチャッキングで3面加工を行うため、高い直角精度に仕上げることができる。是非、近年研削盤業界に斬新な発想を提案する岡本工作機械の研削革命に注目頂きたい!
独自の自動化技術とマシンの融合が製造現場に革命をもたらす!
●オークマ
今回同社では、金型加工をはじめあらゆる分野で高能率加工を実現する工作機械3台を展示し、加工を含む実演を行う。出品機は、レーザ積層による金型補修が可能な「MU-8000V LASER EX」、切削・ミーリング加工能力を強化し広い動作範囲を実現した「MULTUS U3000」、スジ目やエッジの不揃いを低減し、手仕上げ磨き工程の時間を削減する、Hyper-Surface搭載の「MB-56V」の3台だ。また、独自の知能化技術や、IoTを活用した稼働率向上支援システム「Connect Plan」を紹介する。加工現場の経済効果を高めるためのノウハウがここにある!
誰でも簡単に安定した高精度加工を実現!
●黒田精工
今回の見どころは、精密平面研削盤「GS-PFⅡシリーズ」。豊富なオプション機能を用意し、加工から計測までを自動化し誰でも簡単に安定した高精度加工を実現できるようになった。機上計測システムは加工から計測までを自動化する事でオペレータの作業工数を大幅に削減。スキルレス化にも繋がり、安定した品質を維持するとともに生産性向上にも寄与する。フルオートバランサ―は砥石のバランシングを機上にて自動で実施。段取り時間の短縮や研削面精度の向上に貢献する。砥石接近センサーは砥石とワークの接近をセンサーで検知する事で従来難しかった加工開始位置の設定を簡単にし、さらに効率化のオプションの高効率マイクロファインバブルで加工時間の大幅な短縮、反りやひずみの低減、加工精度の向上、面粗さの向上などが期待できる。主軸メタル軸受けもオプションに加え、様々な方法で高品位研削加工を実現する。
ビビリをシャットアウト!
●大昭和精機
嫌なビビリをシャットアウトしてくれる頼もしい製品を展示する同社。深穴ボーリングや長い突き出しによる加工では、ビビリによる仕上げ面精度に問題が生じるが、「BIGスマートダンパー・ボーリングヘッド」は、内部に特殊なダイナミックダンパーを設け、ビビリを瞬時に減衰。高い防振効果で従来の5〜6倍の加工能力が向上する。これにより、ボーリング加工径の縮小を最小限に抑制することができる。高精度仕上げボーリング「EWNヘッド」が一体型になったタイプと、高剛性の荒用ボーリング「SWヘッド」が一体のタイプのいずれもがヘッド一体型のため、より刃先に近い箇所まで内部のダンパーを大きく設けることができ、さらに高い防振効果が得られビビリをシャットアウトする。一体型SWヘッドは加工径φ41〜φ110。一体型EWNヘッドは加工径φ32〜φ203。いずれもBIG+KAISER CKコネクションシステムでの連結にて使用が可能。会場では防振効果のデモ機を触り体感していただくコーナーもあり!
生産性向上をもたらす最新工具を出展!
●ダイジェット工業
今回同社では、5軸加工対応工具および高硬度材やチタン等の難削材加工に最適な工具など、品質および生産性向上をもたらす最新工具を出展。併せて、今展示会にてさらなる新製品も発表。耐摩耗用工具ではレアメタルレスの複合新材料「サーメタル」製品を展示。6/16 (土)13:00からは、テクニカルワークショップ第2会場において「モジュラーシリーズを利用した高能率加工のご紹介」と題し、ワークショップを開講、高速化・難削材化する金型加工の高能率加工事例を紹介する。イチオシは、写真にあるホカホカの新製品「TAタイラーモジュラーヘッド」。プレス金型や大型構造物のボルト座ぐり穴加工や、干渉物を考慮した座面への加工の要望に応え、先端180°フラットの刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリル」にモジュラータイプを追加ラインナップする。
金型加工に最適な5軸制御マシニングセンタ、レーザ加工機など4台を展示!
DMG森精機
毎度、華やかなブース展開で来場者を楽しませてくれる同社。今回は、「5軸とレーザを融合した最先端の金型加工」をテーマに、5軸加工機での工程集約やレーザ加工機での高精度な面品位など、金属加工におけるあらゆるメリットを体感できる。また、CAMを用いたプログラミングや簡単な操作で実現する計測、そして同社のサービス体制など、5軸加工機の導入に不安を感じている方にも安心して使用できるためのソリューションを提案してくれる。見どころは、トータルソリューションの提案と最新5軸加工機の展示。自動車、航空機、建機、エネルギー、医療など、さまざまな産業において、最新の加工技術をもったエキスパートが、お客様のさらなる高精度な金型生産に貢献する技術・ノウハウを紹介してくれる。
「生産性激変!!」がテーマ “超能率加工”で生産性が爆発的UP
●ナガセインテグレックス
同社では、「生産性激変!!」をテーマに、驚異の生産性を生み出すマシンと加工システムを出展。ぜひ同社のブースにて注目してもらいたいのは、昨年の発売開始以来、大反響の新しい高精度平面研削盤「SGS-75」だ。今回のINTERMOLD名古屋に初出展する。コストパフォーマンス抜群のコンパクトで高精度な中型サイズの平面研削盤は魅力たっぷり。また、生産性を爆発的に向上させる超能率加工システムで、加工時間の短縮並びに工程の削減に大きな効果をもたらす超精密クーラント濾過・改質・供給システム「爆削」や、同社の超精密マシンで加工した各種サンプルワークも見どころだ。
困難な金型の「磨きレス化」を実現する工具を展示
●日進工具
今回の見どころは、高硬度材の超仕上げ加工に対応したPCDボールエンドミル「PCDRB」だ。ダイヤモンド焼結体(PCD)の特性を活かす画期的な工具デザインが、高速マシニングセンタの加工で面粗さをナノレベルまで引き上げる。この工具は、切削では困難とされていた「金型の磨きレス化」を実現する工具として4月に開催されたINTERMOLD大阪でも大きな注目を浴びた。金型の磨きレス化は、工具と共に高精度な高速加工機、加工環境、ツールパスの最適化など、その状況で加工結果が大きく変化するため、加工にトライするハードルも高いという声も多く、同社ではそのハードルを少しでも低くし、磨きレス化を体験できるようにと前回同様「PCDトライアルキット」も展示。加工に必要なワーク・工具・NCプログラムが同梱されており、すぐにテストが開始できる体験キットとなっている。
ワーク加工精度を見える化! デモンストレーションも要チェック!
●ブルーム-ノボテスト
同社では、金型ワークの品質安定化や製造工数削減に向けた、加工後ワークの機上3次元測定を実現する「フォームコントロール」を展示。この製品は、測定ソフトウェアでワークのCADデータをPCに取込み、PC上に表示された3D画像にマウスクリックで測定点を指定、プローブの最適計測パスをPCで自動作成し、干渉チェックもPC上で実行する簡単操作が特長である。測定結果は帳票に加え、ワーク3D画像へのグラフやマッピング表示、またCSV形式での出力となる。機上での加工後ワーク測定で計測工数削減、後工程への不良排出抑制、且つ不良ワークを機外へ取外すことなく追加工が可能だ。そして、今回、注目してほしいのが、「LC50-DIGILOG」のロボドリル実機搭載デモンストレーション先行展示。なお正式な発売はJIMTOF2018からとなる。
金型のリードタイム短縮を実現するマシンが並ぶ!
●牧野フライス製作所
今回の見どころは、中・大物金型の中仕上・仕上加工に特化した5軸制御立形マシニングセンタ「V90S」。このマシンの特長は、良好な面品位を保ちつつ、高速・高精度の同時5軸加工が可能であること。これにより放電加工や磨きなどの後工程を大幅に削減でき、金型のリードタイム短縮を実現する。他にも年々要求精度が厳しくなる順送プレス用金型加工に適しているうえ、高い真円度・ピッチ精度を実現した高精度ワイヤ放電加工機「UP6 H.E.A.T.」が展示される。高い要求精度を維持するための機体温度制御の他、3面アプローチ可能な接近性の良い構造、新しい自動結線方式など新技術を多く採用し、高精度だけでなく、使い勝手の良さを追求しているところも嬉しい。
「さらなる高精度、高機能への挑戦。」がテーマ
●三井精機工業
同社は、5軸立形マシニングセンタ「Vertex55X Ⅲ」とジグ研削盤「J350G」を出展。 「Vertex55X Ⅲ」は、「最小の設置スペースで最大の加工エリア」を実現した初代Vertexの特長に加え、さらに精度・剛性を向上させている。今回のマイナーチェンジはベッド剛性の向上と主軸熱変位補正機能のバージョンアップが重点。オプションでHMI機能を搭載した15"カラーLCD付き操作盤に対応等も行っている。一方のジグ研削盤「J350G」は、砥石自動切り込みストロークの大幅な拡張で、異径穴の自動加工範囲を飛躍的に拡大させた。特に「J350G」はIntermold2018大阪でも、新たに開発したテーパー研削加工のデモンストレーションで大きな注目を浴びた。もちろん名古屋でもデモを行う。従来の機種ではテーパー角度が3°までだったが、本機は90°までのテーパー角度の加工が可能となったこと。従来機では不可能だった加工を実現したことで、プラスチック金型等、本機が活躍できる範囲が大幅に拡大した。
高精度な金型製造に欠かせない工具群を展示
●三菱日立ツール
同社では、従来から金型の高精度な加工を実現するために基礎加工の段階から金型の仕上がり精度を意識してトータル工程で高精度を追求する「Hi-Pre²」コンセプトを紹介しており好評を博してきたが、今回、同コンセプトに加えて最新工具を駆使した加工ソリューションで課題の解決事例を紹介する。優れた耐摩耗性と耐熱性を有する新コーティングTH-3を搭載した“エポックディープボールエボリューションハード-TH3”の加工では「加工の開始から終了まで精度を維持したい」「高硬度材の高品位面加工を実現したい」といったニーズを解決する。また最新のCAD/CAMを活用し、大きなピッチで加工するGALLEAシリーズでは高能率かつ高精度な加工事例を紹介する。そのほかにも金型製造に欠かせない穴あけ・ねじ切りなどの加工ソリューションを紹介する。高精度な金型を効率よく作りたいというニーズに対し、同社がいかにこうした課題に真摯に取り組んでいるか、がこの展示で分かるだろう。
見どころは微細加工分野で活用されている「YMCシリーズ」
●安田工業
今回の見どころは微細加工の分野で活用されているYMCシリーズ。ストロークの拡張でも伝統の高精度加工は引き継ぎ、さらに同時5軸運動でも3軸機と同等の精度を実現する。「YMC650+RT20」は、同社のベストセラーマシンYMC430の特徴を引き継ぎながらストロークを拡張、ワイドレンジに高精度、高面品位を実現できる最新鋭のハイエンドマシンにDDモータ駆動の同社製高精度傾斜円テーブルを搭載したモデル。全軸リニアモーター駆動、高剛性コンストラクション、長時間の可動においても安定した高精度加工を実現する熱変位対策を、惜しみなく投入しているところに注目したい。また、直感操作、自己診断、解析をわかりやすい形で提供する新「OpeNe」を搭載した。また、工具のプロファイル計測を行い、新しいツールマネジメントを提案してくれる。「YBM640V」では、高速・高精度加工機能は必然で装備し、かつきめ細やかなユーザーサポート機能を装備の「YBM 640V Ver.Ⅳ」を紹介。多彩な自動測定機能で自動化のお手伝いを提案してくれる。